肘、腕、手、指

1、腕十字による損傷
2、小児の上腕骨骨折
3、ベンチプレス中の親指の損傷
4、打撃での肘の痛み
5、カラテでの小指の痛み
6、突き指のメカニズム
7、両手の腫れと拳の痛み
8、拳の損傷(カラテ)
9、パンチで小指を痛めた(総合、ボクシング)
10、修斗と手首の怪我
11、前腕部骨折(カラテ)
12、肘の回復
13、中手骨骨折と創外固定(修斗)
13と1/2 中手骨亀裂骨
14、少林寺拳法の肘、手首の痛み
15、上腕の痛みの原因
16、フックによる指の付け根の損傷
17、ダンベルトレーニングと両肘の痛み
18、肘骨折後のリハビリ(カラテ)
19、小指の脱臼(テコンドー)
20、試割による尺骨骨折
21、上腕骨骨折と治療方針
22、拳の鍛え方
23、リストの強化
24、手首腱鞘炎の原因と対策
25、合気道と手首の怪我
26、組手の際の手首骨折new
27、肘のオーバーレンジnew
28、右小指側拳の痛み(ボクシング)new
29、肘の損傷とリハビリ(カラテ)new


1、腕十字による損傷

はじめまして。修斗・柔術を習っている者です。半年前に腕十字で右肘をタップしたのにもかかわらず思いっきり伸ばされました(外国人が相手でタップに気づいてもらえず、悲鳴をあげたらはなしてくれました)。日常生活では右肘に痛みはなかったのですが、最初の3ヶ月は腕をまっすぐにすると痛みました。今はまっすぐにしても痛みはないのですが、久しぶりの練習で先日打撃の練習でストレートパンチを打っていたら痛みが走りました。肘はどのような状態が考えられますか。またどのようなリハビリが必要でしょうか。教えてください。

肘関節の過伸展が急激に起きた状態です。
肘の屈曲には、上腕二頭筋、上腕筋、腕とう骨筋が関与します。筋肉の先は腱となって骨にくっついているんですが、過伸展された状態ですと筋の断裂、腱の断裂、付着部の骨の裂離(剥がれる事、裂離骨折といいます。)、靭帯損傷、骨折などが可能性として考えられます。
現在の状態を確定するには、レントゲンを撮ってもらえる整形外科、もしくはスポーツ整形に受診されるのが一番だと思います。
リハビリは損傷の程度により異なりますのが、屈曲、伸展、回外、回内をとおした可動域訓練が必要となってくると思います。
全可動域を痛みがなく行えるようになれば、ごく軽いウェイトで上腕二頭筋および三頭筋の筋力強化を中心に行うのが良いと思われます。



2、小児の上腕骨骨折

先月の5月27日に、6歳の息子が幼稚園の滑り台から落ち、上腕骨を骨折しました。前腕骨の下の方の関節もはずれ、多少のずれがあります。現在、ギブスが半分になり、お風呂の中で屈伸の練習をしていますが、まだ動きません。
まだまだリハビリもこれからというのに気が早いのですが、色々と調べた所、『腕が曲がる』『将来障害が出る』などの不安な点が多く見られ、心配しています。
これらを予防して行く方法はありますか? サポーター等も多く出回っていますが、使用したほうが予防策になるでしょうか?
どうか、教えてください。

腕の変形や機能障害の可能性は確かにご心配な点だと思います。
変形を防ぐ、または最小限にとどめるにはギプス固定が外れるまでは、極力外力をかけないように注意する以外にないと思われます。
機能障害が出ないようにするのは今後のリハビリに集中して、可動域訓練を行うことが中心となると思います。
年齢が若いことから、ある程度の自己矯正力は期待できそうです。
現在の固定の状態が、解剖学的にどれだけ正しい位置にあるか、が最大のポイントになってきますので、左右をいつも比較しながら観察してあげていく中で、まっすぐになっているか、回旋がかかっていないかなどに注意を払ってあげてください。
何かあればすぐに主治医にかかってレントゲンで確認してもらうと良いと思います。

3、ベンチプレス中の親指の損傷 投稿者:武士
去年の10月頃にベンチプレス中に左手の親指の付け根を痛めてしまいました、病院にいってレントゲンをとってもらいました、骨に異常は無かったのですが8月になっても痛みがひきません、塗り薬も2ヶ月ぬっていますがなかなか治りません腱鞘炎でわないかといわれましたがこのまま塗り薬だけで安静にしておけば治るのでしょうか?

書き込みありがとうございます。
手の指は実際に安静にするのが難しい部分です。つい動かしてしまいがちな部分ですから、安静を保つには固定をするなどの工夫が必要となるでしょう。
受傷されたのが去年10月ということですから、怪我自体が慢性化してしまっている可能性が高いと思います。
病院にかかると骨は大丈夫だから、、、といわれることもしばしばですが骨に異常がなくても関節の袋が壊れていたり靭帯が断裂していたり、神経を損傷していたりと実際は様々な異変が起きています。
そこに機械的、化学的な刺激を受け続けると腱等に炎症が波及して機能的な問題(動きが制限される)も生じて来ることがあります。
今やるべきことは、手の専門の整形の先生に診てもらい受傷部の損傷が現時点でどの程度か知ることだと思います。

4、打撃での肘の痛み 投稿者:bobo
18歳の高校生です。先日、3年間続けてきたボクシングを引退し、総合格闘技のサークルに通っています。打撃の練習でパンチを打つとき、激痛が走ります。そのせいでパンチを本気で打つことが出来ません。ボクシングをしていたときも痛みを感じましたが、これほどひどくはありませんでした。最近ではマウスを使うときや鉛筆を使うときなども痛みます。一時期湿布を貼り休養もとったのですが良くなりません。どうしたら良くなるのでしょうか?

肘の状態がどうなっているか、客観的に検査や診察を通して知ることが重要だと思います。
骨折や変形、靭帯の損傷、関節の変形、筋の断裂、神経の圧迫、、、、
ほかにも痛みの出る原因は考えられます。
整形外科やスポーツ外来にいって、いったいどの部分がどうなっているか詳しく調べてみてはどうでしょうか??
そのさい、いつごろからどのような症状があるかといった情報をしっかりドクターに伝えてみてください。
原因をはっきりさせないと良い治療は受けられませんし、正確なアドバイスも難しいです。
痛みが強くなってきているとすれば、運動負荷がさらに悪化させていることが考えられます!!
痛いまま続けるとその部分が弱点になってしまいます。
そうすると練習すればするほど弱くなってしまうという矛盾に落ち込んでしまいますから早めの受診と治療をお勧めいたします。

5、空手での小指の痛み加麿 - 2003/03/14(Fri) 18:2

極真空手をはじめて8ヶ月の38歳です。
よろしくお願いします
1ヶ月に前蹴りを捌きそこねて、手の小指を痛めました。それ以後、1週間くらいにまた同じとこを同じように痛めました。左小指の第二関節の薬指側が少しふっくらしていて、ある程度の力を加えると痛みがでます。レントゲンで骨は、折れていないんですが、気になります。あと手と足の親指4本、組手で、何回も、突き指します。
常に4本とも痛い状態なんですが、ある程度傷みがひいてから、稽古に参加したほうがいいんでしょうか?特に右の足の親指は、足を刈られた時に、爪のあるほうから、床にぶつけてしまい、爪のはえてる親指の根元を、痛めました。踏ん張ったり、空蹴りすると、痛くなります。ちなみに痛めて2週間くらい経ってます。治るんでしょうか?

こんにちは!
怪我をして完治させないまま練習や試合にのぞむと、その怪我が悪化するだけではなく他の怪我を併発してしまうことが多いです。
人間の体は精神状態も含めて、非常に微妙なバランスで成り立っていますから、一つでも故障箇所があると、大きな怪我や事故につながることを是非知っておいてください。

車に乗る時、4つのタイヤのうち一つの空気圧が低かったことに気がついたとします。そのときそのままの状態で高速に乗りますでしょうか?
きっと空気圧を調整して、安全を確認されることと思います。

格闘家の体も同じです。
きちんとしたメンテナンスなしに試合や練習を行うことは危険なのです。とはいっても自分の体の状態を自分自身で客観的に見つめるのはなかなか難しいです。どうしても感情が入ってしまいますし、「このくらいで負けてたまるか」っていう気持ちにもなりやすいですよね。
今回の怪我に関しましては、ある程度痛みが引くまで、休養をとられたほうがいいかもしれません。
稽古についていくことよりも、今はまっている怪我のサイクルから抜け出すことが必要と思うのです。
痛みが引いてきたら、関節をしっかりと動かす自主トレを開始してください。

6、突き指のメカニズム

@白いところが骨、斜線部分が腱(筋肉にくっつく部分)です。

A突き指をすると、このように腱が断裂したり、、、

B腱と骨のくっついている部分が剥がれたりします。
治療としては、受傷すぐならRICEと指を伸ばした状態での固定が基本です。
受傷から時間がたってしまってうまく曲げ伸ばしができない場合は外科的治療が必要となります。

7、両手の腫れと拳の痛み 投稿者:からて 投稿日:2003/08/29(Fri) 02:10 No.397
組み手を3ヶ月ほど前に、指だしのグローブとレガースつけてやったのですが、相手のガードしてる両腕の上から腹を狙って力任せにスタミナ任せで殴りまくりました。主に、力任せで大ぶりなフックを使いました。組み手が終わって直後、両手がはれてました。グローブを入れるバッグのジッパーが、指が曲がらず開けられませんでした。左手の小指の関節は、今も、出っ張ったまんまです。それから、人差し指の付け根の関節が、衝撃を感じると痛いです。内側にまげると痛いです。いまも拳立て伏せを、やると、右手は痛くないのですが左手の人差し指の付け根の関節が痛いです。組み手が終わった後に、トイレの手洗い場の水で両手を冷やしたのですが、なぜ、痛みが残るのでしょうか?回答をいただけるとありがたいです。

こんにちは!

人間の手というのは非常に器用に動きます。
その器用さを支えるものは骨と関節、小さな筋肉や腱、靭帯、神経といった組織です。
これらは非常にデリケートにできており、また内出血をしますと内部の小さなスペースに血液がたまってしまい、運動や感覚の障害につながることもあります。

3ヶ月前の練習で関節や靭帯を損傷、そのまま正しい処置を行わなかったため、現在も変形や痛みを伴っているのでしょう。

怪我をしたらすぐにRICE処置をおこない、改善が見られない場合は専門医を受診することが大切です。
今は慢性化している様ですので、練習前の指の細かなストレッチと循環をよくするためのマッサージ、練習後のRICEと抗炎症剤による炎症の改善を軸に、普段からの指のトレーニング(可動範囲を広げる、指を曲げる、伸ばす)をやっていくとよいでしょう。

8、拳の損傷(カラテ) 投稿者:寛貴 投稿日:2003/09/23(Tue) 16:49 No.425
はじめまして
16歳で空手を始めたばかりの男です
昔から,硬いものなどをよく殴っていて
他人が見ればビックリするほど右拳の中指の付け根が大きくなっているんですが、友達の拳と自分の拳を叩き合っていると
左拳は痛くないんですが、右拳の中指の付け根が痛みます
拳立て等をしてる時は特に痛みがないんですが、
どうすれば治るのですか?アドバイスお願いします

空手の正拳は、人差し指と中指の関節を折り曲げて、拳頭という部分で突きます。
鍛え上げた空手家のこの部分を見ると大きく盛り上がりいかにも頑丈そうな感じがします。
この関節のことをMP関節と呼ぶのですが、MP関節は二本の骨と腱、靭帯、関節包などから成り立っていまして、解剖学的には複雑な構造をしています。
ですから正しい握り方をしていなかったり、当たり所が悪かった場合に怪我をしやすい場所でもあります。
お話からしますと、このMP関節に何らかの損傷が起きたまま時間が経ち現在の状態になったみたいですね。
受傷してすぐでしたら、RICE処置で腫れを最小限に食い止めて、おさまったら積極的に動かしていくことで治癒が見込める場合が多いのですが、慢性的に経過していますから保存的に完治を期待するのは難しいかもしれません。
まずは手の外科の専門のDrに受診された上で、
痛みの原因をよく見てもらいましょう。中に骨のかけらなどがある場合は外科的に取り除いた方がいいでしょうし、炎症だけの場合は保存的な治療を選択すべきでしょう。

リングドクターの際に、いろいろな選手の手を見せてもらうんですが、空手に限らず、ボクシングや総合の選手でも拳が変形してしまっている選手は少なくありません。そういう方でもテーピングをしたり、握り方を工夫したりして自分なりの方法を試されています。

怪我を負った部分はなるべく保護する方向でやってみてはいかがでしょうか。

質問に答えていただいてありがとうございました。
前からずっと不安だったんで安心しました
今度外科に行こうと思ってます。

9、パンチで小指を痛めた(総合、ボクシング)投稿者:和樹 投稿日:2003/09/24(Wed) 01:03 No.426
 総合格闘技を練習している21歳です 5年前にボクシングのスパーリング中に右フックを打ったときに相手の頭に小指だけが当たって拳が握れなくなりました 翌日病院でレントゲンで診ていただいたのですが骨には異常なかったので2週間ほど練習を休んで痛みが治まったので練習を再開しました。ですがミット打ちやサンドバックを叩くと同じ箇所が痛みます。しばらくすると痛みはなくなるのですが使うとまた痛みが出ます
何か良い治療法ないでしょうか? 

こんにちは。

病院でレントゲンを撮り、骨折が見つからなかった場合でも格闘家の場合は「レントゲンに写るほどのはっきりした骨折はなかった」と理解する方がいいことがあります。
受傷された小指の付け根などは完全な骨折だけでなく、軽いヒビやいわゆる骨の打撲(骨挫傷)も多発する箇所といえます。このような損傷の場合、レントゲンではなかなか解りにくいことがあります。
また格闘家ではない、普通の人の場合、怪我をしても怪我した部位に直接外力を加えることはあまりないのですが、格闘家の場合は練習をいきなり開始してしまうことがあり注意が必要です。

受傷から5年たった今でも痛むということですから、痛みの原因を再検索する意味はあるでしょう。
骨や関節、腱などの異常はないかチェックしてみてください。

その上で異常がなければ、バンテージの巻き方を工夫してみるのも一つの方法です。親指の付け根を傷めている選手はその箇所を、手首を傷めている選手は手首を重点的に固定して練習しているようです。小指をしっかり保護し、練習で傷めない工夫をしてください。
小指の握る力を強くするのも、対策の一つです。ボールなどをにぎりつぶす練習、タオルを広げてはしっこに重りを置き、タオルを握って寄せてくる練習などが効果的です。

アフターケアも重要です。
練習後に塗り薬や湿布で炎症を抑える習慣をつけることで痛みが和らぎますし、痛みがなくなれば右に自信がつくと思います。

10、修斗と手首の怪我投稿者:jun 投稿日:2004/01/18(Sun) 19:29 No.540
初めまして。修斗を始めたばかりの19歳です。
一ヶ月前に練習中ではないのですが手首をガラスの破片で切ってしまい11ハリ縫いました。
それ以来手首に若干の痺れが残ったます。これはあまり気にならないのですが、問題は手首が甲の側に45度位しか曲がりません。
それに物を持つと前腕(手首から続いてるスジ?)にかなりの痛みが有ります。

医者には、どうしても気になるならまた開けるしかないと言われました。
開けるべきなのか様子を見るべきなのか迷ってます

アドバイスを下さいお願いします。

こんにちは。ご利用ありがとうございます。
大変な怪我でしたね!!
格闘技を続けていく上で、関節の動きが制限されてしまうのは辛いところだと思います。
痛みだけで動きには問題がない場合でしたら、まめにケアをしていけばなんとかなったりするものですが、動きに制限が出てしまうというのは攻撃、防御ともに不自由が生じてしまう可能性があるといえます。
一方でもう一回手術するというのもうれしいものではないでしょう。
ここで一つ知っておいていただきたいのは、今格闘技界で活躍している選手たちにも両方のタイプがいるということです。
手術に耐え、手術後の厳しいリハビリに耐えて復活してくる選手、故障箇所を抱えつつもメスを入れることを拒み、怪我をだましだまし闘っている選手。どちらの選手も相当な努力をしてリングに上がっているのです。
これからの方針としまして、主治医の先生にもっと詳しくご意見を伺ってみると良いと思います。
@あとどのくらいの期間様子を見ても大丈夫か?
A手術しなくても可動域が戻る可能性はあるか
B手術をすれば確実に可動域が戻るのか
これらをしっかり聴いて判断されるといいと思います。
もし私があなたと同じ怪我をしたら、@の期間いっぱいはしっかりケアをしながら、練習法を探していきます。この期間の間、辛いこともあるでしょうが、ケアの仕方や自分なりの練習法を試していく中で”意外とやれそうじゃん”という感触をつかむかもしれないからです。
@の期間が終わりに近づき、どうしようもないなと思えば手術を決意してもいいかもしれません。
手術をするか否か迷っている場合は@の質問をすることで時間をもらえます。(骨折やアキレス腱断裂など直ちに手術したほうがいい場合は迷っている暇はないですが。)その時間を有効に使うことで、何かヒントを得ることができると思います。

参考になったかどうかわかりませんが、ご自分で納得のいく方向で進めていってほしいと願います。

ご丁寧なお返事どうもありがとうございます。
しばらくは様子を見てできる練習をしていきたいと思います。寝技は難しいかもしれませんが、打撃なら多少は練習できると思いますので、できる範囲の練習をやっていきたいと思います。
始めたばかりで寝技の練習ができないのはつらい物がありますが。

ありがとうございましたとても参考になりました。

11、前腕部骨折(カラテ)
初めまして、名古屋でフルコンタクト空手を行っています。
本日、体の固い壮年の、下からすくい上げるような右の回し蹴りを受けた際、腕に痛みが走ったので、レントゲンをとったら、親指につながる前腕の骨にひびが入っていました。
現在、添え木を当てて腫れのひくのを待ち、ギブスで固定すると先生が言っています。
右回し蹴りによる左前腕部骨折です。前腕に、ひびが入ったら、ギブス固定でしょうか・・・
現在、添え木していてあまり傷まないので、そのまま添え木にしておいた方が、筋肉が落ちないのではないでしょうか・・・その点を含めて、後遺症がおきないように、注意点があれば教えてください。 よろしくお願いします。
年齢は36歳、キャリアは13歳からやっていますので、23年になります。現在週3回、稽古しています。
初心者特有の変なタイミングと変な角度に、反応が遅れてしまいました。以前、スキーで足を捻挫靭帯損傷した際、腫れた状態ですぐにギブス固定されてしまいなかなか治らず、今も後遺症があるので、今回の怪我はきちんと治療したいので注意点、教えていただければ幸いです。

ご利用ありがとうございます。

前腕の骨折ということで、治療の第一の目的は骨の癒合にあります。
癒合のためにある程度の期間固定が必要だと思います。
骨折の状態により、骨癒合が見られるまでの期間は様々ですが少なくとも6〜8週はかかります。
固定を行う目的は、骨のずれを防ぎ骨癒合を促進させる点にあります。固定がしっかりしていないと骨がくっつきませんから、ある程度の固定はやむをえないかもしれません。

筋肉が落ちてしまうリスクは確かにありますが、骨がくっつかないことのほうが今後のことを考えるとまずいと思います。

ただ、固定期間が長すぎるのも考え物ですから、主治医の先生とよく話し合っていただき、固定期間はどのくらいか?固定後のリハビリはどうしたらよいか?といった点を聞いてみるとよいと思います。
また、スポーツ医学の視点から言いますと、今できる練習、例えば下半身のトレーニングであったり心肺機能系のトレーニングは続けていただいていいでしょう。

固定後は筋力と肘や手首の可動域、そして神経系のトレーニングを中心に行うとよいと思います。

しばらくはつらいと思いますが、怪我は強くなるチャンスでもありますからしっかり受け止めて、飛躍のきっかけとしてほしいです。

12、肘の回復(ボクシング)
26歳です。1ヶ月前からボクシングを始めました。最近ミット打ちの時に息が合わなくてストレートを空打ちしてしまい肘に痛みを感じました。その時はすぐ痛みは引いて何ともなかったのですが後日サンドバッグを打ったときに結構な痛みを感じました。平行して昔から続けているベンチプレスをしてみたらやはり肘に痛みが出ました。日常生活ではほとんど不自由はありません。ただふとした事で軽い痛みは出ます。例えば手袋をはずす時や服の袖を通すとき。曲げたりのばしたりしても痛みは出ません。重い物を運んだりしても大丈夫です。とりあえず1週間トレーニングは休みましたがあまり変わりません。湿布も貼ったしいろいろ試しましたが変化なし。どうなってしまったのでしょう?あと早く復帰したいので早く治すにはどうすればよいでしょう?靱帯だと時間かかりそうですよね。

格闘技の場合、体のケアが特に重要です。
なぜなら、怪我や故障を抱えていることが、パフォーマンスの低下につながり、また安全性の低下にもつながりうるからです。

肘の状態は、何らかの損傷があると思います。
日常生活レベルでは問題がなくても、ベンチプレスやサンドバックなど大きな負荷で痛みが出てきてしまうことから、まだまだ負荷を調節しながら練習すべき段階であることは間違いないと思います。

どの角度で痛みが出るか、どのくらいの強さなら大丈夫か、よく見極めながら、メニューを組んでいくべきでしょう。
例えば、肘を痛めているときにベンチプレスなどの両腕に同時に力がかかる運動は危険です。いためたほうは筋力が低下していたり、筋力を発揮しにくい状態にありますからますますバランスが偏ってしまうわけです。
筋力トレーニングをやるならば、まず痛めたほうの筋力をダンベルやチューブを用いたトレーニングで戻してからベンチを行うほうがベターだと考えます。

早く治す方法ですが、怪我の状態がはっきりしたら、湿布と塗り薬、内服薬などで炎症を抑える治療と肘のリハビリテーション、そして怪我予防と体力維持のためのトレーニングを行っています。(もちろん外科的処置が必要な場合は別です。)
怪我が治ったときに体全体の体力が落ちていては復帰が遅くなりますから、できる運動はどんどんやらせています。
肘のリハビリと下半身や体幹、心肺機能強化を同時進行していく形と考えていただければ理解しやすいでしょうか?

靭帯を損傷している場合は、ブレースやテーピングで運動制限を行いながらリハビリをやっています。固定期間やメニューは選手の状態や試合までの期間、レベル、怪我に対する意識などによって様々です。

肘の状態を専門的に診てもらいつつ、治療しながら復帰へのプログラムを組んでいくと良いと思います。

参考になったかわかりませんが、一日も早いご回復をお祈りしております。

大変参考になりました。
焦らずじっくり出来ることをして完全に回復させてから復帰したいと思います。
ありがとうございました。

13、中手骨骨折と創外固定(修斗)
はじめまして。修斗を3年程やっている23歳の男です。先日スパーリング中に左手第四中手骨を骨折してしまい、創外固定の手術を受けました。まだ腫れや痛みが引かないので、リハビリをしながら安静に生活しています。しかし固定器具が取れるまでに6週間、激しい衝撃に耐えられるようになるまでにさらに1ヶ月かかってしまうために、その間にできれば下半身、右手、神経系などのトレーニングやランニングなどを行いたいのですが、骨折の回復への影響やばい菌による感染症が心配です。トレーニング方法や注意点を教えてください。

こんにちは。

それは大変な思いをされましたね。
格闘家のリハビリテーションで重要なのは、故障箇所の機能回復と同時に故障箇所以外の筋力やスキルを落とさない工夫です。特にプロ選手の場合、リハビリテーションのゴールが日常生活レベルではなくリング復帰ですから選手のレベル、怪我の状態に応じてそれなりのメニューを組んでいます。

ただしこれは怪我の状態、選手の状態、試合までの期間、リハビリやトレーニングのリスクなど選手のあらゆる情報をこちら側が十分把握し、信頼関係を構築して初めて可能になるものです。「怪我の状態を理解したうえで適切なトレーニングメニューを組み、実行させる」というのはトレーニング的な視点とメディカルな視点があってはじめて成り立つ非常に微妙なところです。

創外固定のリスクとしてあなたの心配されている感染症は非常に恐ろしいものです。もし骨に細菌が感染してしまうと数ヶ月どころか数年も入院生活をおくらなければならないこともありえます。整形外科の病棟に行くと骨髄炎という難治性の病気で何度も入退院を繰り返している患者さんもいらっしゃいます。

このようなことを考えて、まず最優先すべきは感染と再骨折
を予防することになるでしょう。運動量が多かったり、多量の汗をかいたりというのは注意すべき点といえます。
その上で下半身の筋力トレーニングを行っていくのが良いと思います。このときにジャンプ系や片足だけを使ったトレーニングは転倒のリスクが高くなりますから、カラテでいうところの前屈立ちや四股立ちといったアイソメトリック(筋肉の長さを変えないトレーニング)な負荷で追い込むと良いでしょう。ごくゆっくりスクワットを行うのも意外にきついです。
体幹のストレッチや呼吸筋のトレーニングなども有効です。また心肺機能系のトレーニングとしてのエアロバイクなども安全性の高いトレーニングとして推奨されます。
(格闘クリニックのメディカルトレーニングでは、これ以外にも様々な復帰へのメニューを選手の特性に合わせて提供しています。)

確実に復帰するためにも左手のことを最優先に考えながら、安全なトレーニングにトライしてほしいと思います。

ていねいなアドバイスありがとうございました。消毒をこまめにしながらできる範囲でのトレーニングとリハビリをしていきたいと思います。また問題が生じたときはよろしくお願いします。


13と1/2 中手骨亀裂骨折
以前中手骨骨折による創外固定と練習法について質問させていただいた、修斗歴4年の23歳男です。おかげさまで治療中充実した練習を送ることができ、怪我も完治しました。しかしオープンフィンガーグローブ着用による打撃練習中に再び中手骨を負傷してしまいました。幸い今回は亀裂骨折で済んだのですが、今後格闘技を続けていく上で大きな不安材料になっています。このような打撃による拳や脛の負傷に対する予防や対策がありましたら教えてください。空手の世界などで言われている拳立てなどの練習は効果的なのでしょうか?

こんにちは。

中手骨骨折は、格闘技の選手生命にも大きく影響する怪我のひとつです。
パンチによる打撃、相手の打撃のディフェンスはもちろんのこと、投げやグランドでのグリップにも支障が出てしまいますから、しっかり治さないといけない部分です。

打撃に対する負傷の予防は、
「自分の体の状態をよく把握し、段階を経て徐々に負荷を上げていく」という当たり前ですが、実行がとても難しいものが答えとなります。
骨折後や怪我の後は、損傷部位は非常に弱くなっています。
病院で、大丈夫、といわれた場合でも、すぐに強い打撃を打ったりもらったりした場合、また怪我をしてしまうことは少なくないのです。
ですから、練習復帰するにあたり、たとえば打撃の場合は
@シャドー、Aチューブトレーニング、Bタオルなどのやわらかいものへの打撃、Cボールなどのやわらかいが重さのあるものへの打撃、Dミット、Eサンドバッグ、という風に、徐々に負荷を上げていかなければなりません。
もちろん、早くいつもの練習に戻りたい気持ちは理解できるつもりですが、そこをあせってしまって怪我を繰り返すようになってしまった選手は少なくありません。

拳立てなども基本的には怪我をしてない人に為の鍛錬法ですから、今のあなたには早すぎるような気がします。
骨がくっつき、拳をやわらかいものに押し付けても不安が無くなったら、徐々に負荷を上げていくという方向ではいかがでしょうか?

テーピングやサポーターで固定する方法もありますが、
骨折した状態ではあまり意味を成しません。

骨というのは、再生能力がありますから、
しっかりと治療すれば元に戻ることが期待されます。
あせらずに完全回復を目指してほしいものです!!

ありがとうございました。続け様の怪我に焦ってしまいますが、そういうときこそじっくり治していきたいと思います。日常生活や軽い負荷の練習がこなせるようになったら寝技などの練習は行なっても大丈夫ですか?今は左手以外のトレーニングやスタミナの強化をしています。

14、少林寺拳法と肘、手首の痛み
はじめまして。18歳のたくみです。今年大学に入学し、初めて少林寺拳法のサークルに入ったのですが、柔法といって関節をきめたりするのがあり、肘や手首の痛みがとれません。肘は伸ばすと筋肉痛のような痛みで思いっきり伸ばせません。手首は回すと少し痛みます。一応練習終わったあとは冷やして、家に帰ったらシップを貼ってるんですが・・・練習は昼30分が毎日で、夜は3時間が週3日で、あまりきつい内容ではありません。痛みが和らぐ方法はありますか?教えてください。

非常に難しいところですね。
始めたばかりのころというのは自分にあったペースがつかみ辛く、痛みを我慢しがちです。その痛みが格闘技をやる上で当たり前の痛みなのか、慢性化してしまって生活に影響が出るレベルなのかは非常に判断がむつかしいことと思います。

柔法のような関節技の練習の場合、関節の柔軟性が大きく影響します。ごく軽く掛けただけで激しく痛む人もいれば、完全に決まっているにもかかわらず割と平気な顔の人もいます。(カナダで道院を開いている友人の少林寺指導者の話だと1000人に一人くらい柔法が通じないタイプがいるそうです!)
たくみさんの場合、冷やしたり湿布を張ったりという基本的なケアは行っているようですから、一度痛みが引くまで柔法の練習を控えて、剛法の基本技の習得に時間を割くというのも良い方法でしょう。もちろん肘、手首のストレッチは念入りに(同級生の3倍の時間をかけて!)やるべきでしょう。

これから怪我や身体のケアに理解のある先輩によく相談してみてはいかがでしょうか?

15、上腕の痛みの原因
こんばんは!くまじろうといいます。36歳男です。
空手14年、日本拳法4年、柔道3年、ボクシング・レスリング 
少々かじりました。

10日ほど前腕相撲をしたんですが、翌日から左上腕の外側がものすごくだるくて痛いんです。以前に柔道の乱捕りやレスリングのスパーリングでもおなじ症状になったことがあります。
いまは楽になってきているのですが、ウェイトトレーニングをすると症状が悪くなります。しばらくたつとまた症状が軽くなります。また今はサンドバックにフックを打つとおなじ症状がでたりします。どうしてでしょう?
以前柔道やレスリングで頚を痛めたことがあります。左側はバーナー症候群らしき症状にもなったことがあり、筋力が落ちています。これも関係あるのでしょうか?

もう一つ質問ですが、左ハムストリングを肉離れして、それがきっかけで左下腿が蜂か織炎っていうのになりました。外傷が無かったので採血して血糖値を調べたんですが正常でした。つい3日前からは右下腿にも腫れが出てきました。どうして腫れるのかわかりません。ただ共通してるのは腫れる前にバーベルスクワットしたんです。御回答宜しくお願いします。 
    

ご利用ありがとうございます。

左の上腕が運動後に痛い、ということで上腕に痛みが出る原因を探ってみましょう。

@上腕そのものに異常がある場合
A上腕から肩、そして頚部にかけて異常がある場合
Bその他

整形外科的に良くある疾患として、胸郭出口症候群というものがあります。体幹から腕が出て行くときに、胸郭の部分で神経、血管の圧迫症状が出ることがあります。
またバーナー症候群に代表される頚椎での神経の圧迫の可能性も否定できないでしょう。
いずれにせよ、自己判断することなく、一度専門家の診断を仰ぐというのがベストな方法だと考えます。

診断がついて原因がわかれば、どのようなトレーニングを組んでいけばよいのかわかります。
(私どものメディカルトレーニングも、医学的原因を明らかにした上でリハビリテーション的トレーニングを含めた格闘技用のメニューを組んでいるのが特徴です。)

蜂か織炎とは、細菌が皮下組織にまで進展して起こる感染症です。
傷口から細菌が感染してしまうパターンが多いんですが、中にはまったく傷がないものもあります。毛穴から細菌が進入してしまうケースもあるようです。
血糖値が高い場合、細菌が増殖しやすいので血糖値を調べたのだと思います。確定的なことはいえませんが、バーベルスクワットで局所の血流が増え、筋組織が破壊されたという環境が細菌にとって増殖しやすいものだった可能性はあります。
適切な処置と治療がなされ、
格闘技へのスムーズな復帰をお祈りしています。

16、フックによる指の付け根の損傷
日本拳法公級の男性。21歳です。戦績は、1勝3敗です。今年の春3月ごろ、サウスポー構えから、左フックで相手の面金を直撃し、左手の人指し指付け根が左右につぶれるというか、膨らんで元に戻りません。病院では先生は診察とレントゲンで骨には異常ないから大丈夫といいました。しかし、左の強打が打てず、使い物になりません。こういうときは、どんな体操ストレッチがいいでしょうか?PNFというのがのってますがこの場合これは使えますか?

打撃系、組技系問わず、指の怪我というのは多く見られるものです。

格闘家にとって大切なのは、指の機能を元のレベルまで回復できるかという点です。指の動き、力、器用さを取り戻し、試合で支障がないレベルまで引き上げなければなりません。

格闘クリニックでは、指の損傷の場合、急性期が過ぎましたら可動域をアップする訓練、筋力トレーニング、そして神経系のトレーニングを開始します。
可動域の訓練としてはやりストレッチが中心となります。
お風呂に入ったときに、右手で左の指を支えながら、ゆっくりと動かしていきましょう。息を止めず、ゆっくりはきながら行うのがコツです。

もちろん当サイトにあるPNFも有効なストレッチ方法のひとつです。特に損傷のある場合、PNFストレッチを行うことが多いです。応用してみる価値は十分にあるかと思います。
ストレッチと筋力トレーニングをかねたお勧めの方法として、テーブルにタオルをおいてグー、パーをしながらたぐり寄せてくるギャッジというトレーニングがあります。
慣れてきたらタオルに錘などを置いて負荷をかけると良いでしょう。
そのほか、ボールを用いたグリップ運動、輪ゴムを用いた指を開く運動なども効果的です。

回復と共に打撃の練習を行うと思いますが、そのときはサンドバッグのような重たくて固いものは避けて、軽く柔らかいものから慣らしていってください!

リハビリ的トレーニングはサンドバッグやミット打ちに比べてとても地味ですが、回復して闘っているところをしっかりイメージしてやってみましょう。

ご回復をお祈りしています。

ありがとうございました。とりあえずお風呂で指を動かすのと、タオルを置いて手繰り寄せる方法を使わせていただきます。9月にまた、初段を受験するのでがんばります。ありがとうございました

17、ダンベルトレーニングと両肘の痛み
こんにちは。女性38歳です。20年ほどエアロビクスをしています。
長文ですみませんが、よろしくお願いします。

症状は4日前に筋トレでダンベルをした翌日から座ってるだけで両腕がだるく重苦しく痛みはじめました。

最初は肘を内側に曲げようとしても全く曲げられずコップももてない状態で、はしももちあげられないので食事も大変で飲料水はストローで飲んでいました。

冷やしてみたのですがあまり痛みは変わらず、暖めてみたら今度は痛みが増し夜も眠れなくなったので病院にいってみました。

ところが、ダンベルでいためたと看護婦に話たら、医者は全く診察する気がなく患部も見ず暖めて電気をかけてマッサージと言われたました。

そこで経過を話したら今度は「患部を冷やすなんてばかじゃないの?!しかもこの年でこんな事で病院に来るなんてあんた最低だ!」と訳もわからず怒鳴りはじめたので、結局治療を断って帰ってきました。

それでも痛みがひどかったので、今度ははり灸院にいってみたら両肘の外側がひどい炎症をおこしていて右の方がひどいですねと言われ、はりをしてもらいました。最後にもし痛みがひかなかったら、外傷なので整骨院の方がいいかもしれないですねと言われました。

今は肘を半分くらいまで曲げられるようになりましたが、まだコップをもって口までもっていくことができないのと、重苦しい痛みがあります。

痛みに加え病院で罵倒され精神的にもちょっとまいっているのですが、やはり別の病院で再度見てもらった方がよいのでしょうか?
それとも整骨院等の方がよろしいのでしょうか?
アドバイス何卒よろしくお願いします。

度々、申し訳ありません。その後の症状で気になる点があり追記させて頂きます。

今日肘が曲がるようになったので鏡で患部を見てみたら、
肘頭の部分が両腕ともぷくっとふくらんでいました。
小さいたんこぶのような感じです。
特に右の方が大きく先が少し赤くなっており、今日右手の中指と手の甲にしびれを感じました。
痛みの方は強く曲げるとそのふくらみの部分が両腕とも傷みます。

そういえば、はりの方も少しぷくっと腫れて熱をもってるみたいですねとおっしゃってたことを思い出し、追記させて頂きました。
重ね重ねすみませんが、何卒よろしくお願いします。

いろいろと大変だったようですね!

大きな病院にいくと、どの医師に見てもらえるかわかりません。特に時間外の場合は、当直医にかかることになりますから患者さんがわからしてもあたりはずれが大きいというのが今の医療業界での現状なのかもしれません、、、。

さて肘の状況ですが、少なからず炎症があることが予想されます。
炎症が起きているときの4つの代表的な症状というのがあります。それは「疼痛(痛み)」「腫脹(腫れ)」「発赤(赤くなる)」「熱感(熱をもつ)」の4つです。

このような状態の場合、急性期(怪我してすぐ)にRICEという応急処置を行わなければなりません。
実際のやり方は格闘技医学のコーナーをご覧いただければと思います。特にI(アイシング)は重要で、「急性期は冷やす」というのはスポーツ医学、トレーニングの世界でももはや常識です。

応急処置をちゃんとやりながら、傷めた部分(この場合肘)の炎症を治さなければなりません。
湿布や塗り薬、炎症止めといったといったものは医療機関でしか処方してもらえないので、やはり最初は診断をかねて専門のドクター(スポーツ外来もしくは整形外科)にかかってみるのがベターかと思います。

専門のドクターならば、きちんと事情を説明して礼儀正しく接すれば診てくれるのではないでしょうか?

患者様にひどい対応をする医師がまだまだいるのですね。
私自身家族が病院にかかるとき、一緒に同行することがあるのですが、何度かいやな目にあっています。

私も医師として選手に、また患者さんに接する時には最大限対応に気をつけようと思います。

今回のことでめげることなく、健康でいていただきたいと思います。

お礼が遅れまして申し訳ありません。丁寧なお返事有難うございました。

炎症の症状4つどれもあてはまり、先生のご説明を伺い非常に納得かつ精神的にも大変安心致しました。

その後の症状ですが、1週間痛みが続き、熱をもっているようなので、冷やして炎症剤を塗っておりましたら、痛み、腫れともひき、今は少し左に違和感がある程度にまで回復致しました。

でも、痛みがある間は精神的にも肉体的にも本当にまいっていたので、先生の言葉は心にしみました。今度外傷があったときは、先生のアドバイス通りスポーツ外来をきちんと調べて行こうと思いました。本当に有難うございました。

18、肘骨折後のリハビリ(カラテ)
初めましてよろしくお願いします 27歳男 極真空手暦10年 軽量級 3級 アメリカに在住しています
今年の2月にライトスパーリング中に自分の出した突きが伸びきった時に相手の突きが腕に当たり、左肘下の2本の骨の小指側を骨折、親指側にひびが入っている状態になってしまいました。 
5月まで約2ヶ月半ギブスで固定しました。
6月半ばにギブスを外して始めてスパーリングをしたのですが、軽い蹴りをブロックした時に激痛が走りました
その後、3週間ほど固定して、今ではまた肘を伸ばせるようになりましたが、左の突きをミット等に打てばまだ痛みが走ります 左腕の筋肉は随分落ちてしまいましたし、手首の筋肉は既に無い状態です。
現状の痛みは腕の筋ではないのかと思っています。どのようなリハビリをすればいいのでしょうか?アドバイスをよろしくお願いします。 
押忍

遠くアメリカよりのご利用、ありがとうございます。

おそらくは2ヵ月半および3週間の固定期間で、前腕の筋力と可動域が大きく低下してしまったと考えられます。
骨折の治療(骨の癒合)のためには固定が欠かせないのですが、固定後は低下した筋力を徹底的に戻し、動きを回復するという作業が必要になるのです。

固定が外れますと、ついその開放感から全力で運動したくなるものですが、外したばかりでとても弱くなってしまっていますからコンタクト系のスポーツにいきなり戻るのは危険です。

そこでいわゆるリハビリ的トレーニングが必要となってくるのですが、
基本的には肘、手首のストレッチと筋力強化よりスタートしてみるといいと思います。
実際、私どものメディカルトレーニングでは、グリップ強化を特に重視しております。グリップを行うことで、肘から先の筋肉が総動員され、筋へ有効に刺激を与えることが出来ます。柔らかいボールを握ったり、タオルを寄せてくるといった方法です。
これらに加えて、チューブトレーニングも効果的といえます。チューブは負荷を自在に調整することが出来る利点があります。とくに筋力が戻りきっていない段階では、ウエイトを扱うと危険が伴うこともあり、ツールを選ぶことも重要です。

ミット打ちの前に、骨折前の筋力の90パーセントくらい(大体の感覚でいいです)が戻ったら、柔らかいものから打っていくようにすると確実に復帰が可能だと思います。

今は不安もあるかと思いますが、確実に良くなって復帰されることを願います!!

19、小指の脱臼(テコンドー)

初めまして。
テコンドーを習い始めて1年目の19歳、女です。昨年のことなのですが、パンチの練習中に左小指の付け根を3回ほど脱臼しました。一ヶ月の固定とリハビリを行ったのですが、実はリハビリに行けない状態になってからそれっきりになっています。今は前より可動範囲が狭いものの普段は痛みもありません。ただ手を握った時に付け根の盛り上がり(?)がなく、小指が浮いてしまうので少し心配です。放置してしまった自分が悪いんですが、今から病院に行っても遅いでしょうか?

場違いな質問でしたらすいません・・。

こんにちは。

ごぞんじの通り、指の脱臼はなかなかたちが悪いです。
脱臼を整復(元に戻すこと)しても、靭帯が癒合するまでは一定の期間固定、その後はリハビリのより可動域および筋力、のトレーニングで機能回復を行う。ここまでが通常の医療です。
格闘家の場合、さらにゴールが高いわけですから、これらに加えて再受傷の予防のトレーニング、神経系のトレーニングを行わなければなりません。

さて、今から病院受診ですが、
現在の状態を知るという意味で受診することは意味があるでしょう。

ただ、今後のさらなる回復に向けては自分で行う場面も増えてくると思います。
可動域訓練と筋力トレーニングを中心に行ってみるのも一案だと思います!


20、試割による尺骨骨折

始めまして、37歳で総合系の空手を行っている男です。
先日全国大会を前にして試し割でブロックを割った際勢いあまって土台に上腕をぶつけ右腕の尺骨が折れてしまいました。断面が斜めな為固定が出来ないことから現在プレートとネジで固定しています。このまま骨融合が順調に進んだとしていつ頃にパンチや投げられて手をつくような状態に耐えられるようになるのでしょうか?またそれは1年半〜後プレートを外してからでないと試合等は無理なのでしょうか?あせってもしょうがないのですが・・・気になってます。よろしくお願いします。

はじめまして!

とても痛そうなお話です。
プレート固定されたということですが、あくまでもプレート固定は骨折面を合わせて骨癒合を促進するためですから、
やはり現実的な復帰は、骨癒合がおきて、新しい骨ができ、骨折部が強化されてからになるかとおもいます。

8週から12週くらいに骨癒合がみられますが、その後も筋力強化をはじめ様々な強化をやらなければいけません。
プレートは特に外さなくても良いとはおもいます。

試合復帰の前に、
軽い運動復帰(ノンコンタクトスポーツ)を行い、問題なければ右手なしの練習復帰、右腕強化と共に、徐々に練習にもどるという大まかなプランを考えたとして少なくとも数ヶ月はみておいて良いでしょう。

今できることを最大限にやりながらあせることなく辛抱強く復帰へ向かって欲しいとおもいます。

お返事ありがとうございます。会社や家族等周りに迷惑を掛けへこんでいましたがプレート除去をまたず除じょに練習できると考えたら気分が楽になりました。一度の怪我が原因でいままで積み上げたものがゼロになるようで心配でしたが、先生のおっしゃるとうり今出来ることを行い回復をまちたいと思います。ありがとうございました。

21、上腕骨骨折と治療方針
昨日保育園の鉄棒から落下し受傷。園の職員に連れていかれた病院では非常に難しい部位で癒合の可能性が五分五分で手術の可能性ありといわれました。心配なの手術をすれば合併症なく治るのか?成長とともに経過をみるとは不幸な場合、何歳くらいに後遺症症状が現れるのか等など心配です。現在半分のギブスです。園での事故のせいで園側がこちらで病院のつれていき後はみますからと言われるのですが日常生活での注意点等はどうでしょうか?
いろいろと不安でどうぞ宜しくお願いいたします

大変な怪我でしたね!

お話では、現在手術ではなく、固定による保存療法が行われているということですが、これでうまく癒合すれば、わざわざメスを入れる必要はないと考えます。
主治医の先生の判断で、おそらく癒合が期待されたほどでなければ場合は、手術の選択をされるでしょうから、今はとりあえずギプス固定に専念し、日常生活でも固定がずれないよう心がけることが一番だと思います。
また、栄養として、カルシウム、ビタミン、たんぱく質を中心に十分とって、癒合に備えて材料を補給するとよいでしょう。

癒合がまったく無理なら、すぐに手術だったと思いますが、そうでないということは癒合の50パーセントにかけてみているのでしょう。
合併症は、どんな場合もリスクとしてあります。しかし、リスクよりも医療的効果が勝ると判断した場合に手術を決定するでしょうから、そのあたりのところは良くドクターの考えを聴いてみるとよいでしょう。

心配は尽きないとは思いますが、
娘さんのご回復を心からお祈りしています。

22、拳の鍛え方
自分は、4回戦のプロボクサーです。
実は、自分はもともと、手を握った時に中指の骨だけがかなりでっぱっていて、
サンドバッグなど打ち続けていると、そこだけに激痛が走ります。基節骨とゆうやつですね。ナックル部分の、指の第三間接の骨です。
そうなるとバンテージをまくだけでも耐えられないくらい痛くなります。
普段は、吸収剤をまいて、なるべく中指の骨と他の指との「骨の高さ」の差を埋めるようにしています。
今までそうやってかばいながら、だましだましやってきました。
でもいっそのこと、痛みを我慢して叩くだけ叩いて拳を変形させたほうが、楽なんじゃないか?と。ナックルを平らにして、衝撃を分散するようにしたほうが。

空手の人の拳は、日々の鍛錬で平らになっていて、拳を鍛えるための訓練もやると聞きます。
どんな方法で鍛錬したら良いのでしょうか?
また、鍛えるというのは、医学的にみて可能なのでしょうか?

ご利用ありがとうございます。

打撃の際に活躍する、ナックル、拳頭の部分は基節骨と中手骨の関節部分にあたります。
普通、何もやっていない人が拳を握ると、人差し指部分と中指部分は平らになりませんし、拳頭部分より第二関節部分が前に出てきてしまいます。
拳を鍛える、ということは、@拳頭を平らに近づけ、A握りこみを大きくするために握力を強くし、B拳頭がヒットした状態で体重を乗せられる強い手首を作る、ことと考えることができます。

そのような観点から考えますと、カラテでみられる拳たて伏せは、理にかなった鍛錬法だと思います。
中指部分と人差し指部分で床を捉え、少しずつ体重をかけていく。その際に小指と薬指をしっかり握るようにしていくと手首のぐらつきが少なくなります。

ボクシングやキックでは、バンデージの上からグローブをするため、素手を鍛える習慣のない選手も少なくないようですが、当たった瞬間の握力と手首の安定が強いパワーを生みますから、腕を伸ばして拳に体重をかける練習は意味があると思います。

物をたたく方法もあるのですが、一気に硬いものをたたくと拳を壊してしまいますから、ゆっくりとやわらかいものからトライしてみてください。

あなたの場合、もともと中指の部分が大きく突出しているということで、中指部分に負荷が大きくかかってしまうようなので、練習の段階からの工夫と練習内容の見直しが必要でしょう。
同じパンチでも、サンドバッグを打つのとミットを打つので反作用は大きく異なります。サンドバッグのほうが反作用は大きく、拳をいためる可能性は高くなりますから、試合前などはなるべくミットや軽くてやわらかいバッグをたたくようにアレンジする、また打った後はアイシングや炎症を抑える処置をして拳をいたわることが大切です。

拳たて、握力強化、リストの強化、練習のアレンジ、練習後のケア、テーピングやバンデージの工夫などを軸に、がんばってみてください!


23、リストの強化

はじめまして。
いつも楽しく読ませていただいています。

 私は26歳になる会社員で、体調維持と減量(主に体型改善)のためにキックボクシングを一月前からはじめました。

 先日、練習中に左手の手首を痛め(ミット打ちの際、フックがそれてミットにひっかかり、手首が逃げてしまった)、治療をしていました。患部は、病院の先生によると左手首のくるぶし(?)のような骨あたりから肘付近へ走る、延ばす方向へ作用する筋肉を痛めているとのことでした。確かに、その部分の筋肉のハリを感じました。
 痛みがあるのは手首付近で、痛めた時は手首をひねることもできませんでした。いまでは腫れもひき、普段の生活には支障はないのですが、手首を複雑にストレッチすると、左手首のくるぶし(?)のような骨付近から、だいぶ痛みを感じます。どちらかというと、スジが張ってしまうような痛みのように感じます。
 怪我から、すでに3週間経つのですが、いまだ痛みは消えません。可動範囲はだいぶ戻りましたが、左ストレートのインパクト時など、手首を内側にひねりこむ動作にはまだ違和感と多少の痛みは感じます。
 キックボクシングをはじめたばかりで、楽しさを感じ始め、当初の目的からは外れるのですが、ライセンス取得に向けての身体つくりをスタートしたところでのアクシデントに、ちょっとショックを受けています。

「リハビリは痛みを伴う」と聞いたことがあります。いまは無理をしない程度に、入浴時などに患部を温め、痛みのある方向へゆっくりとストレッチをしています。が、日に日に可動範囲の増えていった時期を過ぎ、いまでは治癒の停滞期と感じざるを得ない状態です。
 このまま、ストレッチを続けるべきなのでしょうか。それとも、完全に可動部を休ませて、スジ(腱)をいたわるべきなのでしょうか。
 また、インパクトトレーニングを控えるかたわら、手首が痛まない角度での腕立て伏せや腹筋といったトレーニングをしています。腕立て伏せも、腕の筋肉を使うので、続けていいものかやめたほうがいいものか、迷っています。

 あせらないでがんばろう、と自分を言い聞かせるのですが、練習を楽しいと思えるうちに、身体にある程度のキックボクシングの型をしみこませてしまいたいと思っています。

 アドバイスを頂けますと幸いです。

詳しい情報をいただきまして、誠にありがとうございます!

傷めてしまった部位へ、どのように運動負荷をかけていくかという課題は大変難しいものがあります。

まったく負荷をかけなければ、炎症は収まりやすいのですが、練習になりませんし、逆にいきなりハードな負荷をかけますと、炎症が治らない上に、怪我が慢性化してしまい、強くなるためにはじめたのに怪我により悪くなってしまうという状況に陥ってしまいます。

怪我の部位や程度によって差はありますが、
私どもでは、まずいためた場合は少なくとも3日間のRICEと消炎を行っています。これをやらずに無理をすると怪我がひどくなってしまうので、これはDUTYといってもいいでしょう。腫れがひき、炎症が治まったら、リハビリです。
ストレッチと筋力強化を無理のない範囲で行い、可動域、筋力の回復が見られたら、徐々に実際のフォームに移っていきます。いきなり強い力で硬いもの、重いものを打つのではなく、タオルなど軽く反作用の少ないものから打っていきます。スパーリングではいためたほうの腕は使わずに、キックだけでスパーをやるといった工夫が必要でしょう。

現在、まだ痛みが出ているとのことで、どの程度の負荷をかけたらいいかという問題ですが、現在行われている腕立て伏せは痛みの出ない範囲であれば続けてみてもいいと思います。(やりすぎには十分ご注意ください。)また直接手首に負荷のかからない、腹筋や体幹、下半身や首にトレーニングはどんどんやって行くべきでしょう。

手首に関しては痛みが続く、以前とは違う痛み出る、腫れや運動性が出る、といった状態ならきちんとドクターのチェックを受けるべきでしょう。

痛み、筋力も改善傾向にあるようなら、今から1ヵ月後くらいにフルパワーで打てるように、きちんとゴールを設定してあせらずに回復のためのトレーニングと消炎を含めたケアを続けていくとよいでしょう。

リハビリには痛みが伴いますが、その痛みを緩和して、身体をいたわってやることもあわせて医療だと思います。
無理ない範囲でトレーニング、そして手首のケア、という形で粘りづよくがんばってみてください!

回答ありがとうございます。
 あれから、ゆっくりですが回復(痛みのでる範囲の縮小)傾向にあるのを自分でも感じられるようになってきました。
 過剰な負荷やインパクトを、アドバイスどおり控えめにし、1ヶ月単位での回復目標を据え、練習していこうと思います!
 いま、ランニングやシャドー、キックを中心に練習しています。
 試合の成果などが出ましたら、また報告させていただこうと思います!

 ご回答、ありがとうございました!


24、手首腱鞘炎の原因と対策
はじめまして。私はジークンドー、ムエタイを習っている18歳の高校生で性別は男です。お聞きしたいことがあるのですが、実は1年以上前から手首の腱鞘炎(親指側の下)に悩まされています。状態はと言いますとサンドバッグやミットなどにパンチを打って当たった時に先ほど言いました場所に痛みが出ます。痛いのは当たった瞬間だけで、普段は何ともありません。あとは先ほどの手首の親指側を上にして荷物などを持ち上げる時に痛いです。こういった症状が出始めた当初は気にしていませんでしたので、指導者の方が「痛いのなら無理はしないでいいよ。」とおっしゃってくださった時にパンチを打つのをやめてキックやその他の練習をしたりという程度でした。これといった適切な治療などもしていませんでした。しかし最近になって(といいましても去年の今ごろですが)初めは接骨院に行っていたのですが、自分も含め先生も腱鞘炎だということがわからなかったらしく、曖昧なことを言ってごまかすだけで、問い詰めてもはっきりとしたことは言ってくれませんでした。なので自分の手首はどういう状態なのかはっきり本当のとこを知りたかったので、近くの大学病院の整形外科で診てもらいました。するとその先生はいろいろと詳しく、私が武道をやっていて・・・と説明すると触診をして腱鞘炎だとすぐに診断してくださりました。また念のためにといい手首のレントゲンも撮ったくださりましが異常なしとのことで、診断は軽い腱鞘炎だということでした。そして「2週間ほど冷シップを張って練習はせずに安静にして、それでも治らない場合はまた来てください。」と言われ安静にしたのですが、いざ練習を再開しパンチを打ってみると、最初の何発かは痛くありませんが、何度か打っているとやはり痛いままでした。そこでインターネットを使っていろいろ調べたのですが、これといった治療法はないようで、「シップだけでダメな場合→固定→注射→手術」といった感じだと記載されていました。それで結局私はその後また病院には行ってません。そこでどうすればよいのかお教えして頂ければと思います。また腱鞘炎の原因はパンチなどによる負担以外に私はよくパソコンをするので、キーボードの打ち過ぎというのもあると思います。あと握力が40前後程度しかないのもあると思います。やはり握力、手首などをもっと鍛える必要があるのでしょうか?このことがずっと重荷になっていて練習がはかどらず真剣に悩んでいます・・・お教えして頂ければありがたいです。よろしくお願いします。

こんにちは!

ご利用ありがとうございます。

あなたの場合、2週間の安静のあと、練習でパンチを打ったら痛みが出たとのことで、原因は2つ考えられます。
ひとつは、フォーム。
パンチというのは、手で打つように見えますが、実は身体の重心移動や体幹の動きを肩、肘、手首、拳に伝える動作といえます。
拳のミットへの当たり方がおかしかったり、握りがおかしく手首が曲がっていたりすると腱や腱鞘をいためる結果となってしまいます。もう一度基本に返り、正しいフォームを身に付けてから、物を打つようにしないと、結局これの繰り返しになってしまうのではないでしょうか?
もうひとつは負荷が合っていないこと。
2週間の安静で痛みがなくなったということは、間違いなく安静で炎症が治まったということです。
それを再開する際、いきなりパンチを打つということは、急激な運動負荷が手首にかかったということになります。
ノンコンタクトで練習し、軽くてやわらかいものから数日間かけて徐々に硬いものへ変えていく必要があったかもしれません。また筋力も2週間の安静と、しばらく続いていた腱鞘炎のために落ちている可能性も高いです。
筋力が落ちますと、当然手首の支持が弱くなってしまいますから、手首を傷めやすくなります。

ひとつの目安として、
@フォームを見直し、
A拳たて伏せを50回くらい問題なくできるようになってから、
B軽い負荷でパンチをはじめる
という過程を通ってみてはいかがでしょうか?
ドクターは、ちゃんと診断し正しい治療をしてくれているようです。必ずドクターの指示に従い、病院にいくことも忘れないでください。

25、合気道と手首の怪我
はじめまして、ローリーと申します。約2年近く手首に痛みがあり、稽古を休んでいます。長くなりますので、下記のようにまとめます。

1 性別  男
2 年齢  30歳
3 格闘技 合気道 歴3年 週1回3時間程度の稽古
4 怪我や病気の状態
@ 怪我をした日 平成15年4月28日
 A 怪我をした状況
・合気道の稽古で、右手首を痛める。
・肩、肘、手首で「コ」の字を作り手首を極める
(養神館では3箇条と呼んでいます)
A 初期の治療内容(整骨院にて) 
・神経断絶まではいかなかったが、重度の捻挫と診断
・1ヶ月近く手首を固定
(薄い段ボールのような紙を巻き、その上に包帯で固定)
  ・主な治療内容 氷で10分間冷やし、お湯の中に音波をあてる
   機械で温め、その後マッサージ
B 子どもの誕生 平成15年5月22日
  ・手首が痛むまま、子どもを抱き、悪化させる。
   違和感が両肘、左手首にも。
 C 整形外科にてレントゲン・MRIを受ける 平成17年2月12日
  ・異常なし
  ・血液検査でリュウマチも調べるが異常なし
  ・「怪我をして2年近く経ってこの状態なら、後遺症なので
   治らない。整骨院に行っても意味がない」と言われる。  

 手首を痛めた私が、関節を極める合気道を続けるのも、微妙なものです。
将来子どもと一緒に稽古ができたらと思い、リハビリの方向性を教えていた
だければ幸いです。
 よろしくお願いいたします。

こんにちは!

手首のように合気道でよく使う関節の怪我や障害は、なかなか辛いですね。

今後合気道をやるにあたり、問題になってくるのは、
@どの方向の動きをどのくらいやっていいのか、
A練習後のケアをどうしたらよいか、
という点に集約されると思います。
まず@ですが、
手首の後遺症といいましても、痛みが出る方向とそうでない方向があると思います。
痛みが出る方向に関しては、可動域(動く範囲)を意識的に制限してやらなければなりません。痛みが出る手前の角度でアイソメトリック(筋肉の長さを変えずに筋力を強化する)トレーニングをスタートし、体に安全な範囲を覚えさせる作業が必要になってきます。
また、テーピングでリストを保護し、可動域を制限することも大切です。テーピングの方法ですが、これも痛みが出る範囲や方向を十分考慮して、テーピングするようにしましょう。
練習後のケアですが、かならず練習後には、RICE処置と湿布、塗り薬を使った消炎鎮痛、場合によっては内服の消炎を行いましょう。
なかなかめんどくさいかもしれませんが、十分にケアしていくにはこまめなケアが何より大切です。

リハビリの方向性として、
リストの評価、
筋力強化と可動域制限、
テーピングなどの固定、
トレーニング後のケア、をまず行い、
症状が少なくなってきたら出来る練習を増やしていく、というプランが良いでしょう。

あせらず、回復に向けて頑張ってください!

26、組手の際の手首の骨折

先日、小3の娘が組手練習中に右手ひ骨遠位端というところを
骨折してしまいました。
全治6週間で現在3週間経過しました。
子供なので、つきもよく昨日の診察では医師からは、石灰化(?)してるよといわれました。
本格的な練習はどのくらいたてばできるのでしょうか。
大会の季節にもなるし、2週間後には審査もあるので、本人も
私も気になっています。
また、骨折した部分がまたおれてしまうようなことはありませんか。
どうか教えてください。

本格的な練習、にいたるまでの過程が重要かと思います。
練習に入る前は、右手首のリハビリを兼ねた筋力強化とストレッチング。そして下半身を中心としたトレーニングの開始。
筋力がある程度もどったら、まずは右手を一切使わない練習スタート。念のため必ずテーピングでリストを固定するべきです。
次の週は、右手は軽くタオルや柔らかいボールなどにコンタクトする。
それで問題なければ、徐々に重たいもの、硬いもののチャレンジしていく。
この過程をとおって問題なく本格的な練習復帰が可能となります。

大会や審査が近いこともあり、ご本人はおそらくあせっているに違いありません。
そういうときこそ、大会や審査のチャンスはまだまだあること、今はゆっくり怪我の治療をやりながら、ランニングや水泳といった怪我に影響の少ないトレーニングにチャレンジする時期であることを是非アドバイスしてあげてください。

27、肘のオーバーレンジ
こんにちは。
最近、肘がおかしくなりました。
以前から肘を完全に曲げきった状態から肘をもどすと「ポク」と音が鳴るようになっていたんですが、最近になって手を壁に着いた状態で肘を伸ばしきると(僕は腕が反るくらい伸びます)ポクと小さくなって肘が痛くなります。
痛くするコツがあるみたいで、意識的にそれをやっても痛くはなりません。
格闘技をやっているわけではなくてシャドーとかのマネとかやってただけなんですが。あとチンディップスタンドとか20キロのダンベルとかを買ってウエイトは本格的にやっていました。

こんにちは!

肘関節の可動域は個人差が非常に大きく、
まっすぐの状態(ゼロ度)をオーバーしている、俗に言う「猿腕」状態のひとも少なくありません。

このタイプの人は、パンチなどを打つ際に肘を完全に伸ばしきってはいけません。
完全に伸ばしてしまうと、肘に大きな負荷がかかり、関節や靭帯を痛めてしまうからです。
また、伸ばしきってしまうことで相手にも力が伝わりにくくなってしまい威力も落ちますから、肘がそる状態の選手には、筋・神経の再教育のプログラムとして、パンチの際に肘が伸びきらないようにフォームを改善したり、屈曲や回内を十分強化してオーバーレンジにならないようプログラムしていきます。
ですから、肘のオーバーレンジに注意するだけで肘をいためるリスクは低くなることが予想されます。

肘を痛めないように正しいフォームを身につけ怪我の予防を十分行って欲しいと思います。

28、右小指側拳の痛み(ボクシング) 投稿者:みこぶ 投稿日:2005/06/02(Thu) 17:46 No.1016
ボクシングを始めて一ヶ月の初心者 女です
右ストレートを打つと右拳の小指の腱?骨?の真ん中あたりが痛みます
そこを押すと特に痛くて拳を強く握るとプクッと豆粒くらいのふくれがでるような気がします
ちゃんとまっすぐヒットしていないせいでしょうか?
又対処法はどうしたらよいでしょうか?
練習はできないのでしょうか?
宜しく御願いします

こんにちは!

格闘技を始めたばかりのころは、

身体を痛めたときに、
「格闘技だから仕方が無い怪我で我慢すべきもの」であるかそうではなく「受診や治療が必要な怪我なのか」の判別がつきにくいものです。

今の状態はおそらく、パンチを打った際に小指に大きな負荷が集中した結果生じている可能性があります。
まず、今のフォームが正しいものかどうかをジムのトレーナーにきちんとみてもらってみることをお勧めします。

右ストレートを打つのをやめても痛みが出るようでしたら、それは診断や治療が必要な怪我の可能性が高いですから、一度医療機関を受診して専門家の判断を仰ぐといいと思います。

ボクシングにおいても、拳がバンデージやグローブで保護されているとはいえ、拳の損傷にリスクは常に付きまといます。ハードパンチャーになればなるほど、手も傷めやすくなりますから、今のうちから正しいフォームの習得と同時に握力や手首の強化を行いながら強くなってほしいと思います!


29、肘の靭帯損傷とリハビリ(カラテ)
 投稿者:翔 投稿日:2005/06/19(Sun) 19:42 No.1027
はじめまして。今年二十歳になった大学生で、半年ほどフルコンタクト系の空手をやってました。
もう半年ほどブランクがありますが、最近打撃系の格闘技をまた始めようと思っています。
しかし、今年の冬にスノーボードでの転倒で左肘の靭帯を損傷してしまいました。現在曲げ伸ばしは何の問題もなく行えるのですが、スピードをつけて伸ばしたり(ジャブのような感じ)、肘の内側を伸ばしたりするとまだ痛みが走ります。医者は放っておけば治ると言っているのですが、このまま放っておいて良いのでしょうか?
それともまだ特別なリハビリが必要なのでしょうか?

こんにちは!

神経の損傷や靭帯の損傷は結構ダメージの回復に時間がかかるのもです。

ですから、格闘技再開に際して、肘を伸ばしきらないで動く、ことがあなたにとって必要なテーマになってくることを忘れないで下さい!

肘関節を中心とした筋力強化、
特に屈曲、回内、回外をメインに行ってみてはいかがでしょうか?
ペットボトルの端っこをもって肘から先を動かすだけでも結構なトレーニングになると思います。また、パンチを打つ際にどの角度までは問題なく出せるか、それをゆっくりと探す作業の過程で様々な発見があると思います。

問題点はさらに強くなってしまう点。そう考えて確実にトライして欲しいです。

格闘技再開、たのしみにしています!


丁寧な回答ありがとうございましたm(_ _)m
焦ると逆に悪化してしまいそうなのでゆっくりと確実に治していきたいと思います☆