PNFストレッチ  格闘技への応用

PNFストレッチ理論編


PNFストレッチ基礎編


PNFストレッチパンチへの応用編



PNFストレッチ肘への応用編



PNFストレッチでらくらくハイキック




ストレッチを取り入れることにより、筋肉が柔らかくなり、関節可動域の向上が期待できます。ところが、「ストレッチを一生懸命やっているのに全く体が柔らかくならない」「実際の動きの中で生かしきれていない」という声がよく聞かれます。このような選手の多くの場合、@ストレッチのやり方が不正確であるA動きに必要な筋肉以外の部位を一生懸命伸ばしているBウォーミングアップをやらず、いきなりストレッチをやっているといった問題点がみられます。

格闘家に本当に必要なストレッチとは、ストレッチのためのストレッチだけでなく格闘技の動きの中で生きてくるストレッチだと考えます。

ここでは、PNFストレッチの実際の格闘技での動きへの応用法をご紹介いたします。

注)ここで紹介している方法は身体感覚と基本的なフォームがある程度できあがった上級者向けのトレーニングです。

1、キックのレンジを拡げる

1、キックのレンジを拡げる!
高いキックを蹴りたいとき、どの筋をどれだけずつ柔らかくすればいいのでしょうか?
左右の内転筋をはじめ、体幹部の筋群、膝から下の筋群、足、足指にかかわるそれに骨盤内のインナーマッスル、上半身の筋群と一種類の蹴りだけでもほぼ全身の筋肉が連動していることがわかると思います。よく開脚ばかりやっている方がいますが、それだけではごくごく一部の筋群をストレッチしただけになってしまうのです。これでは開脚は上手くても高いキックを蹴れない、という状態になってしまいます!この方法は、PNFストレッチを応用した、現場の格闘家にとって高く蹴るために使っている筋肉を簡単に体で知るための方法です。

@まず最初に本人にとって全く痛みがなく、楽にあがる高さの限界を探します。これ以上上げると痛い、という手前で必ずストップすること。この時点で痛みが出た瞬間、全く意味がなくなってしまいます。
ですから当然お互いの息が合わないといけません。補助側(右側)は相手とコミュニケーションをとりながら、表情の変化や呼吸などいろんな情報を得ながらリードしてあげなければなりません。












A次に@で設定した高さのまま、キックをする側(左)は蹴り足を思いっきり下方向(重力方向、床に向かって)に、力を入れます。補助者を下に押さえつけるようなイメージで。これを6秒間行うのですが、キック側が下に力を入れている間、補助者は高さを変えてはいけません。「角度を変えずに力を入れる」これがPNFストレッチを成功させる最大の山です。この6秒間に収縮している全身の筋群こそが、キックを高く蹴るために必要な筋群だということをキック側は体で感じることが可能なのです。













BAの角度での6秒間が終わったら、そのままの体勢で2秒間息を吐いてリラックスします。(お腹が柔らかくなっていればリラックスできています)リラックスしているのを補助者は確認したら、ごくゆっくりと蹴り足を上に上げていきます。Aの6秒間で収縮した筋群が、ゆっくり伸張するため、蹴り足は@よりも高く上がっているはずです。(これも痛くなる手前で止めます)
@〜Bの動作を最大3回まで行います。あまりやりすぎますと筋や腱が壊れてしまいますから、自分の体の声を聞いて適度にやってください。
写真では解りやすいように蹴り足が伸びた時点(キックが相手にヒットした時点)だけを取り上げていますが、実際は蹴りはじめ、蹴りの途中、蹴り足が伸びた時点、それぞれで筋群の関わり方は異なります。いろんなアレンジをして自分にあった応用を試してみてください。

このストレッチのあとに必ず軽く蹴りのフォームを行いましょう。ストレッチにせよ筋力トレーニングにせよ、必ず格闘技の動きにフィードバックさせること、これが上達に欠かせないポイントです。






モデル 白井裕一郎選手(U−FILE CAMP)
格闘クリニックでは格闘家のメディカルトレーニングを専門に行っています。
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