肩など
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1、柔術の肩脱臼
2、試合での肩関節脱臼
3、フック、アッパー時の肩周囲の痛み(修斗)
4、肩の脱臼(キックボクシング)
5、修斗肩脱臼
6、サーフィンでの肩鎖関節損傷
7、肩鎖関節破壊?!
8、カラテ、肩の腱
9、肩脱臼癖(日本拳法メキシコ)
10、右胸〜肩の痛み(柔道)
11、肩の手術と再脱臼
12、右肩亜脱臼後の注意点(合気道)
13、肩関節脱臼(少林寺拳法)
14、肩関節脱臼(少林寺拳法)2
15、ボクシング肩鎖関節損傷
16、サッカー部GKのリハビリ
17、外傷性肩関節脱臼(スノーボード)
18、二回目の肩関節脱臼(スノーボード)
19、肩鎖関節損傷と引退試合(少林寺拳法)
20、肩鎖関節の固定について
21、反復性肩関節脱臼(スケートボード)
22、肩の違和感(カラテ)
23、はじめての肩脱臼と固定
24、肩鎖関節損傷(合気道)
25、肩の痛みとアクション
26、脱臼そして骨折(プロボクシング)
27、フルコンカラテ脱臼後の注意点new

1、柔術の肩脱臼 

はじめまして!僕は25歳ブラジリアン柔術歴2年程度の者です柔術を始める前から右肩に脱臼癖があります
ひどい時には月に2〜3回外れるようになり医者からは手術を進められています(3年前から..)
ウェイトトレーニングなどを続けてきましたが肩の違和感や外れる恐さがどうしてもあります
そして投げや関節技を食らうとやっぱり外れてしまいます。いま手術という方法を考えてるんですが
リハビリの期間の長さを考えると悩んでしまいます脱臼癖に良い方法があったら教えてください

習慣性肩関節脱臼は格闘家によく見られる障害の一つです。
千代の富士関は保存療法で、ローテーターカフ(肩の腱板)を徹底的に鍛え上げこれをを克服したようです。肩関節の内旋運動で肩甲下筋を太くし、上腕骨頭のずりおちを防ぐというものです。
とはいえ、本当に保存的治療で今の状況が改善されるかいまいち確信がもてない、と言うことではないでしょうか。
整形の疾患で悩むところは、手術するか保存的に行くかで迷われると言う点に尽きると思います。
日常生活に支障をきたすような状態なら手術を、というのが一般的な医師の考えだと思います。
そこで手術のメリットとデメリットをあなたなりに客観的に洗ってみてはいかがでしょうか。
今後プロとして一生を柔術にささげるスタンスの選手と自分の条件の中で強くなる方法を探すスタンスの選手で手術の必要性の比重は変わってきますよね。
この部分をクリアしながら保存で様子をみながら数人のDrに受診してみてそれぞれの立場のDrの意見を聞いてみるというのが現実的かもしれません。




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筋骨格系の損傷

2、試合での肩関節脱臼

ある格闘技の試合で転倒し肩関節の脱臼をきたした選手に対し、セコンドが肩関節の整復を施した。整復はうまくいき選手は試合続行、試合後も痛みはなく肩関節も自由に動かせたため、当日は家に帰った。
翌日も特に問題はなく病院にはかからず、家で安静にしていた。
3日の休みの後、練習に復帰した。

肩関節脱臼をきたした選手に対しては、現在ではレントゲン撮影の上、骨の裂離や骨折のないことを確認してから麻酔下に、整復するのが安全性が高いとされています。
骨折等を伴っていれば整復作業によりさらに悪化させてしまう危険性があります。このケースの場合、たまたまうまく行ったようですが、その後の処置が実は選手生命に大きな影響を与えています。肩関節脱臼をきたした場合、周囲の軟部組織の損傷も必ず伴っており、3週間程度の固定を必要とします。その固定により軟部組織が修復され再発を防ぐようになります。この選手は固定を行わずしかもすぐに練習に参加してしまったため反復性肩関節脱臼となり、脱臼が癖になってしまいこの後は目立った戦績も残せずに現役生活を終えてしまったばかりか、生活にも支障をきたす結果になりました。早い受診と正しい処置が行われていれば防げたはずの障害です。



3、フック、アッパー時の肩周囲の痛み(修斗)
はじめまして、修斗をやり始めたフュージョンと言います。
練習の後筋肉痛になったので、練習を休んだ2日後、
何気なくアッパーを撃つと右肩がズキッとします。
フックでも痛いです、でもストレートはほとんど痛くありません。
骨が痛いのか筋が痛いのかもよく分かりません。
最近少し無理していたので
原因はいっぱいあって、どれかも分かりません。
普通に生活してても、しょっちゅう痛みます。
しかも、徐々に痛みやすくなって気てます。
これはなんなんでしょうか?私はどうすれば良いのでしょうか?
お願いいたします。

ストレートで痛くなくフック、アッパー系で痛いとなると肩板損傷の可能性はないでしょうか?
 肩板(けんばん)とは、肩の三角筋の下にある小さな筋肉群のことを言います。野球選手がインナーマッスルを鍛える、といった話を聞かれたこともあるかと思います。
 もしくは上腕二頭筋長頭といわれる部分の損傷も考えられます。
一番いいのは、整形外科もしくはスポーツ整形にいって肩のMRIをとってもらうことです。これによって診断がつくと思います。レントゲンだけ撮って骨に異常がないから大丈夫、といわれることが無いようによく先生に説明してみてください。
お返事遅くなってごめんなさい。早く診断をつけてもらってください。



4、肩の脱臼(キックボクシング)

ぼくはキックボクシングで肩を3回ほど脱臼しました
手術はできればしたくありません(T-T)
筋トレでなおしたいとおもっています。
どのようなトレーニングをすればいいのでしょうか?

肩甲下筋を主としたローテーターカフのトレーニングが必要です。
肩関節の外側の三角筋と呼ばれる大きな力を発揮する筋の下には、ローテーターカフと呼ばれる小さな筋群(4種類からなる)があります。
これらは上腕骨の骨頭という、ボール状の部分と肩甲骨を連結していますから、これらを鍛えることにより肩関節の安定性が得られるとされています。
前側に@肩甲下筋、後側にA棘上筋、B棘下筋、C小円筋があります。
鍛え方としては、小さく前に習え!状態から肘から先を地面に平行に内側にまわすと(これを内旋運動といいます)@が、同じように外側に回すと(これを外旋運動といいます)ABCが鍛えられます。
実際はゴムチューブを利用して1キロくらいの軽い負荷で行うといいと思います。(傷めやすいので軽い負荷から、が原則です。)
ストレッチも重要な運動です。両手の指を左右それぞれの肩に置いて、ぐるぐるゆっくりとまわす運動が関節可動域を広げるのに効果的です。
以上、鍛え方をご参考程度に紹介いたしましたが、脱臼後の固定をしっかりしないと習慣性になってしまいます。
これにいたると手術となってしまいますから、体の状態をよく観察して冷静に対処していってください。

選手生命を左右する障害〜肩関節脱臼の予防とトレーニング


5、修斗肩脱臼 投稿者:関節マニア 投稿日:2003/02/28(Fri) 22:38

私は修斗を三年やっている、21歳の男です。
試合で肩が外れてしまい、手術をしました。それから、インナーマッスルを鍛えながら練習をしていたとき、また肩が外れてしまいました。
病院では5:5の確立でまた外れるといわれてはいましたが、今年こそ
プロになるぞと思っていたのにアマのまま引退の可能性も出てきました。なんとかもう一度肩を直してプロをめざしたいのですが、有効な方法を教えてください

こんにちは!!

手術をしてその後のリハビリからいきなり練習に戻ったのでしょうか?
普通、手術してから本格的に試合に復帰するまで数ヶ月から1年はかかるはずです。
というのも、肉体的には手術によって動けるようになっても、脳の感覚が手術前のままの場合前と同じような動きをしてしまうため同じような怪我を繰り返してしまうことがあります。

自分の体が前とは違うということを脳と体に自覚させ、手術した部分になるべく負担をかけないように動けるようにならなければ、怪我を克服したことにはなりません。(手術したから安心なわけではないのです)

まだお若いのですから、決してあせることはないと思います!!
いましっかりと怪我に向き合い、保存療法で肩を治してから格闘技に復帰しても遅くはないです。実際、長く戦える格闘家は20代後半から30代に強さのピークがあるような気がします。(もちろん例外もありますが)
怪我をすることで格闘家としての寿命が延びた!という方向にいければそれは凄いことです。
あせらずに長い眼で見てがんばってください。

6、サーフィンでの肩鎖関節損傷 投稿者:ko 投稿日:2003/03/11(Tue) 14:03 No.261
サーフィン命の25歳なんですが、実は、ふとした不注意から肩鎖関節損傷してしまいました。3週間安静にして、腕を90度以上あげると、少し痛みが走り、肩鎖関節を押すと少し痛いです(レントゲンとったらほんの気持ち程度鎖骨があがっているとのこと) 普通にしていれば痛さはないんですが、腕を上げるような動きはやってはいけないのでしょうか?

もしドクターのほうから、「固定を外して動かしてもよい」との指示が出ているのでしたら関節可動域を拡げる運動をスタートしてもよいと思います。
@まず患部をよく温める。入浴や湯たんぽなど。関節は温かいほど大きく動きます。
Aゆっくりストレッチを行う。最初は自動運動(外から負荷をかけない状態で)から、なれたら他動運動(負荷をかけて)をやりましょう。
加速をつけないようにゆっくりと。リラックスして!
B運動後は痛みに対して、湿布や塗り薬などを使って消炎鎮痛を行います。腫れてくるようならRICE処置も行ってください!

RICEやストレッチに関しては当サイトにて紹介していますのでご参照いただければ幸いです。
何か問題に気がついた場合は必ずレントゲンを撮りにいってください。

是非、今年の夏に間に合うといいですね。


7、肩鎖関節破壊?! 投稿者:こだっく 投稿日:2003/03/21(Fri) 19:45 No.268
大変ご無沙汰しております。
怪我や病気に邪魔されながらも細々と、でもコンスタントに空手の稽古はがんばっています。

・・・が、右の肩鎖関節を痛め、治療し、治って稽古復帰したばかりの昨日、交通事故にて今度は左肩の肩鎖関節がバラバラになってしまいました。
とりあえず、その日のうちに緊急手術を受けまして、「空手に復帰できるように」とお願いしました。
入院期間自体はそんなには長くなさそうなのですが、「後はリハビリ次第」とお聞きして、不安を感じています。

今までどおりの稽古に復帰することは可能でしょうか?

ちなみに、関節が外れたほかに靱帯も何箇所か切断されていたそうです。


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肩鎖関節破壊?!つづき こだっく - 2003/04/01(Tue) 12:58 No.275


おかげさまで術後1週間で病院は退院し、自宅療養の日々を送っています。
三角巾で攣った腕を包帯で胴体に巻きつけ、固定しています。骨を繋いで固定している金具は15日に(術後4週間)取り外す手術の予定です。

軽いムチウチもあり、肩から背中にかけて常に筋肉が緊張していて、ちょっと姿勢を変えるだけで攣りやすくなっています。

術後、傷口の消毒などで通院し、キズの治り具合でリハビリを開始するそうです。
普通の生活ができるようには治る、とのことですが、同じ肩には戻らない、とお聞きして、少しブルーです。

一生続けるつもりなので、焦るつもりはありませんが、いずれ空手の稽古には復帰したいと思っています。

傷病名は 左肩鎖関節脱臼(靭帯切断)、頚椎捻挫、とのことで、全治2〜3ヶ月、との診断を受けました。


こんにちは!!

肩鎖関節脱臼は格闘技の中では柔道のような組技系に多くみられます。

多くの選手が手術から、現場に復帰されていますから、決してあきらめないで治療されてください。

これから重要になるのは、固定とその後のリハビリテーションです。


肩鎖関節は靭帯が切れることにより発生しますから、靭帯断裂が治癒するには数週間の固定を要します。固定が確実となりましたら可動域訓練をしっかり行っていきましょう。

医療者側の立場として、安易に「絶対元のようになりますよ!」とはあまり言わない(言えない)ものですからあまり気にせず、リハビリに集中していきましょう!!!


Re: 肩鎖関節破壊?! こだっく - 2003/04/20(Sun) 20:22 No.287


アドバイス、ありがとうございました。
おかげさまで1ヶ月の固定の後、骨を固定していた金具の抜釘術を術後4週間目にうけました。
その翌日よりリハビリを開始しました。
慌てず、あせらず、じっくりといこうと思っています。

ありがとうございました。

8、カラテ、肩の腱 投稿者:魔流虎 投稿日:2003/04/09(Wed) 09:45 No.277
私は空手をやってますが去年の9月ぐらい練習中に肩を痛めてしまいました。そのときは大体1時間ウエイトトレニングしてそれから空手の稽古でした。そして子安キックという技を練習して何回もやりました。この技には全体重は右の肩に乗って足で相手の顔面を蹴ります。すぐ痛くなかったですが次の日から右肩が痛いです。休んでX線しても骨は大丈夫ですが超音波検査のよると肩の腱は細くなったと言われました。九月からずっとウエイトトレニングをやっておらず空手の稽古しかやっていません。普通の動きをしても痛くないんですが拳立てすると痛いです。全治するためにはどうしたらいいですか?

肩の内部の腱を損傷されているようですね。
炎症が慢性化しないようにしっかりと治療されることをお勧めいたします。
まずは、安静と消炎で様子を見ましょう。
拳たてのような、体重がかかる動きはまだ早いと思います。炎症が治まりましたらごく軽め、1キロくらいのダンベルを使用してインナーマッスルを鍛えていってください。
肩関節内の腱は、痛みを我慢して強くなる部位ではありません。
アウターマッスルである三角筋や大胸筋が強すぎる場合も痛めやすくなりますから、痛みが引きましたらバランスよく鍛えていきましょう。
選手生命を左右する障害、肩関節脱臼の予防とトレーニング

9、肩脱臼癖(日本拳法メキシコ)(投稿者:ようすけ 投稿日:2003/04/12(Sat) 10:01 No.281

初めて投稿させて頂きます。私は現在メキシコで日本拳法を修行・指導しています26歳の男性です。私は昨年3月初めて肩を脱臼(前方部へ)して以来、約10回脱臼しており、先日もまた同じように脱臼してしまいました。こちらの医師にも掛かっているのですが、やはり手術が必要と診断されました。今後も日本拳法を続けて行きたいと考えており、手術を考えていますが、こちらでの手術は技術面にやはり不安があり、日本での手術を考えております。つきまして、@どのくらいの費用A回復までの期間Bスポーツ外科の発達している病院(東京)C手術のリスク をお教え頂きたくお願い申し上げます。

@保険診療となると思います。詳しい値段はわかりません。
A回復まで、というのをスポーツ復帰と考えてよろしいでしょうか?怪我のレベルや術後の経過、個人差もあるかと思いますが術後の癒合、固定およびリハビリを含めまして日常生活レベルに数週間、スポーツ復帰までは数ヶ月から1年と考えていただいてよいかと思います。肩関節脱臼の場合、手術をしましてもその後の固定がうまくいかないと再発してしまうことがあります。
B病院はスポーツ整形を掲げているところでしたら安心できると思います。(具体的な名前に関しましては控えさせてください)
C手術のリスクは、手術による感染、感覚障害や神経障害、麻酔によるリスクなどがあげられます。また、手術により二度と脱臼が起きないようになるかは個人の条件その他もありますから手術を決定される前に十分にDrと話しておくべきでしょう。
また、一度手術をしてまた脱臼した場合は再手術はかなり厳しいものとなることは覚悟しておいたほうがよいでしょう。選手生命を左右する障害、肩関節脱臼の予防とトレーニング

10、右胸〜肩の痛み(柔道) 投稿者:平蔵 投稿日:2003/05/14(Wed)
初めて投稿させていただきます。よろしくお願いします。
・43歳の男性です。
・10歳から17〜8歳の頃まで柔道をしておりました。
・6年程前、20年ぶりに市民スポーツ教室で再開しました。
・再開2年後の4年前に試合で怪我をしました
その時の状況は、相手が右胸及び右鎖骨の上に乗った形で払い巻き込みで仰向けに投げられました。
応急処置の上帰宅しましたが、激しい痛みのため布団に横になることさえ出来ないありさまで、翌日、病院で診察を受けましたが、「レントゲンでは異常は認められない」との事で、湿布薬のみを出されました。
鏡を見ると、鎖骨の胸骨側が右側のみ浮き上がっているように見えたのでその旨も伝えたのですが「人はみな左右対称なわけではない」「レントゲンで見る限り関節の異常はない」の一点張りでした。
その後、何とか右腕が上がるようになるまでに1ヶ月かかり、約1年で顔をしかめるような痛みはなくなったものの、4年経つ今でもボールを投げるような形で右腕を上げると胸から鎖骨のあたりにかすかな痛みがあります。また右肩から右背中にかけて違和感があり、常に筋肉がはった状態で、首を右に向けた時に痛みもあります。
受傷後2年間は一切のスポーツを止めていたのですが、痛みがましにならない為2年前から水泳を始めております。
この症状は年数が経ってもこれ以上良くならないのでしょうか?
痛みと違和感、右肩周辺のはりを直すのによきアドバイスございましたらお願いいたします。

こんにちは。
そのレントゲン、拝見したいところです。
関節に異常があるかどうかを聞きに行ったわけではないのに、医師からそういわれれば「そうですか」と納得するしかない?事もあるかもしれませんが、重要なのは炎症を治めることともう一つは機能を回復することです。そういう意味ではあなたのような怪我の後、どのように回復、復帰へ向けてトレーニングしていったらいいかという部分が求められる部分だと思います。
数年たった今、筋の緊張の緩和とストレッチを行うとよいと思います。右肩、胸の周りをしっかり暖めてから、胸の中心部、胸の外側、三角筋部という順番に(中央から)動かしていきます。
筋緊張を和らげる薬を処方してもらうのも一つの方法でしょう。
痛みに関しては炎症止めを服用することで軽減が期待されると思います

丁寧なご回答有難うございます
レントゲン写真は飛んでいってお見せしたいところですが、写真をいただけませんでしたので残念ながらお見せで来ません。いまだに4年前の試合のあの一瞬を悔やむことがあるのですが受けてしまった怪我は怪我として前向けに治していきます!


11、肩の手術と再脱臼 投稿者:総合大好き 投稿日:2003/06/09
去年肩の手術を受けました。(内視鏡によるもの)しかし、今年に入ってから再脱臼してしまいました。インナーマッスルのトレーニングも毎日欠かさずに行っており、今年こそは、試合に復帰しようと意気込んでいたのですが・・・凄くショックでした。
夜間に脱臼をしたため、手術を受けたところと違う病院に行ったのですが、肩の骨が脱臼により変型していて、脱臼の道ができているので、再び手術をしても格闘技のような特別激しい運動にたえられるのかは、保証できないとの事でした。ひどい怪我の場合は元の状態に近付け、激しいスポーツを再びすることは不可能なのでしょうか?教えて下さいお願いします。

習慣性(反復性)肩関節脱臼は格闘技でよく見られる外傷のひとつです。

スポーツ復帰のために手術し、リハビリに励んだ後、競技に復帰されている選手は実際にいます。
しかし、誰もがみな復帰できるわけではありませんし、思うような結果が出せずに消えていく選手も多いことも事実です。
いま、あなたがショックを受けていらっしゃるのはよく理解できます。一大決心をされて手術をされた上、リハビリにも真剣に励んでいらっしゃったのですから。しかしここでよく考えなければならないのはあなたにとって格闘技とはどういうものかということです。

これは人によってさまざまです。
命を縮めても家族のためにリングに上がるプロの選手、健康のために格闘技を続ける選手、短期的に名前を売る必要のある選手、、、、それぞれの立場により怪我の捉え方と対処法はまちまちです。

ひとついえるのはあなたの肩の状態は決していい状態ではないということです。まず集中すべきは肩の治療だと思います。
日常生活が問題なく行えるレベル(再脱臼しないことが絶対条件)に到達することが第一と思います。
選手生命を左右する障害、肩関節脱臼の予防とトレーニング

12、右肩亜脱臼回復後の注意点(合気道) 投稿者:まるもた 投稿日:2003/08/27(Wed) 10:16 No.392
はじめましてこんにちは。
31歳、合気道歴1年の女性です。

先日、受身に失敗し、右肩を亜脱臼してしまいました。
医者からは「3週間位固定し、その後は徐々に合気道も復活してよい」と言われております。
が、合気道を始めるまで特にスポーツ経験もなく、固定を伴う怪我も初めての私には、「徐々に」という感覚がよく分かりません。

合気道もとっても面白くなってきた時期にこんなことになってしまったので、固定が外れたらすぐにでも稽古を再開したくてうずうずしております。

ただ、「脱臼は最初に治療をしっかりしないと、クセになってしまう」ということも聞きますので、ずっと合気道を続けていきたい私としては、とても気になります。
今後どのような点に気をつけて稽古に復帰していけばよろしいでしょうか?
また、サポーターが取れるまでの間、使える左手だけでも鍛えようと、左手で木剣を振っていようかなと思うのですが、「感覚忘れない為にもやったほうがいい」という意見と、「体のバランスがおかしくなってしまうので止めた方がいい」というものと両方言われます。やはり片方だけ鍛える、というのは何か無理が出てきたりしますか?

アドバイス頂けると嬉しいです。
宜しくお願いいたします。

こんにちは。
ご利用いただきまして誠にありがとうございます。

肩関節の脱臼は再発しやすく、一回目の治療とその後のトレーニングがキーポイントとなります。
ここであせった人は、結果的に弱くなるばかりか、日常生活にも支障が出て社会人としても辛くなります。
ここを我慢してしっかりと乗り切った人は固定法、治療法、リハビリやエクササイズをしっかりマスターすることになりますから道場にとっても、後輩にとってもありがたいアドバイザーになることでしょう。
まず3週間固定しますと、切れた靭帯が修復されます。靭帯が修復されなければ再発してしまいますからここはしっかり固定しましょう。
つぎに徐々に、の意味ですが、靭帯が修復されたら肩の筋力と可動域を戻すトレーニングをやらなければいけません。これをやらずに道場に復帰してしまいますと再発組みへ仲間入りしてしまいます。具体的な方法に関しましては、当サイトの格闘技医学のセクションの選手生命を左右する障害ー肩関節脱臼をご参考下さい。

プロスポーツ選手の場合、腕を固定している間も何らかのトレーニングをやった方がいいのですが、その場合主に心肺機能系の運動(エアロバイクやウォーキングなど)が最も薦められます。このような運動でしたら左右差も出にくく、体力の維持も可能でしょう。

固定に影響がない範囲でしたら左手での運動も大丈夫だと考えます。

有難うございました。 


さっそく丁寧なご回答、ありがとうございました。
これ自分にとってよい経験になるよう、今はじっと我慢して焦らずゆっくり乗り切っていこうと思います。
13、肩関節脱臼(少林寺拳法) 投稿者:重門 投稿日:2003/12/15(Mon) 00:36 No.496
初めまして。自分は少林寺拳法を3年している18才の男ですが自分は過去に二回右肩を脱臼しています。去年の9月と今年の11月に。それで医者から手術をすすめられたのですがリハビリなどをふくめると復帰まで半年かかると言われました。自分には訳あってあと1年から2年弱程しか好きなことをする時間がありません。ですので手術は受けたくありません。けど爆弾をかかえたままできるのでしょうか?やはり受けた方がいいのでしょうか?インナーマッスルを鍛えていけばなんとかなるのでしょうか?それとも鍛えても無理なのでしょうか?症状は肩の骨がたまにパキンっと音がなるくらいです。本気でこれからも練習がしたいです。よろしくお願いします。

こんにちは!
ご利用ありがとうございます。

肩関節脱臼は格闘技を行う上で、かなり大きな障害となりえます。
習慣化してしまいますと、選手生命を大きく縮めてしまいますし、実際に習慣性(反復性)肩関節脱臼が原因で引退を余儀なくされてしまうケースは後をたちません。

肩関節脱臼を発症して、手術をするか、保存的に治療するかというのは選手サイドにとっても、また医療サイドとしましても非常に悩むところです。スポーツ医学の文献を読むと、「プロ選手には手術適応」とかいてある場合があるのですが、格闘技、武道の場合アマとプロを完全に分けられるものでもありませんし、アマからプロに転じる場合やプロ選手がアマの大会に出るケースもままあるため、個人の立場や要望を考慮しつつ治療方針を決めていくのが良いと思うのです。

あなたの場合、脱臼回数がまだ二回ですし、日常生活上問題なさそうですから、まずは徹底的に肩関節インナーマッスルを含めた筋力強化を進めていくべきでしょう。確実に強化していけば手術を回避できる可能性も大きいですし、万が一、将来的に「手術をしないと日常生活が立ち行かない」なんて状態になったとしてもインナーマッスルをはじめから強化しておればリハビリの期間が短くなるからです。

しかし、ここで問題になるのは練習です。
当然肩関節の脱臼をやっているわけですから、やってはいけない練習がたくさん出てきます。腕が外転、外旋してしまうような動きは完全に避けなければならない。すべての練習をこなしつつ、肩も外れないようにするのは実際のところ無理ですから、自分の情況をよく把握して、周囲の理解を得ていかなくてはなりません。(実は怪我をして厄介なのはこの部分です。先輩に脱臼経験者がいればわかってくれる場合もありますが、脱臼は整復したら治っていると思い込んでいる指導者はまだまだいます。)

当サイトの「プロのための格闘技」のセクションの中に、選手生命を左右する障害 習慣性肩関節脱臼というコーナーがあります。
トレーニング法などを紹介しておりますのでご参考ください。また、近日中に写真入で実際のトレーニングの様子をUPする予定ですのでそちらもチェックしてみてください。
それでは、再発しないよう頑張ってください!
経過のご報告お待ちしております。

14、肩関節脱臼(少林寺拳法)2
お返事本当にありがとうございます。あの、まだ不安材料があるのですが。図々しいのは承知ですが、どうかもう少しお願いします。一度目はともかく二度目の脱臼は体育のバレーのサーブ(オーバー)ではずれました。ただそれまでずっと二学期がはじまってからはオーバーでうっていたのにその日だけなぜかはずれたんです。それと脱臼のことを知人のお父さん(日本拳法をしていて肩の手術経験有り)に聞いたところ、「そのままでは確実にはずれる」と言われました。それでもインナーマッスルを鍛えれば手術を避けられるのでしょうか?練習では8割ほどの力で右を振りぬいても全然平気です。一回パキっとなりましたが。決して信じてないとか疑っているなどとは思っていません。ただ自分の中にひっかかるものがありましてそれにも答えていただけるとありがたいです。長く、くどくなりましたがよろしくお願いします。
何度もすいません。もう一つよろしいですか?
二度目の脱臼そして整復後、わずか1週間で筋トレを再開してしまいました。
腕立て、ダンベルカール、サイドレイズ、エクスターナルローテーションです。
痛みは全くありませんでしたが、早まった筋トレのせいで肩の周りの細胞や腱などを傷つけてしまったのでは?と思ってます。
これもふまえてのご返事お願いします。本当にくどくて申し訳ありません。よろしくお願いします。

お返事ありがとうございます。
疑問点は何度でも、ご納得いくまで質問してくださいね!

バレーボールのオーバーサーブ(オーバーハンドサーブ?)は、腕を後ろにひいたとき、肩関節が外転、外旋します。これが、やってはいけない(制限しなければいけない)動きです。
その日がたまたま、いつもより大きく負荷がかかったのか、それまでの何日かのサーブで脱臼しやすくなってしまっていたかは今となっては解りませんが、あなたがやってはいけない動きをしてしまったのは確かです。
少林寺拳法でしたら、もともとの基本の突きは脇をしめて、上腕を体にくっつけて打つように習っていると思います。確かにこのフォームですとオーバーサーブに比べて脱臼しにくいと思います。

まずかったのは二度目の脱臼後、一週間で動かしてしまったこと。ここをあと2週間我慢していたら、、、いま手術を考える必要はなかった可能性が大きいです。
「早まった筋トレのせいで肩の周りの細胞や腱などを傷つけてしまったのでは?と思ってます。」とありますが、「靭帯の癒合が完成する3週間の固定をやらなかったこと」が最大の原因、これに加え「癒合もしていないのに無茶な運動をしてしまった」、という事がさらに肩にダメージを与えてしまう結果となったのでしょう。

過去の経験は次に生かすとしまして、これからどうしていくかということが大事ですね。

「それでもインナーマッスルを鍛えれば手術を避けられるのでしょうか?」ということですが、千代の富士や緑健児といった一流格闘家をはじめ、インナーマッスルを鍛えて保存的(手術をせずに治療すること)に克服した選手もいるし、手術とリハビリを行って克服した選手もいるということです。
あなたの中で手術を勧められたことが、大きな心配の種になっているようですね。そういうときには納得いくまで主治医に相談するか、もしくはセカンドオピニオンとして他の病院を受診して別のドクターの意見を伺うというのもいい方法です。

病院によっても、またおなじ病院でもドクターによって治療法が異なってくるのはある意味仕方のないことといえるでしょう。ご自分の身体、しかも大好きな少林寺拳法をやるための身体なんですから納得いくまで、いろんな専門家の意見を聞いてみると良いと思いますよ!
きっとこれからの時代は患者さんがドクターや病院を選ぶ時代になるでしょう。
格闘クリニックでのアドバイスも、
「このドクターはこういう風に考えるんだな〜」くらいに捉えてもらって、あなたが現在考えるベストな方法を選択してもらい、つらい怪我を克服してもらうことが私どもが本当に望むことであることをご理解いただければうれしいです!

あきらめず、頑張ってくださいね!

お返事ありがとうございます。2人のお医者さんに「固定はもう意味ない」っていわれたのでやってしまいました。今猛烈に後悔しています。
とりあえず肩のMRIなど検査を行ってどれ位痛んでるのかを知って決めたいと思います。
本当に素晴らしいアドバイスありがとうございました。

15、ボクシング肩鎖関節損傷 投稿者:たかあき 投稿日:2004/01/08(Thu) 22:02 No.521
初めまして。神奈川県でボクシングをやっている19歳の男です。11月中旬に練習でサンドバックやミット打ちで左フックを打ちました。そのせいで左肩にある握りこぶし付近の間接を傷めてしまいました。もちろん、整形外科へ行ってしばらく左フックを控えました。治ったと思ったら今日(1月八日)久しぶりに左フックを打ったら、また痛くなってしまいました。もうショックです。ボクシングを始めて8年目なのにこんな事は初めてです。どうすればいいのか凄く悩んでいます。是非、アドバイスを宜しくお願いします。

一つ言い忘れたことがあります。両手を組んだまま引っ張り合うと左肩鎖の辺がズキッと痛みます。押し合う時も同じです。かなり不安です。しつこいですが、宜しくお願いします。

こんにちは。
整形外科にかかられたということですが、そこでの診断はどのようなものだったでしょうか?肩鎖関節の脱臼や肩周囲の靭帯の損傷は格闘技でもよく見られますので、今後の選手生命を考えて、しかるべき対処が必要だと考えます。
やはりここは再度受診して、レントゲンの検査を行い肩鎖関節の評価をきちんとしてもらった方が良いと思います。
それから、怪我をしたあとの練習復帰には慎重を期すべきだと思います。
ここで少し考えていただきたいことがあります。怪我が治るって一体どういうことでしょう?
@痛みや炎症がなくなり組織(骨や靭帯、筋など)が修復された。
A関節の可動域が完全に戻り、筋力も回復した。
普通、病院にいくと多くはこの時点で治った、と判断されます。たしかに一般の患者さんにはそれでよいと思うのですが、怪我が勝敗に大きくかかわる格闘家の場合それでは不十分と私どもは考えております。
筋力が戻り、関節も元通りに動くようになっても以前と同じようにパンチが打てるようになるまでは、ある程度時間をかけて怪我した部分と体全体調和をとっていく作業が必要なんです。肩の怪我が治った、というのは肩がマイナスからゼロに戻っただけなので、その他の元気な部分とはまだまだ埋めなきゃいけないギャップがある。とくに神経系の回復には数ヶ月を要しますから、Bとして神経系を含めたコーディネーションとバランスの回復、を経て本格的な技術練習に戻らなければいけません。この部分をすっとばして練習復帰をあせってしまいますと必ずといっていいほど再発してしまいます。
まず、現在の肩の状態を知るためにも病院にかかること。肩専門のドクターやスポーツドクターにかかるのも良いと思います。そして練習復帰までのトレーニングメニューをしっかり立てて実行されてください。
19歳でキャリア8年というのは凄いですね!いろんな選手をケアしていて感じるのは、トップまで行く選手は例え怪我をしたとしてもそこでいろんなものを学んで気がついてマイナスをプラスに変えていく力があるということです。
この怪我をきっかけに、さらなる飛躍をされることを期待しています。

大変、参考になりました。確かにBとして神経系の問題だなと思いました。質問ですが、コーディネーションとは何ですか?すぐにでも病院へ行って診て貰いたいんですが、僕は神奈川県に住んでいるけど肩専門のドクターやスポーツドクターがいらっしゃる病院はどのサイトを調べればいいんですか?色々と分からない事がありますが、宜しくお願いします。
診断はレントゲンのみでした。もう一つ質問ですが、どの整形外科でもMRI検査はあるんですか?

コーディネーションとは協調性のことです。筋肉の連動を伴った体の動かし方を行うことで、故障した箇所にかかる負担を減らす、再発を防ぐのに効果的です。
レントゲンというのは検査の名前であって診断とは病名のことです。診察と検査の結果から病名がわかります。MRIは億単位の値段がするためどこにでもあるものではありません。
そのようなことも含め、病院に電話で問い合わせてみてはいかがでしょう?

16、サッカー部GKのリハビリ 投稿者:OKU 投稿日:2004/01/29(Thu) 14:18 No.548
こんにちは、はじめまして。
愛知県の高校でサッカー部の顧問をしています。
指導するという立場は今年が初めてでして選手時代と違い、タクサンの疑問にぶつかります。
NETでいろいろ探していると、コチラのHPを見つけ、是非うかがいたい事があり、初心者で恐縮ですがメールいたしました。
サッカーでGKをしている生徒が先週の試合で肩を強打しました。残り10分程度の試合は痛みをこらえプレーしていたのですが、試合の翌々日ごろから肩部に腫れをもつようになりました。整形外科でレントゲンもとり、幸い骨折の心配はありませんでしたが、「肩鎖間接脱臼の疑い有り。」と診断されたようです。
私も選手時代にGKをやっていたのですが、こういった怪我の名前を聞くのも初めてでして、今後の練習復帰、試合復帰のタイミングをいかがしたものか、と思考しています。
記載されている、たかあき君の件を拝見させて頂いても、選手の将来を考えた処置、選手をサポートする人間として、改めて、とても大切な事を気付かさせてもらえました。
やはり、
@痛みが完全に取れるまで、安静にしておいた方が、良いのでしょうか?
A肩に負担がかからない運動なら問題無いのでしょうか?
そして
B復帰後のケア、再発防止にはどういうことを心がければ良いのでしょうか?
よろしくおねがいします。わたしのような、素人指導者にとっては、このようなHPの掲示板に頼るような事が多いとは思います。が、このような「選手が自分の体の事を考える事が出来る場」がひとつでも増えていく事がとても大切に感じました。格闘技とサッカーといった、少し離れた環境ですが、このHPに出会えて良かったです。がんばってください!!(じぶんこそがんばります!!!!)

はじめまして!

先生はサッカーをご経験の上、生徒さん方のサッカーのご指導もされているのですね!
きっと選手の皆さんも安心されることでしょう。
ご質問にございます肩鎖関節脱臼疑いの怪我ですが、完全に脱臼前の位置に戻すには手術療法が選択されます。しかし、脱臼の程度が著しい場合でかつコンタクトスポーツのプロ選手には適応ですが、基本的に肩鎖関節脱臼はそのままにしておいてもそんなに大きな運動の障害は出ませんので、上記以外の選手には保存療法(手術をしない治療)が適していると考えます。
それでは怪我の経過と練習復帰への流れについて簡単にご説明いたします。
まず受傷してすぐは、患部の炎症を抑える意味でRICEを施行いたします。痛みが強い場合は三角巾で腕を吊り、痛み止めを処方してもらい、肩鎖関節にパッドなどをあて、テーピングで肩鎖関節を押さえ込むように固定するとよいでしょう。この期間は上半身の運動は避け、肩周りの安静を心がけましょう。この時期に運動を激しくすると、血液の循環が良くなり受傷部が腫れてきてしまうことがありますので2〜3日は練習を休まれた方が賢明です。
練習、競技復帰のためのメディカルトレーニングは
@可動域(関節の動く範囲)の回復
A筋力の回復
B神経系、バランスの回復
C実際の動きへの対応
という4つのポイントを重視して行っていきます。
まずは自分の肩を自分で動かす、ゆっくりとしたストレッチングを行っていきます。またチューブや軽いウエイトなどを用いた軽い負荷による筋力トレーニングも肩の調子を見ながらすすめていきます。
もちろんこの時期にはエアロバイクやウォーキングなどの下半身を中心とした持久系のトレーニングは続けるべきでしょう。
可動域と筋力が9割がた回復してきたら、神経系のトレーニングを行います。神経系とは簡単に言えば「起用に体を動かす」トレーニングをするということになるのですが、的にボールを当てたり、左手で字を書いたり、と頭と体を同時に使うようなトレーニングで怪我してダメージを負っていた神経系を回復させ、「うまさ」を引き出します。
最後の実際の動きへの対応ですがこれはむしろ先生の方がお詳しいかと思います。いきなりサッカーボールだと、肩へのダメージも大きいことが予想されますからサッカーボールより軽いバレーボールなどを使っていつもの50%くらいの感覚で技術練習をさせます。
SLOW(ゆっくり)からFAST(速く)、
SIMPLE(単純)からCOMPLEX(複雑)、
EASY(楽)からHARD(きつい)、
LIGHT(軽い)からHEAVY(重い)、
PART(部分)からTOTAL(全体)、
といった具合に生徒さんの様子を見ながら練習を進めていけば、生徒さんにとっても復帰への過程を体験できる良い機会になると思います。
再発予防としては、肩や胸の正面側からから地面に落ちる、相手にぶつかるという動きをしないように習慣化していくというのが根本的な予防になります。何かの際にはすぐに腕を体幹に寄せてくる、上手な転び方を練習しておくといった具合です。
立ち技格闘技でも普段打撃の練習しかしていなくて、転んだ時に変な格好で肘や肩を脱臼する選手がいます。やはりコンタクトスポーツでは正しい転び方は必須の練習メニューだと考えます。

サッカーにおきましても建前は(笑)ノンコンタクトスポーツですが、実際はがんがんぶつかり合い、潰しあいをやる激しいスポーツですから、転んでもぶつかっても大丈夫な準備をすることがトーナメントなど長丁場を戦う上で求められてくるでしょう。
テーピングやサポーターはもちろん有用ですが選手がどうしてその怪我をしてしまったか、その原因を徹底的に洗い出し怪我をしないプレーを心がけることが最大の予防になるのです。
責任あるお立場でいろいろと大変な面もあるとは思いますが、指導者の先生がこのように意欲的な環境で練習できるチームの皆さんは幸せですね。
私どもも皆様のお役に立てますよう頑張りますので、是非とも日本一選手のケアが行き届いたサッカー部目指して頑張ってください!

こんばんは。お仕事忙しい中、貴重な時間を割いて頂きありがとうございました。
このように具体的に、詳しく、御指導いただけるとは思わず、感無量です。 さっそく選手と共に少しずつリハビリに取り組んでいきたいと思います!!!サッカーというスポーツは近年、日本でも進歩を遂げてき、トレーナーを設けるチームも多数でてきました。しかし、現状では、そのトレーナーも週に1.2回の帯同が限界。普段の練習での選手からの怪我についての悩みなどに答えるには私達指導者が、もっと勉強しないといけないと、痛感している日々です。先生達、医師の方々がいくら検査し、指導されましても、やはり現場で指揮をとっているのは指導者、コーチ、トレーナー、になってきます。現場の指導者、そして競技者自信が、体について知ろうとする高い意識を持つ事が、必要になってくると思います。本当にありがとうございました!!!そして、このHPをごらんの競技者のミナサン、怪我をしてから、悪化させてから泣くのは、自分自身です!!自分自身の体の知識を、タクサン入れ、高いレベルを目指してください!!!なんだか偉そうでスミマセン。選手の経過、また報告します。ありがとうございました!!!

17、外傷性肩関節脱臼(スノーボード) 投稿者:まさと 投稿日:2004/01/30(Fri) 22:57 No.550
私は19才男性です。スノボードでの転倒で外傷性肩関節脱臼の診断の他にBankart lesion、Hill sacks lesionの診断を受けました。保存療法として3週間固定を行いました。一週間後からリハビリを始め、今五週目です。肩は110°位までしか痛くて挙がりません。リハビリとして可動域訓練、インナーマッスルの強化を行っています。そこで質問なのですが、固定後すぐにフルレンジ動かしてもらっていいのですか?痛みがなければいいのでしょうか。それとも固定後のプロトコールとして大体の期間と可動域が決まっているのでしょうか?教えてください。お願いします。

ご利用誠にありがとうございます。

固定後のレンジを拡げる可動域訓練は、やはり安全に行われるべきでしょう。
脱臼後の3週間の固定で、あなたの肩関節内の靭帯の損傷はある程度修復がなされているとは思いますが、決して受傷前より強度がアップしているわけではありません。
したがって、靭帯の再損傷を起こさぬように注意を払いながら最大の効果が得られる可動域訓練を行うべきでしょう。痛みを伴う場合は、それがどのような種類の痛みなのか、きちんと主治医やセラピストに判断してもらってください。
単なる運動による筋痛なら大きな問題はないと思いますが、靭帯や関節唇の損傷でしたら問題です。
プロトコールや期間については個人差、怪我の程度の差、病院や施設による差もあり、実際はケースバイケースです。

それらに関しては申し訳ないですが担当ドクターに伺っていただきたいと思います。

18、二回目の肩関節脱臼(スノーボード) 投稿者:ゆうた 投稿日:2004/02/17(Tue) 21:20 No.577
こんばんは私は合気道をしています27歳の男です。3年前スノーボード中の転倒で外傷性肩関節脱臼を起こしてしまい、癖になるのが怖かったため、3週間はしっかり固定しました、その時その後の筋トレをしなければならなかったことを知らずにそのまま徐々に動かしておりました。
昨日3年ぶりにまたスノボで同じように脱臼をしてしまいました。今まで気をつけていただけにかなりショックでなりません。今は検査をし、ひじより上をバンドで固定している状態です。
当初行った病院の先生はしっかり固定をしなければだめだとおっしゃいましたが、いいスポーツドクターだからと薦められて行った病院ではバンドの固定は必要なく、このホームページに載っていた同じく肩をだらんとする運動等をゆっくりしなさいと言われました。
実際固定しながらもそんな動きをしてよいのか、不安でなりません。やはり3週間は固定しなければいけないのではないでしょうか。
あと私は社会人であり仕事を休むわけにはいかず、仕事にはいっていますが、ひじから下は少し動かしてパソコンなど打ってもいいのでしょうか。医者には問題ないと言われているのですが・・。
どのような動きが問題なのでしょうか
プロではないですがスポーツは大好きですが、反復性だといわれる2度脱臼をしてしまったことのショックとこれからの不安でどうしようもありません。
どうかアドバイスをお願いします。

こんにちは。
現在二人のドクターの治療法が異なるということで、少し混乱されているようですね。
肩関節脱臼に限らず、怪我に対する治療法はドクターにより異なる場合がよくあります。医学の世界は日進月歩なので、どんどん新しい治療法が出てくる上、格闘技と同じく流派や派閥があり、治療法はひとつではないのです。また、同じ怪我でも日本のやり方とアメリカの治療法は全く異なることもあります。ですからこのように大きな怪我の場合、自分にあった治療法を選択することがひとつのポイントになると考えます。

よく読んでいただければ解ると思いますが、当サイトでは数週間の固定をお勧めしておりますが、これは多くの格闘家が固定をおろそかにしているために習慣性脱臼に陥りやすいことを危惧してのことだと理解してください。(靭帯修復には3週を要するといわれています。)

あなたの場合、どちらの治療法が適当であるかは私にはわかりません。もし私が患者さんだったとしたら、しっかりこちらが納得いくまで説明をしてくれたドクターの治療法を選択すると思います。

少なくとも2人の専門家にかかっているわけですから、
それぞれのドクターに各治療法のメリットとデメリットを伺ってみるといいと思います。

19、肩鎖関節損傷と引退試合(少林寺拳法)
初めまして、大阪で少林寺拳法をクラブでやっている高校3年生の男です。少林寺拳法は高1からやっております。4日ほど前練習中に受身をとった時左肩から落ちて左腕が上がらなくなったので医者に行きました、すると医者から「肩鎖関節損傷」っと言われて全治3ヶ月、装具をつけて安静にしときなさい、っと言われました。今は言われたとおり左肩に腕をつるしてその重さによって鎖骨を下げる装具をつけてじっとしてます。痛みのほどは肩は上がるのですが痛みが走ります。
ここで相談なのですが来月の中盤に試合があります。(3年生だから引退試合です)何とかしてそれに出ることはできないのでしょうか?できるだけの事はしたいのです。どうにかならないものなのでしょうか?よろしくお願いします

こんにちは!

あなたが引退試合にでたい、という思いはとても純粋なものであり、その気持ちは良くわかります。

「できるだけのことはしたい」とありますが、あなたがすべきことはよく主治医の先生と相談してみる、これに尽きると思います。全治3ヶ月、と診断されているのは事実ですから、この3ヶ月をどうすごすか、それによって今後の方の具合や機能的な問題の影響してくると思います。
格闘クリニックは本来の治療に役立てていただくものであり、主治医の先生の方針には従うのがルールです。
ご理解いただきたいと思います。

もし私があなたの主治医でしたら、試合の参加、不可は怪我の回復具合を見て冷静に判断すると思います。
あなたに「一生肩関節に異常があってもかまわない、自己責任で試合に出たい」といわれたとしても、まずは医学的な判断を最優先すると思います。エアコンが壊れている車で高速道路を走るのはまだOKですが、タイヤがパンクした状態の車で高速道路を走らせるわけにはいかないですからね!怪我の状態を十分に見極めるためにも、主治医の先生によく話をしてみましょう。

20、肩鎖関節の固定について
こんにちは。初めてメールさせていただきます。
1、性別:男
2、年齢:35歳
3、スポーツ歴:中学高校時、柔道・相撲。大学時ヨット・キック。パラグライダー13年。ウィンドサーフィン2年。日常は週3回ほど、マシーンを使ったウェイトトレーニング(ベンチ・ショルダープレス・ラット・バックプル・レッグカール・シットアップ・四股 中心)、ラン(10km/h 50分)もしくはスイム(1時間 2.5km)を行っており、15年ほどになります。
4、怪我や病気の状態
1週間ほど前自転車で転倒時、右肩から落ち病院で見てもらったところ(レントゲン撮影しました)、肩鎖間接靭帯が2度の損傷を受けているとの診断でした。対処としては「2〜3日冷やして、3週間ほど動かさないようして下さい(痛み止めと湿布の処方あり。3週後再診予定)。」との事でした。事務仕事くらいはして良いとの事でしたので、なるべく右肩を動かさないように心がけ、今は車の運転も荷物を持つ仕事もはずしてもらっている状況です。
当サイトでは肩鎖間接の損傷時の処置は「RICE処置後、3週間固定する。」とありますが、書き物や、キーボード打ち、日常の料理などには右手を使わざるをえない状況なので、現在三角巾をしたり、しなかったりというのが実情です。治療にはベストなのでしょうが、完璧に固定しておく必要はあるのでしょうか?来週あたりからはオートマ車の運転程度はせざるを得ないかと思っておりますが…。やめておいたほうが良いでしょうか?

また、3週間後ですがリハビリにはどのような内容がどのくらいの期間必要でしょうか?早く海に出たいもので…(自業自得かとは思いますが、今夏を棒に振りたくないと願います)。また、ウェイトトレーニングを再開しても良いと判断される時期・目途はあるでしょうか?
 なお、肋軟骨も傷めているとのことで、肩の痛みとあいまって、現在起き上がるのにも一苦労です。痛みが引けば軽い水中ランや腹筋を始めたいと思っていますが、一般的にどれくらいで痛みが引く物でしょうか?

ご利用ありがとうございます。

日常生活の中で3週間の固定を行うというのはおっしゃるとおり簡単ではありません。
特に仕事がある、家庭があるといったときに固定を行うかなりの動作が障害されてしまいます。そのような中で「ほんとに固定が必要なのか?」と思ってしまうことは心情としてよく理解できます。
ではなぜ固定するかというと、「肩鎖関節が脱臼したままの状態にならないため」であり「手術を避けるため」であり「3週間で靭帯を癒合させるため」なのです。
ですから医師の立場として固定期間を指示するというのはきわめて妥当な治療だと思います。
もし私があなたの担当医でしたらおそらく同じ指示を出すはずです。そして怪我の状態を十分評価しながら、次の治療やリハビリを組んでいくことでしょう。

今はとてもつらい時期だと思いますが、そのようなときこそ一番に何を優先すべきか少し落ち着いてみると良いと思います。日を追うごとに身体は治癒していきますから、主治医の先生の指示を守って乗り越えていただきたいと思います。

21、反復性肩関節脱臼(スケボー)
はじめましてこんにちは!私はスケートボードで肩を8回脱臼した、29歳の男です、リハビリの方法を教えていただけないでしょうか?なるべく手術はしたくないので外れにくくする方法を教えて下さい、ただの趣味ですが、ぼくにとってスケートボードはとても重要です、手術をしないで肩の筋肉を鍛え上げることでスケートボードやサーフィンはある程度できるでしょうか?どうか教えて下さい。

こんにちは!ご利用ありがとうございます。

肩関節の脱臼の場合、手術をしないとなりますと、
徹底的な保存療法を行うことになります。

現在、メディカルトレーニングを行っている格闘技選手の場合、
@肩関節周囲のストレッチ
A徹底したインナーマッスルの強化
B脱臼しにくいフォームへの改善
Cバランスと下半身と心肺機能のトレーニング
といった点をテーマに掲げて、かなりハードなメニューを課しています。

多くの場合、肩関節脱臼は外転、外旋にて起こりやすいため、逆に内転、内旋を強化しています。
アウターマッスルが強い場合は、脱臼は起こりやすいですっからインナーの肩甲下筋や棘上、棘下、小円筋を中心に鍛えます。

テーピングも重要な要素です。
正しくテーピングを行うと肩関節の動きが適度に制限され、関節のずれを最小限に食い止めることもできます。ただし、これは実際に動くときのための補助的なものですから、基本は筋力強化とストレッチとなるでしょう。

実際のやり方は、格闘技医学のコーナーをご参考ください。

結果はどうあれ、できるところまでしっかり鍛えて脱臼を予防して欲しいと思います。
頑張ってください!

22、肩の違和感(カラテ)
私は極真空手をはじめて6年になる37歳のサラリーマンです。
2ヶ月前頃から右肩関節の違和感と痛みが治りません。
高校時代に野球でピッチャーをしていましたがやはり肩を傷め内野手に変更しました。その変と何か関係わ有りますか?稽古やウェイトレーニングの時も我慢できない時があります。
最近は朝起きるときも痛んでおります良きアドバイスをお願いします。

ご利用、ありがとうございます。

肩関節は動きが大きい関節なだけに、とても故障しやすい部分ではあります。野球のピッチャーが肩を壊すのも、インナーの弱さと肩の使い方の問題、それにケア不足、オーバーワークに起因するといわれております。

肩関節は、肩甲骨と上腕骨(二の腕の骨です)という骨から出来ているのですが、この上腕骨を安定させるためにインナーマッスルが存在します。インナーに比べてアウターマッスルが強過ぎる場合、肩を痛めやすくなります。
また、肩を痛めやすい選手に目の前で動いてもらうと、
共通することがあります。それは筋の連動がうまくいっていないこと。特にフックを打つときに顕著なのですが、肩のインナーにかなりの負荷かかる打ち方をしているので、フォームの改善に取り組んでもらっています。

症状から考えまして、肩関節の軟部組織(筋や腱、靭帯といった組織のことです)を痛めている可能性が考えられます。

稽古やウエイトトレーニングのやり方によっては悪化するばかりで「練習すればするほど弱くなる」サイクルに陥っている可能性がありますから、このような時は思い切って違う練習に取り組み、肩の運動はストレッチとインナー強化を中心に、というメニューで行くことをお勧めします。

炎症が強い場合は、湿布、塗り薬、飲み薬などを用いて消炎をおこない、安静にします。
(ちなみにプロ選手で試合が近い場合は局所麻酔を使用することもあります)

炎症がないときは、ストレッチとインナーマッスル強化を中心に、またカラテ家として体力を落とさないために下半身強化、ランニング、エアロバイク、といったトレーニングはがんがんやりましょう。
(ちなみにメディカルトレーニングでは肩を痛めた選手用の特別メニュの一つに足だけスパーをたくさんやります。腕を後ろで組んで、二人組みで当たってもダメージがないようにスパーリングをするのです。こうやると、肩の安静を保ちながら、肩が治ったころには蹴りも上達している、反応は良くなる、肩に頼らない動きが出来るというおいしい練習です。
(選手たちからは、トレーニング内容をあんまり発表しないでといわれてまして、、、笑)

いろいろ書きましたが、
痛めたときには、肩の治療といかに代わりの練習が出来るかがポイントです!

ご回復をお祈りしております!

23、はじめての肩脱臼と固定

はじめまして。32歳の男性です。14歳から7年間は伝統空手を、その後7年のブランクがあって、ここ4年はフルコン空手をやっています。その間には野球、バレーボールなどの球技も継続しています。
先日、野球の試合中の事です。サードの守備で、三塁線の打球に飛びついた際、グローブをした左肩が外れたのです。無理に伸ばして、着地が失敗したのでしょうか。
救急車で搬送、病院でレントゲン→整復→レントゲンの処置後、三角巾のみで帰されました。後日、同病院で肩の専門医に診察してもらいましたが、特に何もせず帰宅。2週間後に最訪問の予定です。
質問は固定の方法です。このHPでも「3週間は固定する」と言っていますが、固定とはどの程度を指すのでしょうか。現在も三角巾のみで、肩が動かないように意識しています。
再発の可能性を最小限に、また現在の競技を継続したいのですが、お願いします。因みに右利きです。

ご利用ありがとうございます!

肩関節脱臼時は初回脱臼後の固定が何より大切になってきます。3週間の固定で上腕骨(二の腕の骨)と肩甲骨を連結する靭帯や、関節の袋の修復を促す期間になります。
固定とは、腕の骨と肩甲骨をちゃんとよせるということです。三角巾でうでを持ち上げれば、腕の重さが軽くなる分、近づきますし、腕を体幹に寄せることができるというわけです。

と、理論はここまでなんですが、実際に日常生活上で肩から先を完全に動かさないように生活するのははっきりいって不可能に近いと思います。そこで三角巾で上肢を首からつるのですが、それでもかなり動きますので、バストバンドというもので三角巾の上からさらに固定するという方法もあるのです。これですとかなり固定性はあがるはずです。担当のドクターに話せば、出してくれると思います。

肩関節脱臼すると、ほとんどの仕事がちゃんと遂行できないので辛いところだと思います。3週の固定は大変だと思いますが、ある意味、手術をせずにすむかどうかの瀬戸際ですから、ここはスポーツ復帰のためにも社会生活のためにも、ぐっと我慢のしどころでしょう。

固定後はリハビリにもトライして、確実な復帰を目指してほしいと思います。

24、肩鎖関節損傷(合気道)
初めまして。僕は福井県の大学の一回生で、今年の春から合気道を始めました。3ヶ月ほど前、受身の練習中に左肩を打ってしまいそれ以来痛みが治まりません。痛めてすぐに病院に行きレントゲンをとったときはまったく異常は無く、打撲と診断されたのですが、先日同じ病院で再び検査を受けると骨に4ミリ四方の穴があいていることが分かりました。医師の話によると、肩鎖関節の軟骨が切れていて、手術をして軟骨を取り除く必要があるとのことでした。その手術をしても、以前のように肩を使うことは出来ずまたいまの骨の傷が治るわけでもなく、合気道を続けると将来関節痛に苦しむことになるといわれました。でもどうしてもやめたくありません。それにそんなにひどい怪我とも思えません。続けることは可能でしょうか??

はじめまして!

スポーツは本当に身体に良いのでしょうか?
テレビや雑誌では、連日健康のためにスポーツを、という情報が出回っていますが、スポーツ医学の現場にいる私にとりましては、スポーツは少なからず、健康に悪影響もある、と認識してます。(だからこそ、スポーツによる障害や怪我を少しでも減らそうという活動をやっているわけなんです。)スポーツで健康を害してしまった人の話は決して記事にはならないですから。

実際、今回合気道をやってなかったら、肩の怪我で苦しむことはなかったはずです。でも合気道を修行することで得られる充実感や人とのつながりといったものを得ることもなかったでしょう。怪我を恐れていては格闘技や武道はできないけれども怪我や健康、安全に無関心でもやっぱりできないのが難しいところです。

さて、あなたの肩鎖関節についてですが、今集中すべきは方の治療だということは明白だと思います。
しっかり治して、リハビリもやって、日常生活に支障が出ないように努力する中で、スポーツ復帰や合気道復帰への光が見えてくる可能性はあると思います。

逆に言えば、日常生活やノンコンタクトスポーツも十分にこなせないのに、合気道ができる、というのは少々無茶な気がします。
ここは少し気持ちを切り替えて、今は怪我を治しながら、下半身のトレーニング、立ち方などを追求していく時期であると考え、怪我の改善を冷静に見極めながら主治医と相談してすすめていくのも一つの方法だと思います。


25、肩の痛みとアクション

はじめまして。どうぞよろしくお願いします。8ヶ月前から映像用アクション(殺陣とカラテ)と、それに伴うトレーニングを始めたタイ在住31歳の女性です。約4ヶ月前に、倒れたりぶつけたりしたわけではないのに右肩の関節(骨?)が内部でコキコキいうような違和感と共に、痛みを覚えました。当初は日常生活には支障をきたさず、アクションの稽古時に痛みをガマンしている程度でしたが、右肩を使うウエイトトレーニングだけは中止しました。約2ヶ月前、服の着脱や掃除等、日常生活にも支障をきたすようになったので、バンコク市内の整形外科に行きました。診断にはレントゲン等は使用せず「骨には異常なし。肩周辺の筋肉が萎縮している。」と言われ、医師による肩のストレッチ(痛かった!)と指圧マッサージ(痛かった!)と鍼(痛かった!)の治療を受け、筋弛緩剤(飲み薬)、消炎剤(塗り薬)を処方されました。が、痛みは一向に治まらず、1ヶ月前に痛みをガマンして殺陣の稽古を3時間通して行ってしまったら、更に痛みが増し、痛みの範囲も2の腕上部にまで広がりました。腕を回したり、パンチを出す動作が特に痛みます。2週間、稽古は中止していますが、稽古以外でも、腕を動かすと痛みます。いまだに原因と対応策が分からないので、別の病院に行こうかと考えていますが、タイの病院のシステム上、事前にどの科を受診して具体的にどのような検査を行いたいのかを明確にしておかないとかなり的外れな診察をされてしまうため、原因特定と今後の治療のためにはどうしたら良いのか、アドバイスをお願いします。長々とすみません。

こんにちは!

遠くタイよりかくくりのご利用、ありがとうございます。
関節の違和感と、動かしたときの痛みから、少なくとも肩関節内に何か問題があることは間違いなさそうです。

日本では普通、まずレントゲンで骨に異常がないか、また関節に石灰化などがないかチェックします。基本的にレントゲンは骨や歯といったカルシウムが沈着した部分を見ることになります。
また、診察によって方の動く範囲(可動域)、筋力を評価、どの方向で痛みが出るかを評価します。
また、関節周りの軟骨や筋、靭帯などは、MRIで検査をします。MRIでは、骨以外の部分もCHECKできますから、診断には向いているのではないでしょうか?

国によっても、病院によっても治療方針に違いはあるかと思いますが、正しい診断があってこそ正しい治療が成り立つことは変わりませんから、整形外科やスポーツ外来で肩関節の評価をしてもらうとよいと思います。

肩を守りながら、安全にアクションの稽古を続けられてください!

26、脱臼そして骨折(プロボクシング) 
初めまして。 僕はボクシング暦4年の19歳プロボクサーです。    去年の11月デビュー戦でパンチを打った瞬間、肩が引っ張られる感じがして激痛がしました。 その試合は判定で勝ったのですが試合後整骨院で右肩が亜脱臼と診断され、3週間の固定を終え痛みもまったくなくなり練習を再開したのですが、スパーリングでまた激痛がして同じ状況に。そして整骨院に行くたびに亜脱臼と診断されそれが5、6回繰り返されました。それからフックやクロスぎみのストレートで毎回外れることに気づき、脇を絞めてでのパンチのみを多く使うようにし、2カ月程肩がいい調子で続き、2戦目を今年の4月にし、右はほとんど活躍しませんでしたが、無事に脱臼をせず左フックでKO勝ちでした。 しかし、試合後1カ月を過ぎた頃にスパーリングでまた亜脱臼をし、その5日後には、寝てる間に脱臼をし深夜に緊急医に行き肩を整復してもらいました。
それから、大学病院で検査を受けたのですが、結果は習慣性脱臼、そして関節唇が砕けているとのことで、ボクシングは続けたいなら手術をするべきだし、続けないなら手術は必要ないとのことでした。  今年の7月の後半にはすでに地元で試合も決まっていて、ポスターなどもできていただけにショックで大泣きです。。
この試合は医者から言わせれば、間違いなく外れるだろうが、絶対出場するなとは言わないから自分で決めろとのことです。
今までインナーマッスルのトレーニングをしてきたのですが医者に右にはまったく筋肉がついていないと言われもう完治させるには手術しかないみたいです。                   長くなりましたが、7月の試合、そして今後について何かアドバイスを下さい。 お願いします。 

習慣性肩関節脱臼は、格闘家にとって重大なパフォーマンス低下を引き起こすしゃれにならない障害の一つです。

上肢での攻撃のみが許されているボクシングでは、
更に深刻といえるでしょう。

強くなるための格闘技はじめたはずなのに、
いつのまにか、脱臼と戦っている、試合のための練習も満足に出来ない、という状態は切なすぎますよね。

今、私がアドバイスとしては、
今後自分のボクシング人生をどのようにデザインしていくのかを考えてほしいということです。
手術をして、過酷なリハビリに耐え、復帰する選手も実際にいますし、手術をすることで体力もモチベーションも落ちてしまって選手としてやっていけなくなった人も知っています。
あなたがそのどっちになるかは、
今後のゴール設定をどれだけ明確に出来るか。
手術もリハビリもトレーニングも練習もすべて乗り越えてチャンピオンを目指す!!そういう固い意志と決意があれば乗り越えていける可能性は大きいでしょうし、そうでなければ厳しいかも知れません。

KOもとっているようですし、あなたのボクサーとしての資質は高いはずですから、完治すれば道は拓けるかもしれませんし、きっと今回のことで多くを学ぶことでしょう。

今後どうしたいか、その部分を長期的な視点で考えてみてください。

27、フルコン空手肩脱臼後の注意点

フルコン空手暦8年32歳男です。宜しくお願いいたします。先日試合中、左中段突きを放った際、肩を脱臼(初めての脱臼です。)してしまいました。試合序盤で脱臼したのですが本戦、延長と計5分戦い無念にも5−0の判定負けとなってしまいました。試合直後に大会ドクターに整復して頂き、その日のうちに整形外科に行ってレントゲン、MRIをとり間接唇に炎症、上腕骨頭に若干脱臼の道が出来かけていると言われました。その後3週間の固定期間がやっと終わりリハビリを開始しようかという状況です。ここで今後の練習についてご助言いただきたいのですが、このような保存療法のみの場合、反復性脱臼に陥らないためにはもう脱臼した方の腕では強打は打たないほうがよいのでしょうか。当方は現在は社会人生活、家庭生活を最優先し空手は選手としてよりも少年部の指導に重点を移していこうと考えていた矢先の怪我でしたが、怪我の悪化を防止するには空手を始めたころから頼りにしていた得意技を使えないかと思うと非常に寂しく思うのです。とりとめのない長文となり申し訳ありませんが何卒ご助言宜しくお願いいたします。

こんにちは!脱臼したままで延長まで戦いぬいたそのスピリットに敬意を表します!

脱臼整復後の三週間固定を無事に終わられたということでここからどのように運動していくかが今後の空手生活、家庭生活を決めてしまいますから、慎重を期して取り組んでいってください。

まず、今から考えていただきたいのはなぜ試合中に脱臼してしまったかということです。中段突きひとつとっても、肩関節だけに大きく負荷がかかるパターンのひとと、肩甲骨をうまく動かして肩関節自体にあまり負担がかからないように撃つパターンの人がいます。肩という視点から見たら当然後者のほうが安全かつ体重も乗りやすいのでそのあたりのフォームを見直してみるというのはやらなければならないことのひとつです。

・脇はしまっていましたか?
・体の中心から先に動かしましたか?
・インナーマッスルを意識して練習していましたか?
・肩甲骨を動かして打っていましたか?

これらのポイントをチェックしながら、より高度で安全性の高い中段突きをつくっていかなければなりません。
そのためにも、半年計画くらいでゆっくりと脱臼しにくいフォームを身に着けながら、大胸筋や三角筋といった外側の筋肉ではなく腱板周囲の筋肉を強化して、脱臼を予防していく練習をしてみてはいかがでしょうか?したがって強打はずっと先になるかとおもいますが、そこは右の突きに頼らないスタイルの習得をもうひとつのテーマに掲げて、右肩で強打が打てる時期が来たときに空手としても全体がレベルアップしているという結果オーライな状況にしていくしかないでしょう。(格闘クリニックが推進する格闘技リハビリテーションのコンセプトそのものです。)

ちなみに格闘技リハでは正しいフォーム習得の場合いきなり物をたたくことを禁じています。まずはシャドーで何度も何度も繰り返し、正しいフォームが身についたら軽くて柔らかいもので感触を確かめ、数週間ずつ区切って重たいものに変えていくのです。


脱臼を克服してフォームもさらに良くなり強くなっていく選手もたくさんいますので、あきらめず、しかし慎重を期して取り組んでみてください!!!

途中迷ったらいつでもご相談いただきたいと思います。