少年少女の格闘技医学 2



オスグット・シュラッター病
オスグット・シュラッター病とは
小児の骨は成長のため、大人に比べて非常に軟らかく十分な固さがありません。また、成長期には、骨の成長と腱や筋の成長のスピードに差があります。そのため、自分の筋肉の牽引力が膝のお皿の腱(膝蓋腱)を引っ張りすぎて腱の付着部に障害が出ます。
これをオスグット・シュラッター病といいます。無理をして練習を続けますと症状が悪化することがありますから注意が必要です。

@成長期に矢印の方向に骨が伸びます。
A太腿四頭筋は、膝蓋骨(膝のお皿の骨)を介して脛骨(脛の骨)の前面にくっついています。ジャンプやダッシュ、蹴りの動作で筋が収縮するとBの付着部に痛みが出ます。

(図は膝周囲を横から見た断面です。)






























どんなときに痛みが出やすい?
階段を上る、スクワットをする、ジャンプをする、ミット蹴り(とくに回し蹴り系)といった大腿四頭筋(太ももの前側の筋)が強く収縮するときに症状が出やすいです。

ほっておくとどうなる?
この状態が続いた人の10%には膝蓋腱に小さな骨のかけらができてしまいます。
これが障害の痛みとなることがありますから要注意です。


痛みが出たら、、、
RICE、湿布や塗り薬での消炎鎮痛を行います。(ドクターの診察を受けましょう。)
痛みが出ている間の練習は、OFFとしたほうがいいでしょう。


予防法は?
オスグットの症状の軽減には、大腿四頭筋のストレッチが有効です。バンドやテープで膝蓋腱を固定するという方法もあります。スポーツにおいてのOVER USE(使いすぎ)が原因ですから、日ごろの練習計画に無理がないか見直して見ましょう。