海外からの緊急参戦!ウ゛ァージル・カラコダ選手@格闘技メディカルトレーニングクラス9/9
格闘技メディカルトレーニングクラスに、9/4Kー1MAX世界王者対抗戦に勝利した、南アフリカのウ゛ァージル・カラコダ選手がやってきました。
実は、9/16に韓国での試合を控えているカラコダ選手。調整その他でいそがしい中、トレーナーのケビンさんと共にわざわざ見学に来てくれたのです。
トップ選手の集まるスーパーサーキットトレーニング、九月メニューはいままでの中でももっともハードなもの。
毎度、「おりゃー」「絶対勝つ!」【気合い】のガソリンと、「しんどいときは笑おう!」「スマイルスマイル!」【笑顔】の酸素を体内でスパークさせて山頂をめざします。
やはり世界で活躍している現役トップ選手が間近でみている!というだけでいつも以上の緊張感。
参加選手の動きもいつも以上にハイパーで、ハイキックいつもより高めだったような気が。
スーパーサーキットが終了すると、南アフリカの二人は、「まだこれから練習するのか?」と聞くので、サーキットは希望者のみの参加、クラス本編は今からスタートですよ、と説明すると少し驚いたようでした。
クラスはサーキットから本編に移ります。
ポジショニングや股関節・体幹を使った体重移動を数パターン、数セット行ったあと、蹴りのタオルトレーニングをやりこみました。
ふつう、蹴りのトレーニングではバッグやミットなど蹴った際に反作用を感じられるものを使用しますが、メディトレではタオルを宙ぶらりんにして使用しています。
これで、インパクトやフォロースルー、脱力、といったふだん意識しにくい要素を取り出して高めていきます!
事実、レベルの高い選手になってくるとキック一発でタオルが引きちぎれてしまうことも。
海外からのゲスト陣にもこのトレーニングが新鮮に映ったようで、ずっと各選手のキックフォームを観察していました。
特に、チャンプ西山の硬質な蹴りをみて「HE IS A GOOD KICKER!」と評価。
確かにここ一年、彼の蹴りは進化を遂げています。
すべては犠牲になってくれたタオル君たちのおかげです。
途中から参戦した女子選手三人も加わり、メニューはバランス系ITAトレーニングへと移行。いつもニコニコ笑顔のケビンさんも、トレーニングを見つめる目は真剣そのもの。やはりマイク・ベルナルドはじめ南アフリカの強豪を育てたプロの目は鋭かった。
ここでケビンさん急遽、ITAトレーニングに参加し、バランス体験。
ITAフィールドの上での軽いボクシングで脅威のバランスと身体能力を披露して、参加者からも喝采が!
それを笑いながら自分のビデオに記録するカラコダ選手。この模様を、ワイフに見せるんだそうです。
そしてカラコダ選手から一言。
「きょうはパンチのトレーニングはやらないのか?せっかくだからミット打ちのデモンストレーションやるよ!!」
いきなりボクシング元世界王者によるハイパーミット打ちが始まりました。
さっきまで笑い声が飛び交っていた格闘技スタジオがシーンと静まり返りました。参戦したファイター達は、カラコダ選手の全てにファイターとしての視線を注ぎます。
そして始まったミット打ち。
とにかく速くて音が凄い。
緩急、ではなく全てが100%の破壊力。
これ、目の前に立ったらどれを警戒していいのだろう?
警戒しなきゃいけないパンチは、おそらく全てだ。
ジャブ、フック、ストレート。そしてボディー六連打。
休む暇ないね、実際。
とまあ、とにかくすげーもの見た感じでした。
特に印象的だったのはとにかく体の真ん中に軸がしっかりあって、体幹と股関節から動いていたこと。
モーションはとてもコンパクトで無理やり打っているようなパンチがひとつもないこと。
ミット打ちの雰囲気ががリングでの試合中と全く変わらなかったこと。
短い時間でしたがそれらが特に印象に残りました。
そしてクラスはスパーリングへ突入。
参加者は、ほとんどプロの王者かトップランカーでしたからスパーのレベルもかなり高かったんですが、そこでもカラコダ選手は個別にアドバイス。
不用意にスイッチを多用する選手に、カウンターをもらうリスクを指摘。
ジャブを使わずに突っ込んでいく選手に、ジャブを打ち続けて有利なポジションを取ることの重要性を説明。
戦術に迷ったときは、止まって考えるのではなく、前の手で攻撃をしながら次に何するかを身振り手振りを交えて解説。
などなど、本人にジャストフィットしたアドバイスが与えられました。
その目は、格闘技を愛し強さを求める男の真剣さに満ちており、アドバイスを受けた選手はどんどん動きがグレードアップしていきます。
そんな時、もっともハングリーなキックボクサー、小宮由紀博選手が
「せんせー、少しだけスパー相手してもらっても失礼じゃないですかね?こんなチャンス、絶対にないっすから!」
その心意気が素晴らしいと思う。決して指示を待たない積極性。礼を尽くした向こう見ず。ここで一歩出れるのが彼が他の選手と違うところです。
「直接、自分でお願いしてみたら?熱意伝わると思うよ!」
小宮選手がゼスチャー交えて訴えると、
「OK!」
カラコダ選手もヘッドギアをつけました。
かくして、小宮由紀博vsヴァージル・カラコダのボクシングスパーが始まりました。
カラコダ選手のリズムと小宮選手のリズムが交錯し、鋭いパンチが飛び交います。
カラコダ選手のプレッシャーを全身に浴びつつ、でも鋭いアッパーを切り返す小宮選手。
わずか1ROUNDだったが、素晴らしいの一言。
カラコダ選手は、「彼のボクシングはいい」とテクニックを絶賛していた。
小宮選手も、「今まで感じたことのない感覚です、これでまた自分の中で何か目覚めそうです。」と興奮して語っていました。
カラコダ選手のジムに行ったことがある、あるキックの選手いわく、カラコダ選手のジムは実はあまり広くないそう。
狭い空間の中で、重量級ばかりを相手にガチスパーをしてきたカラコダ選手にとって下がることは、倒されることと同じ意味があったようです。
どんな相手にも負けないプレッシャーは、体重差を言い訳にせず、環境を味方につけた練習の産物だったのかもしれません。
そして常に前に出て行く彼のスタイルこそ、戦いの基本中の基本をリングで体現しているような気がします。
すべてのトレーニングが終了し、2人からメッセージをいただいきました。
ケビンさんは「とにかくハードに練習しろ。そしたらチャンピオンになれるから!」
カラコダ選手は「みなさんの練習を通じて熱いハートを感じた。みんなでチャンピオンを目指そう!」
というものでした。そして気になった選手の次の試合はいつなのか、しきりに聞いていました。
育った環境は違っても、同じく空間で汗を流せば距離が近づきます。
次ここで逢うときには全員がレベルアップしていることを約束しあって、特別過ぎるメディトレが終了しました。
格闘技メディカルトレーニングクラスでは今後もゲストトレーニングなども行っていきたいと思います。
必見!!カラコダ選手の真剣勝負。
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