内科的疾患(痛風や糖尿病、高血圧など)


1、カラテと痛風
2、高尿酸血症、不整脈とカラテ
3、糖尿病と総合格闘技
4、高血圧とプロテイン
5、めまい(ボクシング)
6、筋肉の損傷およびオーバーワークによる腎機能低下(キック)
7、プロボクサー引退後の後遺症
8、高血圧とボクシング
9、練習でのめまいなど(カラテ)
10、プロテインと尿酸(カラテ)NEW




1、カラテと痛風

フルコン再開したい38歳です。98年3月、スパーリングで胸をいためた時、数日してから足首が激痛とともに腫れ、気がつかないうちに捻挫をしたのかと思っておりました。一年後、同じように胸を痛めたあと足首が痛くなり、検査の結果痛風発作でした。おそらく前年のも痛風だったと後になって思います。96年頃から尿酸値が高い(当時9.9)事は自覚していました。リンパマッサージの先生に言わせると、胸を痛めたことにより胸のリンパが滞り、尿酸の排出がうまくいかなかったのだろうとのことでした。この意見はどう思われますか?
また、高尿酸血症については大分研究して、忌避事項も承知しておるつもりですが、筋肉をアップさせる為のトレーニングや食事は高尿酸血症には良くないのでしょうか?なお私は、大食でも大酒のみでもデブでも美食家でもありませんが、祖父や弟も通風もちなので遺伝的要素が多いように思われます。現在ザイロリックを飲んでおります。

こんにちは。
胸への打撲と痛風発作の関連はよくわかりませんが、元白帯さまの場合、背景に高尿酸血症があるため関節炎がおきやすい状態にあると思います。
関節炎は高尿酸血症を背景に関節内膜に尿酸ナトリウムの結晶が析出して起きます。ですから関節炎に対する治療と尿酸値を下げる治療は別のものになります。
尿酸を下げる治療は食事療法で高プリン食を避けるものが主体となりますが、筋力アップのための食事にはプリン体を含むものが多いですよね。たんぱく質の中でも白身の魚や大豆、鶏卵などは痛風になりにくいと言われていますからこれらを選んで食べることをおすすめします。
また水分をしっかりとることも重要だと思います。
練習中、汗をたくさんかくと思いますので、脱水に注意してください。
たくさん飲んでたくさん尿を出して尿酸排出をうながしてください。
内科的疾患を抱えている場合のスポーツは、見た目に表れにくいだけにしっかりとした自己管理と周囲の理解が必要です。頑張ってください。

2、高尿酸血症、不整脈とカラテ

42才♂週1〜2回道場で空手やってます。すぐ息が上がり苦しくなってしまいます。先日会社で受けた健康診断の結果が来まして、高尿酸血症と心電図で第一度房室ブロック、精密検査を受けなさいとの指導を頂きました。よく意味が分かりません。そのせいで息苦しかったり、疲れやすいのでしょうか?

高尿酸血症は文字通り、血液中の尿酸値が高いという状態で、痛風のベースとなります。
尿酸は、細胞の核にあるプリン体と呼ばれる物質が代謝されたものです。尿酸があまりに多いと(高尿酸結晶になると)尿酸が結晶化します。食塩水の濃度を高くしていくと食塩の結晶が析出してくる、という実験を小学生でやりますが、それと同じ理屈と考えてください。
この結晶化した尿酸は、鋭く尖った針のような形をしているため、組織に沈着すると神経を刺激し、ものすごい痛みが出ます。(昔はあまりの痛みのため足を切断していたらしいです!)
治療としては、食事療法及び尿酸産生を抑える薬を服用するのが一般的です。食事療法は高プリン食を避けるものが主体となります。白身の魚や大豆、鶏卵などは痛風になりにくいといわれています。また水分をしっかりとることも重要です。
次に心臓に関してですが、心臓は上の部屋と下の部屋、二つ(左右で四つに分かれており、上を心房、下を心室と言います。心臓を動かしているのは電気刺激なんですが、これはまず心房から動いて心室が動く、という配線を通ると考えてください。
房室ブロックとはこの配線に問題があり、心房→心室の動きのタイムラグが大きい状態と考えたいただいてよろしいかと思います。
房室ブロックには1から3度の程度があります。
心電図上測定されるこうした不整脈と運動の関係ですが、実際には心臓の動きを調べることが重要になってきます。心エコー(超音波)で心機能の評価をしてもらうとよいと思います。心機能がもし低下していれば息苦しさ、疲れは心臓に原因がある可能性が高いと思います。
また、心機能が正常でしたら、ある程度の運動負荷は大丈夫だと思います。
不整脈は日常生活に支障がなければ放置していることもありますが、少なくとも一度は精密検査をして、状態を知っておくほうが安心できると思います。

3、糖尿病と総合格闘技 投稿者:てつお
はじめまして
僕は糖尿病で総合格闘技をやっています
これから強くなりたいんです!!
この病気で気を付ける事や練習・ウェイトをする上での
注意点を教えて下さい
病状は食事療法でやっています

糖尿病って一体どんな病気なんでしょうか??
このサイトにいらっしゃる方のなかには、あまりなじみがない方もいらっしゃるかと思いますので簡単に説明させてください。
糖尿病とは、尿に糖が混ざるほど血液中の糖の濃度が高い(血糖値が高い)ことをいいます。食物が分解されて糖が血液の中に取り込まれますと、体の隅々まで運ばれて各細胞に取り込まれエネルギーとして使われます。このときインスリンというホルモンが働くのですが、このホルモンが少なかったり、量はあっても働きが悪い場合、結果として血糖値が上がるのです。
血糖が上がると何がいけないのでしょうか?いろんな問題が生じるのですが、急に起きるものですと脱水や意識障害、長期的には毛細血管の循環不全(のちに失明したり透析になったり、心筋梗塞などのリスクとなる)があげられます。ですから糖尿病の格闘家は、@普段の練習で急激な血糖の変動や脱水を防ぎつつ、A合併症を予防できるメニューを組む必要があると思われます。
実際には血糖値を適正な値に保つことが重要です。もし私があなたのチームドクターであれば練習前後の血糖値の測定を行うと思います。
そして必ず練習中は水とブドウ糖(もしくはキャラメルや飴)を近くにおいておき、脱水と低血糖に備えます。
食事療法は、カロリー計算の上に行っていると思うので続行していきましょう。決して空腹や絶食状態のまま練習されないでください。危険です。
練習内容やウエイトですが、やってはいけない種類の運動があります。それは短い時間で一気に心拍数を上げてしまうような追い込みです。
健康のためにといってやたら苦しい運動をされてハアハアいってる方がいますが、これはかえって血糖値を上昇させてしまいます!!交感神経の緊張が、副腎皮質ホルモンの分泌を促進し、血糖を上げてしまうのです。ですから集中しつつもだらだらと20分以上連続してできるメニューを組んでいきましょう。総合でしたら、軽めのスパーを長い時間やったり技術練習を繰り返す、ウエイトでは軽めのもので持久系を、自主トレならば水中ウォーキングやジョギングを心拍数が140を超えないように行っていくといいと思います。
とにかく強くなるには健康であること、が一番です。あなたの場合、しっかりとした計画の下に食事療法と運動療法としての格闘技をやっていき糖尿病の改善を実現することが強くなるための道ではないでしょうか。主治医、指導員とよく相談しながら、疾患を抱えていても格闘技ができること、そして格闘技に、病気を治す効果があることを証明してほしいと切に願います。

4、高血圧とプロテイン 衝撃波 - 2003/10/17(Fri) 21:58 No.448
30歳 男です。伝統空手と日本拳法を5年。
頭がボーとした時に血圧を測ると常に高値です。
血圧値 上160〜170から 下90〜100といつも高値です。
プロテイン飲用を続けても良いでしょうか?
血圧の薬は飲んでいません。 よろしくお願いします

ご利用ありがとうございます。

プロテイン以前の問題として、高血圧の検査、治療が必要と思われる数値です。
高血圧に関する日本の基準と米国の基準では若干数値が異なるのですが、140/90以上は何らかの治療が必要といわれています。

高血圧はなぜ体に悪いかといいますと、血管系の病気を併発するリスクになるからです。脳出血や脳梗塞、心筋梗塞、解離性大動脈瘤といった病気は高血圧がベースとなっています。早くそれらを予防していく意味でも専門医の受診をお勧めいたします。


高血圧には原因となる病態で分けますと本態性高血圧と二次性高血圧の2種類があります。本態性とは、他に高血圧の原因となる病気が全くなく、高血圧が見られる場合。また二次性とは腎臓や副腎ホルモンの異常、血管炎などの病気がベースにあって高血圧になっている場合です。

病院に行き血液検査などをすれば、高血圧の原因を調べてくれます。正しい診断のもとに、治療された方がよろしいかと思います。

また血圧が上がる原因の一つとして動脈硬化が挙げられます。カロリーの過剰な摂取は動脈硬化の要素となります。どんなに良質のプロテインをとっても全て吸収されるわけではないですから、あまったたんぱく質が脂肪に変わり、動脈硬化が進行する、というストーリーは十分考えられますから、余剰なカロリー摂取、塩分摂取は控えられた方が賢明でしょう。

5、めまい(ボクシング) 投稿者:佐藤コウタ 投稿日:2003/12/22(Mon) 15:40 No.504
私は21歳の男です。今度の一月でボクシングを始めてちょうど一年になります。しかし、つい一ヶ月前に回転性のめまいに突然襲われ、救急車で運ばれてしまいました。耳鼻科に行ったところ、少し聴力が落ちていました。その後はまだめまいが続き、頭が重く、フラフラした状態が続いています。最近はほとんど練習に行っていません。まだ、スパーに近いマスボクシング(スパーよりも大きいグローブで本気)しかやっていないので、ボクシングのせいとは思えないのですが、やはりこの症状もボクシングに関係しているのでしょうか?もしボクシングに関係していなくてもボクシングを続けるのは不可能なのでしょうか?ボクシングを続けたいので、すごく心配です。どうかお願いします。

こんにちは!

突然のめまい、大変な思いをされましたね。
格闘クリニックでもめまいに関するご質問は初めてなので非常に有意義なご質問をいただいたことになります。
めまいの原因は実はたくさんあります。
主なものとして内耳に原因がある場合(良性発作性頭位変換性めまい、メニエール病、前庭神経炎など)、脳に原因がある場合(脳腫瘍や脳出血、脳梗塞など)、内科的疾患(低血圧、貧血、不整脈、心臓の病気など)、精神的なストレスでおこるもの、などなど。

これらの原因がはっきりすれば、それぞれの元になる疾患や原因を治療していく、もしくは症状を軽くするための加療をしていくことが出来ると思います。
佐藤さんの場合は、耳鼻科に行かれたこと、聴力の低下もあることから内耳に原因があったことが推測されます。
診察をしてくれたドクターに問い合わせれば詳しい病名がわかると思うのですが、もしわからない場合や耳鼻科以外の原因であれば詳しく検査を受けた方が安心だと思います。

ボクサーとして一番に気をつけなければいけないのはやはり脳の問題でしょう。結果的に、脳の問題ではなかったとしましても、一番に「脳は大丈夫か」という視点を持つことは全てのボクサーと指導者に求められます。

めまいの原因がはっきりし、原因に対する対処がきちんとなされればボクシングを続けることは可能だと思います。ただし、「脳や心臓といった命にかかわる部分には問題がない」ことがはっきりした上で、という条件付になりますが。(たとえばめまいの原因が良性発作性頭位変換性めまいならばたくさん動いた方が早く治る、という報告もあります。)

すこし話が一般的になってしまいましたが、
どんな病気や怪我でも、それがどんなものかしっかり見極めるところから対策が始まる、ということが重要だと考えます。

ありがとうございました。参考になりました。年末にMRIをとって、今度その結果がでます。それで脳に異常がなく、耳鼻科での診察を受けて調子が良くなったら練習を再開したいと思います。会長にそろそろプロテストを受けるように言われ、気持ちに体がついていかない辛さもありますが、一生懸命やりたいと思います。ありがとうございました!

6、筋肉の損傷及びオーバーワークによる腎臓機能低下(キック) 投稿者:笹谷 淳 投稿日:2004/02/04(Wed) 21:08 No.556
MAキックの選手です。2002年にデビューして6戦5勝1敗です。  相談は試合が近くなって追い込んだ練習をしだすと疲れがとれにくくなってだるくて腰の上らへんが痛いので医者にいったら血液検査で赤血球が少なく血色素量が低くてCPKとLDHが以上に高くてキックを続けるのは危険だと言われました。僕が思うにはこの検査の前日も激しくミットとスパーをして夜はプロテインとアミノ酸を摂ったからこのような結果がでたのではと思っています。それに一般の基準値と格闘家では大分違うのではと考えたいのです。僕はもうすぐ29歳になります。小さな頃から運動おんちでいじめられっ子だった僕がやっとここまでこれたのでどんな方法を使ってもベルト獲るまでは現役を続けたいのです。どんあ検査も治療も受けます。どこに相談と診察に行けばよいか悩んでいます。どんな情報でも良いので待ってます。 

こんにちは!

ご利用誠にありがとうございます。
赤血球、血色素量が少ないことから、貧血の疑いが、そしてCPK、LDHの上昇から筋肉がぶっ壊れている疑いがあります。

一般の人とトップアスリートでは、正常値が同じものと違うものがあります。
赤血球や血色素量は一般人よりも高くないといけません。
赤血球:一般438〜577 トップアスリート 550以上
血色素量:一般13.6〜18.3 トップアスリート 16.5以上というデータもあります。
CPK、LDHは一般人と同じ基準で、それぞれ230まで、430までとなっております。
結果としてあなたの検査結果はアスリートの基準値の逆をいってしまっていることになります。

もしあなたが私の担当患者さんだったら、やはり内科的な詳しい検査をお勧めするでしょう。CPKは筋肉が壊れると上昇してくるのですが怖いのは壊れた筋肉が腎臓にたまってしまって腎不全を起こしてしまうこと。かつて百人組手をやった極真の増田 章選手は、百人組手後に急性腎不全を起こし、入院の上、透析治療を受けたそうです。あなたの場合、現在どういう状況なのかは精密検査をしてみないとわかりませんが、どんなに強い人でも内科的疾患には勝てませんから、ハードなトレーニングを控えて病院で検査を受けてみてください。
病院は総合病院の内科でよいでしょう。そこで異常が見つかれば、専門家に紹介してくれるはずです。
あなたの大好きなキックを続けてベルトを手にするためにも一刻も早く病院にかかってください。そして体の状態がわかり、不安が解消されてからでもタイトルマッチは遅くないはずです。
あせる気持ちはわかりますが、貧血があればどんなに練習してもスタミナはつきませんよ。身体に酸素を運ぶ能力が低下しているのですから、貧血も一緒に改善することがあなたの強さに結びつくことは間違いないはずです!!貧血の原因の検査もあわせてお願いしてみましょう。

大変だとは思いますが現役続行のためにも頑張っていただきたいです。

7、プロボクサー引退後の後遺症投稿者:KAZ 投稿日:2004/02/07(Sat) 00:36 No.562
昨年秋に引退した友人のプロボクサーの事が心配なのですが、現役の頃ボディの強さに自信を持ち試合でもスパーでも脳のダメージを恐れ頭部をしっかりガードしボディを打たせる戦術だったのですが、引退1〜2年前の試合やスパーではかなりのダメージと耐え難い激痛で帰宅後数時間の吐き気と試合後の血尿もあったようです。本人はボディ攻撃でのダメージはトレーニング不足の結果で恥じらうことというのですが、引退して数カ月たった今でも時々「ウッ!」のような小声で呼吸のようなへんな声を発する時があるのですが、内臓になんらかの損傷やダメージが蓄積されていることではないのでしょうか。検査を勧めてあげたほうがいのでしょうか。

こんにちは!

ご友人のお話、大変そうですね。
確かに格闘技の世界では「ボディーを効かされるのは練習不足だ」という認識がありますね。確かにそれはそれでよいと思いますが、それでは「ボディーへのダメージの蓄積はどうやって見分けるのか?」という質問に正確に答えられる指導者はどのくらいいるのでしょうか?
ボクシングでボディーで倒されてはいけない、というのは練習の際のボクサーとしての心がまえであり、ボディーにダメージが蓄積していも気にするな、というのとは全く違います。リングの上では我慢しても、リングを降りたらやはり適切な処置を施してあげないといけないでしょう。心ある指導者であればやはり分けて考えてあげないといけないと選手がかわいそうですね。

内臓に器質的なダメージがあるかどうか、やはり診察と検査を受けてみてはいかがでしょうか?
吐き気や痛みがひどい場合、内臓損傷の疑いがあります。サイトの「格闘技外傷マニュアル」に詳しくありますが、内科にかかった方が安心な状態ではあります。

消化器を中心とした内科に行けば、便の検査もやってくれます。便に赤血球が混じっていれば消化管の出血が疑われますし、腹部の超音波検査やCT検査も内臓の状態を知るには有用です。

多くの格闘家は、病院にかかることを何かいけないことのように思っているようです。しかし、自らの身体を商売道具にしている格闘家こそ細心の注意を払って体と健康に気を配って欲しいと思います。
是非お友達には、安心のためにも受診を勧めてあげてください。


8、高血圧とボクシング
19歳の選手志望がいます。競技はアマチュアボクシングです。キャリアは1年位で2戦してます。遺伝らしいのですが、若いのに高血圧らしく、練習時めまいやふらつきを訴えました。医者に行ったところやはり上が180もあったそうです。薬で現在はある程度よくなりましたが、薬で血圧が抑えられていれば試合とかやっても問題ないのでしょうか?

こんにちは!

高血圧は脳や心臓の血管をはじめとし、様々な組織や臓器にダメージを与えるベースとなる病態です。
緊張状態や、激しいスポーツでは、血圧の上昇がさらに激しくなってしまいますから、指導者の皆様としても注意を要する疾患と捉えられたほうがいいでしょう。

実際の血圧に対する治療は、血圧の定期的な測定と塩分制限や降圧薬の内服といったことがメインとなります。(高血圧の原因がある場合はその原因への対処が治療となります)
ドクターは普段の血圧や病院に行ったときの血圧を参考に薬の量や種類を調整してくれます。

高血圧のある方がボクシングはじめ格闘技をやっていく上で大切なのは、激しく動いたときの血圧を知るということです。誰でも激しく動いたときには一時的に血圧が上がってしまうものですが、その上がり方が激しい場合は、やはり脳血管障害のリスクは上がってしまいます。めまいやふらつきも高血圧時の代表的な症状ですので、本人には自覚症状があれば軽くても必ず運動を中止し指導者に報告すること、そして練習前後の血圧を必ず測定し記録、その結果を持って担当の医師に相談することがボクシングを少しでも安全に続けていくためのポイントになるかと思います。

また高血圧の薬に中には、ドーピングに引っかかるものがありますから、将来的にアマチュアの規定、プロの規定とよく照合しつつ治療を選んでもらわなければならない局面もありえることも知っておいてください。

ボクシングは脳を揺らしあう、格闘技の中でも最も激しい競技です。高血圧では出血のリスクはかなり高いですから、主治医の意見を尊重しつつ、選手ともよく話し合って対応されてください!

9、練習でのめまいなど(カラテ)
フルコン空手歴4年の28歳女子です。
最近、練習中にすぐ貧血のような症状(顔面蒼白・目眩・息切れ)を起こしてしまいます。
スタミナ不足を疑い走りこみやウエイトトレの内容を濃くしてみましたが、トレーニングの最中にさえ具合を悪くし、酷い時は普通に立っている時でさえ目眩で倒れそうになります。
病院で血液検査をしてみましたが全く異状はなく、むしろ成人女性にしては高い赤血球数及びヘモグロビン値をはじき出してしまいました。
診察した医師には「精神的なものが原因では?」と言われましたが思い当たる節は全くありません。強いて言えばこの症状のせいで周囲に気を使わせたり、自分の思うような練習が出来ないというのが非常に苦痛です。
貧血でもないのにこのような症状が出るというのはどういう事なのでしょうか?対策などご指導いただければ幸いです。
よろしくお願いします。

最近体脂肪率を19%まで落としたのですが、この事と体調の悪さは何か因果関係はあるのでしょうか?(現在162cm52s)
また試合のため6月くらいまでには50sまで減量したいのですが、それは無謀でしょうか?

軽い運動でも、めまいや息切れがおきてしまうということで、貧血以外にも様々な疾患の可能性はありえます。

例えば甲状腺ホルモンの異常ですと、
上記のような症状に加えて疲れやすさなどが見られます。
また、呼吸器系統の異常でも、顔面蒼白や息切れといった症状が頻繁に見られます。
もちろん精神的なストレスでも起こりえますが、精神的なものである、という判断は、器質的な異常がない場合になされます。

普通、病院に行っても、すべての可能性を考えて全部検査することはありえません。
一つ一つの可能性を探っていって、原因がクリアになっていきます。
大変かとは思いますが、現在の症状に悩まされているのでしたら、徹底的に原因をはっきりさせて対応されてみるのも一つかもしれません。いつも心配しながらカラテの稽古、という状態ではなかなか集中しづらいことと思います。
女性の場合、体脂肪は女性ホルモンに関係する大切な組織になります。急激な減量や過度の減量はホルモンバランスを崩し、月経不順やコンディション不良を引き起こしますから、注意が必要です。

原因がわかり、健康的に強くなってほしいと思います!

10、プロテインと尿酸(カラテ)

はじめまして。37歳の空手暦3年の男です。強い体を作るために粉末プロテインを一ヶ月間飲み続けたところ右足親指の付け根が痛み出しました。もともと尿酸値が高かったので痛風の前触れだと思います。もともと痩せていたのですが、この一ヶ月で3キロ体重が増え、腕が太くなってきたところなのでプロテインをこれ以上飲めないと思うと残念でなりません。
友人に相談したところ、プロテインではなくアミノ酸の錠剤を飲めば大丈夫ではないかと言いました。 アミノ酸でしたら痛風の心配はないのでしょうか?アドバイスお願いいたします。

ご質問ありがとうございます!

せっかく体重が増えてきたときに、痛風の痛みが出るのは辛いですね。痛風は、血液の中に尿酸が増えすぎると、針のような鋭い結晶を作り関節や腎臓など様々な組織に悪影響を及ぼしてしまう病気で、スポーツや格闘技を長く続けていく場合、注意しなければならない疾患のひとつです。

理科の実験でやったように、濃度が高ければ高いほど結晶を作りやすいのと同じで、尿酸も濃度が高いほど痛風になりやすくなります。ですから、病院では患者さんには尿酸値を下げるように指導するのですが、それらは1)プリン体を取り過ぎないようにする2)減量する3)水分を摂り尿酸を溶かして排泄させる4)アルコールを控えさせる5)激しい運動を控えさせる、といった内容になります。
いま現状では、体重を増やしながら空手をやっているということなので、2)5)とは逆のことをやっている形になりますから、痛風を治すことを最優先するとすれば、医学的にはプロテインによる急激な増量は少し控えたほうがいいといえます。また練習の際には水分を極力多めにとり、一気に汗をかかずに、じわりじわりと体を暖めていくことが大切になります。

アミノ酸の錠剤はどうか、ということですが残念ながらアミノ酸なら大丈夫、ということにはなりません。同量ならプロテインよりもカロリー自体は少ないかもしれませんが、問題はアミノ酸の錠剤がどの原材料から作られているかわからないという点にあります。この部分は、一般には企業秘密と呼ばれている部分ですからもし、プリン体の多い=尿酸値の高くなる食材から作られたアミノ酸であれば、リスクは無いとは言い切れないところです。

もし、空手を、体つくりをしながら痛風を退治していきたいのであれば、しっかりと治療をして徐々に運動量とウエイトアップを
計っていくべきだと思います。

痛風は、心筋梗塞や脳梗塞のリスクになりえる上、激しい運動はそれを早めてしまいますから、ぜひこの機会に治療を受けられることをお勧めします。