GIRL 6 vol.2
前回は女性の3徴を説明しましたが、今回も続編として女性3徴からおこりうる障害とその防
ぐ方法について触れようと思います。
女性スポーツ選手3徴の現象
ここでは、実際スポーツ現場でおこる現象についてとりあげます。
摂食障害の現象
@摂食障害(過激なダイエット)により、脂肪と共に筋肉量が減少し、運動能力が減少する。
減量(ダイエット)を実行し、最終目標の体重までおとすことができても、脂肪と共に運動に絶対必要な筋肉までもおとしてしまっている人が多いと思います。その結果、運動中思うように体が反応しなっかったり、疲労しやすくなる。もちろんこういった時の怪我は大怪我につながるのはいうまでもありません。運動能力だけではないですよね。集中力がかけたり、やる気がなくなったり。ひどくなると人との接触すらいやになる。そんな心理面にも影響してきます。
こんな経験したことはありませんか?
・毎日の体重申告、測定などを徹底的(必要以上)に管理され、”体重”というストレス、恐怖心 をおぼえる。
・異性による体型への指摘。
・周囲の目が気になり、無茶なダイエットをした。
WSI(Women Sport International)と国際オリンピック委員会医科学委員会は女性3徴の予防策また、女性スポーツ選手が直面している健康上の問題の調査のために、共同の委員会を設立し、下記のような資料とプログラムを作成しているそうです。
1,この問題の重要性と、警告サインの気づき方について、競技者、親、コーチ、医療専門家と運動競技の管理者を教育する。
2,摂食障害を促進するような、毎日の体重測定などの行為を禁止するコーチの行動基準を確立する。
3,規則の変更が3徴に導く行為に歯止めをかけるかどうかを見るために各スポーツ規則を検討すること
4,スポーツのプラス面、すなわち競技者の楽しみや身体面、社会面、そして心理面などを促進する。
格闘技においてはここまで重要性を考えられていませんが、オリンピックなどにかかわるスポーツにおいては、選手だけではなくその周囲までもが力を入れ取り組んでいる問題です。だからこそ格闘技においては、私たち一人一人が自己責任の元で知識を付け、女子選手同士のネットワーク作りが必要になってきます。
ちょっと余談...。
私は(体重制限があるものは別として)女性が美を追求して行き着く先が”ダイエット”。しかも細ければ細いほど綺麗なんだ!という考えがありますが、違和感を感じます。世界各国の女性を見ても(女優さんも含め)日本の女性と”細さ”が違いますし、細くても健康体です。それに一人一人の個性がはっきりしていて、みなさん自然体ではありませんか?痩せていてもふくよかでも内面から湧き出てくる魅力を感じます。外見を綺麗にし内面を磨かないのではなく、内面を磨くことで外見が輝く。内面が健康であるから健康的にエクササイズをし、健康的に食事制限をする。そこから生まれるのが、正しいダイエットであり、美しい女性ではないかと感じます。
生理不順の現象
A月経中(不順)により体調、精神面がすぐれない。
月経中はほとんどの女性が憂鬱な気分になると思います。イライラしたり、眠くなったり、怒りっぽくなったり。体調面では、腰が痛む。下腹部がいたむ。肌があれる。過食になったりもしますよね。試合が決まっていて一番追い込まなければならない時に月経周期がおとずれることもありますが、こういう時はどうすることが身体的にも、精神的にも負担がかからずにいられるのでしょうか?
一つに、試合にしても練習にしても、計画の中に体調の周期を入れることで体を守ることができると思います。練習の内容なども腹部や腰に負担にならないようなメニューを考えたりもできますよね。指導をすることもいいかと思います。相手に指導するには自分ができるだけでは指導できません。あらゆる角度から物事を捉え、なおかつ間違っているところを明確に指摘し、正しい方向へ導くということをしなければいけません。自分が動くより練習になります。実際体を動かすことがつらければ、イメージトレーニング、いっそのこと気分転換も兼ね練習をしないのもいいかもしれません。そうすれば又練習を再開した時にリフレッシュした気持ちで打ち込めますよね。
練習中体調が悪くなったら我慢をせずにすぐに自己報告を心がけましょう。みんなが練習している中「体調が悪い...」というのにはだれも勇気がいると思います。もう少し我慢しよう。言ったら怒られるかな?なんとなく言えない雰囲気になっていたり。しかしいざ言ってみると「どうしてもっと早く言わないんだ!」といわれる。お決まりのパターンですよ ね。言わない自分にも責任はあると思いますが、そういう雰囲気になっているのも確かです。 いつでも体調不慮を訴えることができる雰囲気作りも大切です。
ここで興味深い記事を紹介します。
スポーツ報知新聞の連載記事(2000.10.4-6) 「華やかさのウラに〜女子マラソンの危機〜」より 日本の女子マラソンランナーは、世界で勝つために体力的な不足を軽量化でカバーし、心臓・肺・筋肉にかかる負担を少なくしながら、高地トレーニングなどで血液循環の効率 を高めているが、体脂肪の減少により生理不順や骨粗鬆症などの障害を引き起こすリスクに直面していることが紹介された。スリムな体を維持するために、心理的なストレスから摂食障害に陥ったり、月経不順が骨量を減少させ、疲労骨折を起こすこともあり、さらに、このような情況が継続すると、生殖器の正常な機能が失われ妊娠出産が不可能になるという。 このような問題を引き起こす原因の一つとして、女子選手の相談相手が男性監督であることが指摘されている。彼らがこのような障害について知識があっても、日常の練習には差し障りがないだけに、女性の性周期や将来起こりうる問題にまで配慮できないことが多い。また、勝利や記録の向上が優先され、こうような障害予防が後回しにされていることも強く影響していると述べられている。 このような傾向は女子マラソンが注目され始めたこの10年ほどで顕著になっており、何らかの対策が急がれる。 |