格闘技ドクター&世界王者による格闘技セミナー

「格闘技はじめの一歩」@GOLD’S GYM厚木神奈川                                

ゴールドジム厚木神奈川presents

格闘技ドクター&キック世界王者による格闘技セミナー

「格闘技はじめの一歩」実況中継。

2007.8.27、ゴールドジム厚木神奈川にて格闘技ドクター&キック世界王者による格闘技セミナーが行われました!その模様をここに特別公開いたします。

挨拶のあと、まずはウォーミングアップから。多くの格闘家やアスリートがウォーミングアップというといきなりストレッチから開始してしまいますが、格闘技医学的には一度身体を暖めてからストレッチに移行するのが効果的です。

運動していないときには筋肉には約20パーセントの血液しか流れていないので、内臓や骨格筋をよく動かして全身に血液が行き渡るようにします。今回は、参加者全員で軽くジョギング。腕や首をぐるぐる回したり、足を挙げながら歩いたりと様々なバリエーションでウォームアップを行いました!

「身体、暖まりました?」Drの問いかけに「まだまだ全然です」と答える某プロ選手。
おかげで予定の2倍のウォーミングアップを行うはめになってしまいました。終了の目安は「額が汗ばむ程度」。心拍数が3桁に突入したくらいが目安です。

【格闘技用PNFストレッチ

今回のセミナーでは格闘技用PNFストレッチを参加者全員に経験していただきました。格闘技の世界ではまだまだストレッチに関して無茶なやり方がまかり通っています。特に危険なのは、「痛いのを我慢してストレッチすればやわらかくなる」という思い込みです。

しかし、筋肉というのは縮むことや緊張することは得意ですが、伸ばされることは苦手です。伸ばされ続けたらいつか筋線維が切れてしまいますから、常に安全なほうに、つまり縮むほうに作用する傾向があります。だから痛い刺激があると、筋肉はぎゅっと収縮してしまいそれ以上伸びなくなってしまいます。これじゃ、効果的なストレッチになりませんよね!?

今回は痛みのないストレッチをPNFを応用して数パターン行いました。

受講者の股関節の可動域がどんどん広がっていき、スタジオ内では「おおっー」と感嘆の声も。格闘技の動きの中のPNFストレッチとしては、パンチのリーチをアップするメニューを行いました。早くも心地よいパンチの音がいろんな場所から聞こえてきました。

【反応力を高める!脳・神経系トレーニング

ストレッチの次は、脳・神経系のトレーニング。

情報を入力してすばやく反応し、筋力として出力するという格闘技そのもののトレーニングです。格闘クリニックではこのテーマのメニューがたくさんあるのですが(パンチドランカー予防プログラムもその一つ)今回はタイソンズ・ナンバーという元ボクシングヘビー級世界王者mマイク・タイソン選手が行っていたトレーニングメニューを選択しました。

やり方はいたって簡単。

1、左ジャブ
2、右ストレート
3、左フック
4、右フック
5、左アッパー
6、右アッパー

とあらかじめ技にナンバーを振っておき、1−2−5、2−3−6という風にナンバーをいいます。たまにはタイミングを変えたり、同じパターンから突然違うパターンを混ぜたりして脳に刺激を与えます。

選手は、言われたとおりに技を繰り出すのですがこれがなかなか大変!

音声で聴いた情報を脳で瞬時に処理し、運動神経を介してパンチにつなげるという反応のトレーニングに受講者も講師陣も、早くもヘロヘロになってました(笑)


【すべてを鍛える!バランストレーニング】

続いては種目はバランストレーニングに移りました。

格闘技は不安定な状態で筋力を発揮しなければならない、それがマシンでのウエイトトレーニングとの大きな違いです、というドクターの説明に受講者のみなさんも納得されていた様子。

立って行うハンドグリップでは、上半身の使い方もさることながら、下半身の立ち方がしっかりできていないと勝てない種目です。カラテの前屈立ちやレスリングのタックル時で見られるような股関節の屈曲を維持した立ち方を習得していただきました。これができるようになると立ち技での踏み込みができてくるため、パンチや蹴りまで強くなってしまいます。

次は寝技用に、ヒップバランストレーニングです。お尻の部分だけをマットに接地してあとの部分はマットから離します。体の前面、特に体幹部を上手につかって相手の選手を足で崩します。
女性がミドル級前王者に勝ってしまう、という番狂わせが起こるのも、カラダの使い方に特化したこのトレーニングメニューならではといえるでしょう。


ITAとバランスボール
格闘技メディカルトレーニングクラスでもプロ選手の間で大人気のメニューITAがついに厚木の地にも上陸しました。新田選手も、寒川選手も、グレイシャア亜紀選手も普段バランストレーニングで実際に使っているITAを水道橋から輸送し、参加者の方にも体験していただきました。

普段自由にできている動きが、制限された面積の上ではできない!

究極の身体感覚が鍛えられるこのITAトレーニングはヒクソン・グレイシーのトレーニングからヒントを得たものです。ITAフィールドの上では激しいバランスの崩しあいが展開され、動きの精度を高めあいました。

バランスボールではシンプルにプッシュアップ。
カラダの真ん中に軸の意識があるかどうか、筋力を左右均等に発揮できるか、体幹をしっかり固められるかがポイントとなるトレーニングでした。

普通のプッシュアップ(腕たて伏せ)では、バランスを意識すること無しに筋力を発揮できますが、バランスボールの上で行うとまず安定させるだけで様々な筋を動員させることになります。格闘技においては相手も動くことが前提での筋力発揮ですからこのようなトレーニングが推奨されます。

参加者みなさんは最初は戸惑っていましたが、プロ選手の見本を見たとたん、急にできるようになりました!トレーニングや練習の場面でも、うまい人・強い人の情報が入力されると自然とできるようになってしまうことがあります。


【実戦に生きる!パンチ&キック】


片足でバランスをとりながら、下半身の筋力をフルに生かしてパンチを打つメニューも行いました。これをやりこむと、筋力アップしていないのにパンチ力が上がってしまいます。パンチの際、下半身がどのようにかかわっているか、体感できるトレーニングです。参加者のみなさんのパンチの音も時間の経過と共に鋭く、大きくなっていきました。

ミットトレーニングでは、股関節の動きを拳に伝えるためのカラダの使い方を、キックは、タオルを相手にキレを高めるトレーニングを中心に行いました。世界チャンプによるパンチテクニックの直接指導や、カラテ家の鋭いキック披露もありました!


【世界チャンプとのライトスパーリング】
この日は、キック世界王者の西山 誠人選手、キックミドル級前王者の山内 哲也選手、カラテ王者の北島 文人選手はじめ、現役で活躍しているトップファイターが参加者のスパーリングパートナーをつとめました。

危険のないように、あくまでも力をセーブして行うライトスパーでしたが、その分、スピートや技術、技のコントロールや間合い、タイミングを重視したスパーとなりました。

格闘技を練習する上で、強くなる近道は強い人と触れ合うことです。強い選手と向かい合う間に、自分の良さや伸ばすべき点が見えてきます。

今回のパートナーはそれぞれ自分のスタイルを持っっている選手ばかりでしたから、参加者のみなさんも相手が変わるたびに戦い方をアレンジしなければならず、ジムや道場のスパーよりも疲れた、という声もあがっていました。

また、実際に試合出ている参加者も多く、テクニックのある選手から逆に講師陣が刺激を受けている場面も。

言葉ではなく、身体で初めての人と高めあえるのも格闘技のいいところですね!

最後に、参加者全員に試割りのプレゼント

。遠く県外から来た参加者の方から、

「いつも同じメンバー、同じ練習メニューで限界を感じていたけれど、きょうセミナーに参加することで様々な発見があったし、まだまだ強くなれることがわかりました。 」と嬉しい言葉をいただきました。

見る格闘技から、やる格闘技へ。

格闘技の楽しさを伝えよう!という主旨で企画・開催された今回のセミナー。

格闘技の楽しさを十分伝えられたかわかりませんが、このような機会をいただいたことを嬉しく思います。。

開催にあたりご尽力いただいたゴールドジム厚木の三浦様・スタッフの皆様、フィットネスショップ水道橋の皆様、協力してくれたファイターの皆さん、そして休みの日にもかかわらずご参加いただいた皆さんに感謝いたします。

ありがとうございました。     格闘クリニック代表  二重作 拓也


【格闘技セミナー動画】  

ヒップバランス対決!

ITA勝負!

スパーリング初体験!


企画・協力 ゴールドジム厚木神奈川