FIGHTER’S STAMINAL TEST(FST)

 格闘技に必要なスタミナを計測する方法はないでしょうか?
スタミナを数値で知るには、心拍数がひとつの指標となります。自分のスタミナは現在どのくらいなのか?スタミナの特性はどのようなものか?今後どのようなスタミナをつけていけばよいか?
 心拍数をリアルタイムで計測することにより、これらを知ることができます。
 格闘技リハビリテーションでは、格闘技用のスタミナテストをFIGHTER’S STAMINAL TEST(FST)と名づけ、各選手のスタミナをデータ化し、トレーニングへフィードバックしています。


FSTの方法
@選手はハートレートモニターを装着し、安静時の心拍数を計測する。
Aスタートの合図でシャドーで3分間思いっきりラッシュする。
B計測者および記録者は30秒ごとに心拍数を報告および記録する。
C3分間たったら選手はラッシュをやめる。
D約10分間記録を続ける。


0 81
30 142
1'00 155
1'30 160
2'00 161
2'30 164
3'00 168
3'30 154
4'00 126
4'30 115
5'00 100
5'30 92
6'00 95
6'30 95
7'00 93
7'30 89
8'00 90
8'30 90
9'00 91
Aero 150
Anaero 171
安静時 84

これはある世界クラスの選手のFSTの結果です。
選手の年齢から、無酸素運動の目標心拍数ANAEROと有酸素運動の目標心拍数AEROを計算します。
計算式はとてもシンプル。180から年齢を引いたものと、220から年齢を引いたものに0.9を掛けたものを使用します。

AERO(有酸素):180−年齢(30)=150
ANAERO(無酸素):{220−年齢(30)}×0.9=171
これらの数字は、心拍数150以上で有酸素系のスタミナトレーニングが、171以上で無酸素系のスタミナトレーニングとなる、と理解してください。

FSTでは最初の3分間にシャドーで思いっきりラッシュするのですが、このとき無酸素運の心拍数までもっていけるかどうかがひとつの目安となります。シャドーという比較的軽い負荷でどれだけ追い込めるか。つい自分のペースでやってしまいがちなシャドートレーニングも心拍数を計測することでスタミナトレーニングになるのです。その後、3分を過ぎたら運動をやめ、心拍数の回復を待ちます。心臓が強い、というのは格闘技において短い時間のうちに心拍数を戻せることを意味します。ですから元の心拍数に早く戻るほど、心臓が強いと評価できるのです。
FSTでは、追い込む力と心臓の強さを数値で客観的に知ることができます。

この選手の場合、1分以内で早くも有酸素ゾーン(150以上を超えている)に突入しました。
心拍数は順調に上がり続けましたがが、3分目の168が最高値、惜しくも無酸素ゾーンのわずか3足りませんでした。テストを行ったのは、試合準備期間に入る前でしたから、試合期にはいる前の状態としてはかなりのいい数値がでました。
また3分間のラッシュ終了後、わずか2分で2桁にせまる心拍数の回復がみられました。一流選手になればなるほど回復までの時間が短いのですが、さすが世界クラスだけあって心肺機能もトップクラスでした。

総合的な評価として、有酸素系のスタミナおよび回復力は試合期前にもかかわらず優れていると判断できました。





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