頭、眼、首など歯科口腔学はこちら

1、脳にダメージがあるときの飲酒
2、コンタクトレンズの使用
3、ボクシングでの脳へのダメージ
4、キックボクシング投げやミットのダメージ
5、グローブ空手の鼓膜損傷
6、網膜裂孔
7、首の痛みと医療機関の選び方
8、ブラジリアン柔術と網膜はく離
9、パンチドランカー
10、子供のパンチドランカーへの不安
11、スーパーセーフカラテと鼓膜について
12、中国拳法の頭の防具
13、偏頭痛など(ボクシング)
14、ハイキックに対するあごの防御法
15、スパー後の頭痛(ボクシング)
16、日本拳法での脳と眼の保護について
17、レーシック施術後のボクシング
18、網膜剥離と武道
19、頚部脊柱管狭窄症(ブラジリアン柔術)
20、頚椎ヘルニア(総合格闘技)
21、パンチドランカーを予防したい
22、頚椎(レスリング)
23、脳を休ませる期間(日本拳法)
24、顎の痛み(日本拳法)
25、ボクシング、日本拳法の脳へのダメージ
26、脳へのダメージと勉学
27、総合格闘技と頚椎ヘルニア
28、拳と頭部
29、テコンドー、顔面パンチのダメージ
30、喉の症状(相撲)
31、顔面攻撃と網膜剥離予防
32、歯並びと格闘技
33、頚椎ヘルニアと柔術
34、首の怪我と予防的トレーニング
35、カラテと網膜剥離
36、ボクシングと眼筋麻痺
37、脳のダメージ後の対応(ボクシング、キック)
38、鼻骨骨折の疑い(日本拳法)new
39、網膜の異常(ボクシング)new
40、日本拳法の防具と脳new
41、背髄損傷(柔道)new
42、脳の硬膜下スペースとボクシングnew


1、脳にダメージがあるときの飲酒 
はじめまして。質問です。
よく、打撃競技などで、頭部にダメージがあった後に飲酒をしてはいけないと聞きます。
私は、ボクシングをしていて、練習後ビールを飲むことが最高の喜びなのですが・・・
これってよくないことですか?
脳にダメージがあるときの飲酒はなぜいけないのでしょうか?迷信ですか?

頭部ダメージを受けたあとの問題点、それは頭蓋内の出血のリスクがあげられます。
頭部が揺れるわけですから微細な血管損傷や実質の損傷の可能性は十分にあります。
ましてやボクシングのように恒常的にダメージを受ける格闘技ではなおさらです。
いわゆる動脈性の出血では、症状は急性に出現するためアルコールを飲む前に分かることが多いのですが、静脈性の出血ではすぐに症状がでずにしばらくたって出ることが多いのです。
頭痛、嘔吐、意識の変容、痙攣、麻痺などが出血の症状の代表的なものなんですが、酒を飲んで酔ったときの状態と重なるんです。
酒を飲んでなんか雰囲気が変わってきたな、というのと出血による意識の変容の見分けがつきにくいというのが一つ目の理由と考えられます。
もう一つはアルコールが脱水素酵素によりアセトアルデヒドに分解されて生じる物質、アセトアルデヒドによる血管拡張作用です。頭部に限らず、組織の損傷に血管拡張が加わるため損傷部位の出血が増大します。
以上が医学的な立場からのお答えです。
でも実際は試合後の打ち上げやレセプション等、アルコールと格闘技は切っても切れない関係にあるのも事実ですよね。飲まないに越したことはないと思いますが、飲んでしまった時は24時間は仲間や家族と共にいて自分の健康状態を観察してもらい、変化があればすぐかかりつけの医師にかかる体制を作っておくといいと思います。


2、コンタクトレンズの使用

はじめまして、総合格闘技キャリア1年のロン(22歳、男)と申します。
格闘技をする上でのコンタクトレンズの使用についてお伺いしたいと思い書き込みをさせていただきました、よろしくお願いします。
私は両目とも視力が0.1程度しかなく練習時にコンタクトレンズ(ソフトレンズ)を使用しています。
寝技の練習・打撃の練習の両方をしているのですが、先日「コンタクトしたまま打撃をやるのは危険」と先輩に指摘されました。
どのように危険なのか私にはわからないのですが、失明してしまうこともあるのでしょうか?
また、寝技の練習のときもコンタクトレンズは使用しないほうがいいのでしょうか?
その他、視力の低い人間が練習する上で注意すべきこと・心がけることなどがありましたらアドバイスお願いします。
コンタクトレンズの使用につきましては、注意すべき点があります。
格闘技の特徴は、相手選手との距離が比較的近い、と言うことが挙げられると思います。この点をとって、近眼でも関係ない、と言う意見もあるようですが、やはり試合に勝つためにコンタクトレンズを使用している選手が多いようです。現に米国オリンピック委員会のアマチュアボクシング協会は試合中のソフトコンタクトレンズの使用を認めています。
ハードコンタクトは使用してはいけません。ハードの場合は衝撃を受けた時に裂けて角膜裂傷を起こす可能性があります。
レンズのずれを防ぐためレンズは大きめのサイズのものがいいとされています。
試合中はコンタクトレンズが外れることもありますので、外れたときはすぐにレフリーや審判に申告しましょう。正しい位置にないときに打撃を受けるととても危険です。落とした際のそなえてすぐに代わりのレンズを付けれるようにセコンドに言っておくことも大切です。
寝技、立ち技で目の条件は統一しておいた方が実際的だと思います。
視力の低い方のリスクとしては網膜剥離のリスクが高いことがあげられます。定期的に眼科にかかり散瞳検査を含めたメディカルチェックを受けるようにしてください。


3、ボクシングでの脳へのダメージ

現在16歳の男で、高校でアマチュアボクシングをやっています。
ボクシングのキャリアは3年目です。
脳へのダメージについてお聞きしたいのですが、
ダメージを受けた後にできるケアや、
やってはいけない事などあるんでしょうか。
飲酒はもちろんのこと(どっちにしろ未成年ですが)、
入浴も血管が開いてしまって良くないと聞いたことがあります。
それと脳の機能というのは一発パンチを貰っただけで低下するものなんでしょうか?
また、脳の機能はダメージを負っても回復するものなんでしょうか。

頭部へのダメージは自覚しにくく、ダメージを受けたことが自分でわからないことが特徴と言えます。
お酒に関しては頭部のコーナーをご参照いただければ幸いです。
小さな出血がある場合は、入浴により暖めることで血管拡張作用がおき、悪化してしまうことが考えられます。
ほかにもアスピリンなどの抗炎症剤は、抗血小板作用といって血が固まらなくなることがありますから、ダメージ後には服用しないようにしてください。
現実的には仲間と一緒にいて変化があったらすぐに脳外科を受診できるような体制を作っておくことが一番の対応になります。また受診して大丈夫ですよといわれても硬膜外血腫の場合、CT上の変化及び症状が数時間から数日遅れて出て来ることが良くあります。(ミュージシャンの布袋さんの場合もこれにあたると思われます。)
必ず数日間は怪我に注意を払っておく必要があります。(頭痛、吐き気、めまい、意識がボーっとする、近しい人から見ていつもと言動が違うなど。)
脳の機能低下はパンチの数によりません。軽いものがたくさんの場合も強いものの一回の場合も、結果として脳のダメージにつながればどちらも注意すべきです。
ボクサーでしたら日常的にダメージを受けていることが十分考えられますから、これが長期にわたりますと微慢性軸索損傷という状態、アリのようなパンチドランカーのリスクとなります。脳細胞は一度死ぬと二度と生き返りませんので機能回復は周りの細胞が代かわりに行うことになります。
KO負けが続いたり、ダメージがありそうなときは対人練習や試合から離れるといった工夫をして、長く続けていただきたいものです。


4、キックボクシング投げやミットのダメージ    林選手 キックボクシング

友達からグローブを使用した加撃を頭部に受けた場合、衝撃が脳に浸透して脳細胞を痛めてしまうと聞きました。
しかしキックのスパーをやっていて思うんですが「投げの受け身」や「ミット持ち」でも同様な衝撃を受けると思うんですが、それらは心配ないのでしょうか?
心配するほどの衝撃ではない?
ミット持ちで受ける衝撃が「問題ない」程度ならグローブを使用してのマスで受ける衝撃も「問題ない」んじゃないかと思っているんですがどうでしょうか?アドバイスお願いします。
脳へのダメージは非常に深刻なものですが、外から分かりにくいだけに本来一番気をつけなければならない部位にもかかわらず、放置されがちな面があると思います。
どのような形であれ、脳へのダメージについては常に気にする必要があると思います。
ヘッドギアつけていれば安全、とかルールに顔面攻撃がないから安全、ポイントルールだから安全、ということはないと考えた方がいいと思います。林さんのご指摘の通り、投げを食らっての衝撃は、一回でも大きなダメージを受け、そのまま病院に運ばれるケースもありますし、ミットもちの場合は一回一回のダメージはそれほどでもないにしろ、蓄積していく可能性は高いといえます。
史上最高のボクサーとして名高いモハメッドアリでさえ、最高級の技術を持っていたにもかかわらず、微慢性軸索損傷という後遺症に悩まされています。アリのケースは蓄積によるダメージの結果ではないかといわれています。
普段の練習では極力ダメージを負わないで技術を伸ばす必要があると思います。グローブについては重いものほど相手に与える力積が大きいこと、グローブはダメージ増幅器であることをよく理解したうえでメニューを組んでいく必要があるでしょう。
仲間のみんなで、勝つための技術や方法については良くお話しすると思うのですが、今やっている練習や試合のペースが脳に、体にどれほどのダメージを与えているかに関しましてはいかかでしょうか?


本編の「脳へのダメージを考える」コーナーもご覧いただければうれしいです。

返信ありがとうございます。
やはり影響はあるんですね。
気を付けて練習してみようと思います

5、グローブ空手の鼓膜損傷 
始めまして、グローブ空手をしている27歳です。
何ヶ月か前、試合中に相手のフックで鼓膜を破ってしまいました。翌日、耳鼻科に行き、2週間ほどたって医師の方にきちんと鼓膜はふさがった(治った)と言われました。そして先日健康診断を受けたところ、聴力がかなり落ちている事がわかりました。元々、感音性難聴で聴こえは良くなかったのですが、前より悪くなっているのは感じています。
そこで質問なのですが、こういった鼓膜損傷による難聴と感音性難聴は別物として治療する事は可能なのでしょうか?また、これからは顔面ありの組手をする事は控えたほうが良いのでしょうか?耳などの神経(細胞?)は一度潰れると再生しないという話も聞いたことがあります。聴こえが悪くなっていく事に不安を覚えています。アドバイス、よろしくお願いします。


Re: 鼓膜損傷 Dr.滝下 - 2002/05/07(Tue) 17:14 No.93


病態として鼓膜損傷と感音性難聴は別ですので、治療の方法は別々になります。ただし、健康診断での聴力検査では感音性難聴と伝音性難聴(鼓膜穿孔等)の鑑別はできないので、一度耳鼻科での精密な聴力検査をした方がいいのではと思います。
また感音性難聴でも、ここ1から2週間で急激に聞こえが悪くなっているのであれば、効果的な治療も可能ですが、期間をかけて聞こえが落ちているのであれば、原因が解らない限り、改善は難しいかと思われます。
頭部の激しい刺激により、内耳が振盪され聞こえが落ちることも報告されています。こういう場合は非可逆的な場合が多いですが、発症直後で適切な処置をすれば、改善することもあります。
やはり、耳鼻科を受診されて、精密な聴力検査をされた方がいいでしょう。


Re: 鼓膜損傷 格闘クリニック - 2002/05/07(Tue) 17:24 No.94


こんにちは。
Q太郎さん、書き込みありがとうございます。
今回は、耳鼻科的内容でしたので、専門家である滝下照章医師にお答えをご依頼させていただきました。滝下先生は大学時代サッカーをされておりスポーツにもお詳しい方です。
やはり、発症直後の正しい検査や処置が大切なようですね。
長く格闘技を続けるためにも、ぜひ受診されてみてください。その結果
をみてから練習や試合の内容を考えてみてはいかがですか?

滝下先生、本当にありがとうございました。

これ以上聴力が落ちるのも不安ですし、これからも試合に出続けようか、ずっと悩んでいました。
まずは耳鼻科で検査を受ける事にします。それから、試合に出るか、又は顔面ありを続けるかなどを決めたいと思います。

滝下先生、そして格闘クリニックの皆様、本当ににありがとうございました。


6、網膜裂孔 投稿者:くまじろう
はじめまして!
私は空手、日本拳法をやっております。昨年の6月に眼科で両眼とも網膜裂孔と診断されレーザー治療を受けました。これで網膜剥離の予防にはなったようですが、以前と同じ練習は出来るのでしょうか?
ちなみに空手はスーパーセーフを着用して顔面ありです。

膜裂孔に対するレーザー治療は、おっしゃるとおり網膜剥離の予防を目的に行われます。
網膜に穴が開いているところをもとどおりにするのではなく、網膜と網膜の下にある色素上皮に癒着をおこすことで剥離への進行を防ぐわけです。ですから依然として網膜裂孔の再発や網膜剥離のリスクが高いことを理解する必要があるでしょう。
格闘技における顔面への打撃は避けたほうがいいと思います。
空手でスーパーセーフをつけていれば大丈夫かどうかは今のところわかりません。目に直接打撃が来ないため安全そうに思えますが、外力が逃げないため間接的に眼周囲に影響がおよぶ可能性はあります。
アメリカボクシング協会の例では眼科的異常所見を認めた際、スパーリングの中止が勧告されます。
網膜裂孔が治療された場合少なくとも30日間の出場停止、網膜剥離の場合は60日間の出場停止となります。
これらは各州に体育協会の医学諮問会議で検討されます。
また1年ごと、6試合ごと、負け2試合ごと、片眼の受傷ごとに眼科検査が義務づけられています。
眼損傷を抱えて空手をやるとすれば、まずは主治医の許可と理解が絶対の必要だと思います。

そのうえでプロテクター(ゴーグル)の装着と定期的検査を徹底すべきと考えます。

7、首の痛みと医療機関の選び方 投稿者:eiji
いつもお世話になってます
以前から左首根っこ部分(左肩)付近が以上に凝ったり、
冷たい物を食べたりするとそこが急に痛み出したりします。
少し骨がずれてのでしょうか?それとも慢性的な凝りなんでしょうか?
また病院で治療できますか?
たとえば行くべき治療機関は針とか接骨院ですか?

不安なのでぜひ教えてください

どの医療機関に行ったらいったらいいのかという質問を良く受けます。
車が故障しているところを想像してみてください。原因が外から見て分かる場合、例えば明らかなパンクだったり、ガソリンが足りない、何て場合はカーショップやガソリンスタンドでも事足りると思います。
では外から見て原因がわからないときはどうしますか??
やはりディーラーや整備場で原因をはっきり調べてから修理すると思います。メーカーには故障を調べる機械などが完備していると思いますし、手に負えない場合は本社に問い合わせたりというネットワークもしっかりしているはずです。
人の体も同じです。原因を調べるにはしっかりした診察と客観的な検査が必要となります。それを行う機関が病院です。
正しい治療は、正しい診断の上に行われると考えてください。
骨がずれているかどうかはレントゲンを撮ってもらいましょう。また神経学的診察をしてもらうことで、頚椎の神経の圧迫はどうか知ることができます。慢性的な凝りでしたら、効果的な薬もあると思います。
かかってみた病院で原因がはっきりしなかったり、検査、診断に納得がいかない場合は総合病院や大学病院に紹介してもらえるはずです。
格闘家は健康が最もですから自身の体の状態を知る良い機会と思います。
いちど受診されてみてはいかがでしょうか。

8、ブラジリアン柔術と網膜はく離 投稿者:八木太郎 投稿日:2003/05/21(Wed)
初めて投稿します。よろしくお願いします。
私は39歳の男性です。
約20年前に網膜剥離の手術をしまして、治りましたが
通常の人より網膜が衝撃に弱く、特に打撃系の格闘技は医者から
禁止されております。
20代〜30代にかけて合気道系の体術(打撃なし)を
6年ほどやりましたが、それは影響が無かったです。
最近ブラジリアン柔術を知り、打撃が無いルールもあるということで、関心を持っているのですが、
私のような体の者が練習しても大丈夫でしょうか?
アドバイスをお願いします。

こんにちは!
網膜剥離のOPEをされた時期が20年前と古く、
その後合気道にもチャレンジされていることから、柔術の練習は特に問題がないと考えます。
ただ、いくつかの条件はあります。
1、眼科での散瞳検査を定期的に行うこと
2、インストラクターと練習相手に網膜はく離のOPE後であることをきちんと理解してもらうこと(アクシデントで肘などが眼部にあたると危険です)
3、異変を感じたら必ず病院にかかること
4、眼に打撃を受けないこと

アメリカのあるバスケットボール選手は、網膜の異常が発見された後、ゴーグルを使用して試合に出場しています。(もちろんチームドクターの管理の下です。)

練習生の中には、「手術をすれば完治しているだろう」と思っていらっしゃる方もいると思いますが、実際の網膜はく離の手術は、それ以上剥離が進まないようにするための手術であり、外力に対する強度自体は正常より落ちています。ですから、周囲の理解と協力を得ながら、かかりつけの眼科のDr.とうまく連携をとることがあなたの安全につながると考えます。



ご回答有難うございました。
過去のお医者さんとのやり取りから、
現在の担当のお医者さんはリスクを恐れるのと、
格闘技に対する知識が無いのとで、”止めなさい”
としか言わないと思います。
(ボクササイズですら、止めたほうがいいと言われましたので)
また、受け入れる教室の方も、難しいと考える
場合もあるようです。。。

スポーツ医学に詳しい眼科医と知り合えたら良いの
ですが。。。探してみます。

9、パンチドランカー 投稿者:金沢裕一 投稿日:2003/05/28(Wed)
栃木でジムを経営しています。ミット打ちのやり過ぎでパンチドランカーになってしまいました。毎日大変な苦痛と戦っています。症状はめまい、ふらつき、指先のしびれ、感覚の麻痺、気が遠くなる、息が一瞬止まる等です。現在は脳の血流を良くする薬を飲んでいますが暑い時や湿気の多い時朝夕の気温差の激しい時は顕著にあらわれ立っていられないほどです。何かいい対処法などありましたら教えてもらえないでしょうか?

パンチドランカーとは反復して頭部に加えられた打撃により神経系にダメージを生じる障害のことで、慢性外傷性脳損傷(chronic traumatic brain injury)という病名で知られています。
ボクシングがもっとも盛んなアメリカでの調査によりますと、224人の元プロボクサーの内、37人に何らかの中枢神経(脳と脊髄)の症状が見られたとの報告もあります。
症状としては、ろれつが回りにくい、ふるえ、手先が不器用になる、ふらつく、忘れっぽくなる、注意力が落ちる、情緒不安定になる、感覚がおかしくなるなど、運動機能から認知機能、精神機能まで多岐にわたります。
この障害の困った点は、引退後に症状が出ることが多いことです。

症状が出てしまってからの対処法としましては、やはり専門的な神経内科で、その時々にあった薬を処方してもらうことが第一と考えます。(基本的に進行性で年齢とともに症状が増えてくることがあります)気が遠くなる、立っていられないなどの自律神経症状もでているようですし、症例自体が非常に少ないレアな病気なので大学病院などの高度な専門機関で再検査等も考慮されてみてはいかがでしょう?


そのうえで日常生活上、気をつけることとしましては水分をしっかり摂取すること、気温の変化に合わせて服を調節すること、等の基本的なことになります。もちろんミットうちはもとよりミット持ちも厳禁です。
大変だとは思いますが、健康第一に過ごされてください

10、子どものパンチドランカーへの不安 投稿者:瀬尾 安通子 投稿日:2003/07/05(Sat)
小学3年の二男は、年少からグローブ空手を始め、小1からは空手とジュニアキック(キックボクシング)の試合に出ています。
週に3回、2時間から2時間半の練習中、5分前後の組手を2回から3回行います。グローブとスネサポータを付け、ヘッドギアーは付けません。最近パンチドランカーについて聞き、心配です。どの様にしたら防げるのか是非教えてください。よろしくお願いします。

こんにちは!
パンチドランカーは引退して数年から数十年して発症することが多い障害です。
普通、人間は加齢により脳細胞が死んでいくのですが、おそらく若い頃たくさんの衝撃を脳に受けるとある年代を過ぎてから加速度的に脳細胞の障害が進行するのではないか、という仮説が言われています。
ですから、恐ろしいことに若い頃多少の無理をしてもそのときにはわからないものである、という認識は格闘技者はもちろん保護者、指導者の方々は持っておくべきだと考えます。
顔面を殴りあうのが専門のボクシングの場合、試合数が多い選手、引退年齢が高い選手ほどパンチドランカーが多く見られるといいます。おそらく、この傾向はボクシングに限らないことと思います。

格闘技をやる目的は人によって違うので、練習内容もそれぞれに設定されるのが理想的と思うのですが、あくまで「脳を守る」とう観点からいいますと
1、ヘッドギアをつける
2、スパーリングの強度を下げる
3、練習ではライトタッチにとどめる
4、グローブはやわらかいものを使う
5、試合はよく選んで出場する(なるべく同じ体重同士の試合に出る)
6、試合と試合の間隔を60日以上空ける。

といった防護策が考えられます。(これらを遂行しても、パンチドランカーになる可能性はゼロではありませんが)
よくジムの指導者と安全についてご相談されてみてはいかがでしょうか?

11、スーパーセーフカラテと鼓膜について 投稿者:鉄腕 投稿日:2003/07/13(Sun)
 はじめまして。スーパーセーフ着用のフルコン空手をしている、22歳男性です。先日試合で鼓膜を損傷してしまいました。過去の鼓膜損傷に関するANSERも読ませていただきましたが、他にも疑問があるので教えて下さい。
 鼓膜というのは、一度穴が空くと弱く(穴が空きやすく)なってしまうものなのでしょうか?また何度も空くとその度に弱くなってゆき最終的には再生しなくなってしまうものなのでしょうか?

剣道をやっている人が鼓膜損傷予防のために耳栓をつけると聞いた事があるのですが、効果はあるのでしょうか?スーパーセーフの場合、剣道の面よりも力の逃げ場が少なく、逆に危険のような気もします。鼓膜損傷への有効な対策があれば教えていただきたいです。

質問が多く申し訳ないのですが、よろしくお願いいたします。

こんにちは、書き込みありがとうございます。
鼓膜損傷についてですが、鼓膜は自然に再生する組織です。
ただ治りやすさには、次のような条件があります。
1、傷は大きければ大きいほど治りにくい
2、傷に感染があると治りにくい
という点です。人間の組織の構造上、骨以外は一度損傷すると強度は若干落ちると考えられます。おそらく鼓膜も例外ではないと思いますが、組織的に一度損傷すると再発しやすくなるかどうかに関してはよくわかりません。
格闘技という面から見ますと、同じ側の耳に同じような攻撃をもらいやすい、鼓膜損傷のおきやすい状況というのはあるかもしれませんね。慢性化すると治りにくくなることはあると思います。損傷すれば少なからず炎症が起きますから、耳鼻科で消毒、消炎を受けることが大切だと考えます。
予防としましては、まずは技術的なことです。
相手の攻撃を耳の穴をふさぐような形でもらうことが原因ですから
このような状況を避ける練習をつむことが予防につながります。
耳栓は、鼓膜にかかる圧を下げるという目的において理にかなっていると思います。

12、中国拳法の頭の防具 投稿者:PGM 投稿日:2003/08/25(Mon) 07:17
初めまして、
当方
24歳男の、中国拳法をしているものです。

今回は頭の防具と脳へのダメージについてお話を聞きたく、書き込みさせて頂きました。
うちの道場ではフルフェイスの面(スーパーセーフや、前面がキャッチャー面のようになっている)と、ボクシンググローブをつけて組み手をしているのですが(寸止めではなくフルコンタクト)、頭をすっぽり覆ってしまうタイプの面とボクシンググローブの組み合わせは、脳に伝わるダメージが大きいと聞きました。確かに、軽く打ったのに相手が脳震盪を起こすという場面が多い気もします。こういう場合、どういった組み合わせが一番良いのでしょうか?ボクサーなどが、よくつかっている薄いタイプのヘッドギアのほうがよいのでしょうか?グローブは必ずはめているというのが前提です。

あと、顔面ありのスパーをしたあとのケアで首筋を冷やす以外になにかよいケアなどはありますでしょうか?毎回、スパー後の頭痛に閉口しております。

ご回答、よろしくおねがいします。

こんにちは!
最近ではよく知られていることですが、格闘技のグローブは安全のために開発されたのではなく、人が倒れやすくなるように開発されています。
素手よりもグローブ着用の方が重さがあり、その結果脳にかかる力積が多くなってしまうためです。ですからまずグローブ着用顔面ありの場合、練習では脳へのダメージを最小限に食い止める努力を各団体、ジムは行っています。
ヘッドギアはいろいろなタイプのものが開発されていまして、それぞれ用途が若干異なるようです。大まかに分けますと、スーパーセーフや日本拳法で使用される面のようなハードなものと、ボクシングやキックで使用されるソフトなものがありますが、各団体のルールや練習体系で選択されているようです。

ボクシングの場合、実際の試合ではヘッドギアをつけませんから、練習では脳へのダメージを減らすためにソフトタイプのヘッドギアが使われています。このタイプは相手のパンチの衝撃を吸収しやすくできており防具としての機能を果たしています。カラテの新人戦や顔面ありルールのアマチュア総合格闘技でも使用頻度が高いようです。
一方、面型の防具やスーパーセーフは基本的にはポイント制の試合で使用されることが多いようです。ポイント制であれば、ダメージの蓄積もKO制にくらべ少ないと思われますし、顔面の切り傷や歯が折れるといった外見上目立つ怪我の防止にはこれらのタイプは適していると考えられます。
問題はこのハードタイプにグローブを着用して組手をした場合です。
打撃の伝わり方の特徴:打撃が加わり、その衝撃はフルフェイス面全体にいったん散らばるのですが、逃げ場がないため衝撃が脳の中心部に向かうという報告があります。
衝撃の大きさ:ヘッドギアを使用していると多少の打撃を食らっても平気ですが、逆に考えるとヘッドギアを使用しているのもかかわらず倒された場合は通常以上の衝撃を受けている可能性が考えられます。また、ある程度の打撃に耐えられてしまうがゆえに、慢性的に脳にダメージが蓄積していることも考えられます。
これらのことから、練習のたびに頭痛がする原因に組み合わせのまずさは否定できないと思われます。

格闘空手のパイオニア、大道塾ではスーパーセーフ+拳サポーターの組み合わせの大会(北斗旗)と、グローブ着用でスーパーセーフなしの大会(WARS)を開催されていますが、これも選手の安全面に配慮した結果、スーパーセーフ+グローブとはならなかったということでしょう。

スパー後に頭痛が毎回あるというのは、かなり脳がダメージを受けています。このまま続けたら、50歳過ぎてからドランカーになる可能性ははっきりいって大きいと思います。脳のケアは、ダメージを受けたら「しばらく打撃を受けない」以外にないことを覚えておいてください。

各流派、道場、指導者により考え方は様々だと思いますが、現在、安全対策は流派を問わず求められています。防具、グローブ、練習内容について再考してみてはいかがでしょうか?


アドバイス、ありがとうございます。
大変参考になりました。
やはり、フルフェイスタイプとボクシンググローブの
組み合わせは危険なのですね。
13、偏頭痛など(ボクシング) 投稿者:金沢裕一 投稿日:2003/09/18(Thu) 20:44 No.416
ボクシングのスパーリングを始めるにあたって慢性の頭痛持ちや偏頭痛などの者はCTで異常がなくてもやらせないほうが良いのでしょうか?


頭痛の原因は様々です。
筋肉の緊張によるものから、血管の異常、悪性腫瘍にいたるまで多岐にわたりますから頭痛の原因となる疾患を明確にしておくことは格闘技、特にボクシングのように顔面打撃のある種目では不可欠でしょう。
頭のCTという検査法は、比較的大きな出血や腫瘍といった病巣の検索には力を発揮するのですが、それ以外の原因の検索はあまり得意ではありません。ですから「偏頭痛でCT撮ったけど異常なしといわれた」というのはよくある話です。

頭痛もちの方には、スパーリングを始める前に頭痛の原因を神経内科的に検索されることをお勧めします。神経内科では、CTやMRIといった検査や神経学的な異常の検索をやってくれます。そのときにボクシングが可能な状態かどうか尋ねてみるとよいでしょう。

診察の上、神経内科的に問題がない場合でも、頭痛があるときのスパーリングは避けた方が賢明でしょう。

もう一つ気をつけていただきたいのは、薬についてです。
バファリンに代表されるようなアスピリン系の頭痛薬は鎮痛作用のほかに、抗血小板作用といって止血を妨害する作用があります。

頭が痛いからといって頭痛薬を飲んで練習すると、脳血管からの出血のリスクが高くなってしまいます!
(練習後に飲むのも安全ではないです)

指導者の方々にはぜひ伝えていただきたい知識の一つです。

14、ハイキックに対するあごの防御法(カラテ) 投稿者:からて 投稿日:2003/09/24(Wed) 15:06 No.427
フルコンタクト空手で左あごにハイキックを食らい、歯医者さんでレントゲンをとったらあごの右側を指して、炎症を起こしているといわれました。運が悪ければ、あごが割れたり、歯が折れるそうです。部室にスーパーセーフ面というのがあるのですが、あごの保護にどの程度効果がありますか?回答してもらえるとありがたいです。

以前空手の全国大会で相手の蹴りを顎に受け、口の中が血だらけになった選手がいました。診察のあと念のため試合後にレントゲンを撮りに行ったところ、下顎骨骨折の診断でプレート固定の手術となりました。
このような例は少なくなく、空手を始め格闘技の選手はある程度の怪我は覚悟の上で試合に臨んでくるのだと思います。
ハイキックで顎を折らないようにするにはまずはしっかりと防御を練習するというのが王道でしょう。柔道の練習が受身から始まるように、空手の練習体系も流派によって違いもありますが、基本動作(受けを含む)から始まるところが多いようです。

スーパーセーフやヘッドギアはあくまで練習や試合でまともに当たってしまったときにダメージを軽減するものであるということをよく覚えておいてください。

格闘技はお互い怪我をさせあうという一面を持っています。
相手にダメージを与えることが目的であるところが他のスポーツと違う点といえるでしょう。
そういう意味では食らっても大丈夫な防具に頼ると、防御の練習がおろそかになったしまう恐れがあります。

練習で無意味な怪我を防ぐという意味では、ヘッドギアの装着やサポーターの着用は有効でしょう。

ありがとうございました。とりあえず、歯医者で作ってもらったマウスピースを使ってみることにします。

15、スパー後の頭痛(ボクシング) 投稿者:kid 投稿日:2003/10/23(Thu) 10:33 No.452
知人の女性(20代前半)について、代理で質問です。
ボクシングを始めて半年程度です。スパー後、よく頭痛がするそうです。スパーは、結構ガンガン頭部に打撃を受けるようです。

以前、同様の症状で病院に行き、特に異常は見られなかったのですが、そのとき医者に、「頭痛が恐いくらいなら、ボクシングを止めた方がいい」と言われ、そういうものだと思い、その後は病院には行っていません。また彼女は真面目で練習好きなので、頭痛がしても練習を休んだりはしていません。

対処方法やアドバイスを、是非いただきたいです。本人に伝えます。また周囲の者にサポートできることがありましたら、教えていただきたいです。

こんにちは!

これはまずいです、いろんな意味で。
問題点がいくつかございますから、一つ一つクリアにしていきたいと思います。
1)入門半年で頭が痛くなるようなスパーリングをやっている
半年で顔面をたたきあうボクシングのスパーは、あるボクシングジム会長に質問しましたところ、「危険すぎる」ということでした。
防御技術や反射神経、筋力などいろいろな要素がある程度レベルアップし、なんども決まった攻防を繰り返してから、マススパーにステップアップしていくのが安全を考えたシステムです。
この点に関しましては、ひょっとして真面目に取り組むご友人のことですから、ひょっとしたら上達も早く、トレーナーとしてもスパーをどんどんやらせているのかもしれませんが、「やったあと頭が痛い」という脳にとって最悪なサインが出ていることに気づいていないとすれば、問題は大きいです。

2)医者に、「頭痛が恐いくらいなら、ボクシングを止めた方がいい」と言われた。
もうこれは、この医者にかかった患者さんがかわいそうとしか言いようがありません。ちゃんとしたスポーツドクターであれば、頭痛があったら練習を休んで、きちんとメディカルチェックを受けるよう指導するはずです。
患者さんの安全も考えず、「格闘技をやめたら?」と簡単に言ってしまう質の悪い医療者がまだまだ多いことは残念でなりません。とりあえずその病院はやめたほうが得策です。早く理解のあるドクターに診てもらってください。

3)彼女は真面目で練習好きなので、頭痛がしても練習を休んだりはしていません。
格闘技の練習において真面目、というのは盲目的に与えられたメニューをこなすことではありません。プロの格闘家、ボクサーは練習の際はなるべく脳にダメージがたまらないように気を配っています。本当に打ち合うのは試合前の必要な一定期間だけ、万が一頭痛が出た場合は休息をとり、脳を揺らさない練習からはじめます。
それ一本で食っていくプロ選手は最大限に気をつけています。(まだまだ不十分な面もありますが)ましてや女性で趣味でやっているとしたらなおのこと、自分の体の状態を客観的に把握しながら、健康、安全に気を配って練習すべきでしょう。

顔面打撃でのダメージは少しずつ蓄積していきます。
脳細胞は一度死んでしまったら再生しませんので、CTをとって異常が見つかったときは相当やばいと思ってください。

もし、あなたがご友人のことを本当に思うなら、彼女を連れて「安全対策に積極的なジム」に見学に行ってみてはいかがでしょうか?

参考になることばかりです。本人に教えたいと思います。
親身になって答えていただいて、本当にありがとうございました。

16、日本拳法での脳と眼の保護について 投稿者:からて 投稿日:2003/11/12(Wed) 01:05 No.462
20歳の男です。日本拳法の道場に通い始めたのですが、マウスピースは、脳の保護にどの程度役に立ちますか?また、マウスピースをつけるの以外に、大事なことがあれば、1つでも多く知りたいです。まだ、組み手をやっていませんが、脳と目の安全がすごく気になります。

こんにちは。

マウスピースは文字どおり口腔内の安全具です。
歯を守る、また口腔粘膜を守るのが主な役目であることは認識いただきたい点です。
確かに、マウスピースの効用として、奥歯をしっかりかむことにより脳のゆれを防ぎダメージを減らす、という広告を見かけることがありますが、実際脳へのダメージは測定不可能なものですし、「KOされないこと」イコール「脳への衝撃が少ない」というわけではないんです。

今回このテーマにつきまして数名の有名格闘家(チャンピオンクラス)にお伺いしたのですが、みなさんおっしゃるには「マウスピースをしていても効く打撃は効く」ということでした。「口の中を切らないように」「かみ合わせをしっかりし打撃の威力を上げるため」といった目的のためにマウスピースを使用されているとのことでした。

脳の保護という点では、
@しっかりとしたディフェンスを身に付ける
A衝撃を食らったときにはしっかり休む
Bヘッドギアを装着する
C練習後(特に頭部にダメージがあるとき)お酒を飲まない
D定期的にチームドクターにメディカルチェックを受ける
などなど基本的な点を守ってみてください。

目の安全に関しては、目を保護するヘッドギアやゴーグル、また親指部分が離れないように縫合してあるグローブ等を上手に組み合わせることである程度防ぐことが可能でしょう。
これも脳同様、もらわない技術練習があってのものです。

指導員とよく相談して安全に練習を進めていってください。

ありがとうございました。頭痛がしたら無理せずやすみ、お酒を飲まないよう心がけます。

17、レーシック施術後のボクシング 投稿者:ともき 投稿日:2003/11/15(Sat) 03:11 No.467
こんにちは、いつも勉強させていただいております。
2年前、レーシックと言う視力回復手術を受け、現在は視力は1.0くらいで安定しております。
半年くらい前からボクシングをはじめスパーリングなどを最近やるようになりましたが、
レーシック後の目(角膜?)の強度はいかがなものでしょうか?
ヘッドギアの上からの目へのダメージについてはどのように考えるべきでしょうか?
アドバイスよろしくお願いいたします。

いつもご利用いただきましてありがとうございます。
あたらしい視力回復のレーザー治療としまして、レーシックという方法がここ数年で普及しつつあるようです。
私どもは眼科の専門ではないので、ある病院の眼科のドクターに伺いましたところ、角膜にレーザーを当てて屈折率を変えることで視力回復を期待する方法であるということでした。

そこで気になるレーシック後の目の強度ですが、
「レーシック後の角膜の強度がレーシック前に比べてどの程度か」といった実験は大規模にはなされていないと思われます。
これはあくまでも推測していくしかないのですが、手術後の強度が手術前を上回ることは現実として考えにくいでしょう。角膜を強化するための手術ではない点、また屈折率を変えるということは少なからず形態上の変化を起こしていると考えたほうが今後ボクシングを続けていく上で安全だと思います。
ヘッドギアの上からの目のダメージですが、目の部分へのガードのないタイプでは、ダメージの蓄積の恐れがあります。
網膜はく離で問題になった、辰吉丈一郎元世界王者の一件以来、ボクシング関係者の間で目の保護の重要性が再認識されたとの話もあり、多くのジムが目を保護できるタイプのヘッドギアを導入しているようです。
やはりボクシングを続けていく以上、目の問題と脳へのダメージは付きまとうものだと思います。
何も症状がなくても、定期的にメディカルチェックを受けることが異常の早期発見につながりますので定期的に眼科での検査を受けていただきたいと思います。
今後も不安な点はどんどん主治医に相談して、安心して練習に励んでください。

18、網膜剥離と武道 投稿者:ふみひこ 投稿日:2003/12/02(Tue) 12:33 No.485
はじめましてこんにちわ!!私は今21歳の男で4年前の17歳の時、強度の近視から右目網膜裂孔、左眼網膜剥離になりました。
今回ご相談したい事は、私でも武術、武道をやっても大丈夫か?という事です。
私は合気道、剣道、柔道をやりたいと思っていて、前回の定期検査の時、先生にやっても大丈夫か聞いてみたところ「手術は4年前だし今、目に異状はないから目や頭に強い衝撃を受けなければやってもいいよ」と言われました。しかし、合気道、柔道では投げられた時に多少、衝撃を受けるだろうし、剣道でも面を受けた時に衝撃を受けるだろうと思い、今回の定期検査で別の先生だったのですがその事を聞いてみました。その先生は「今の状態だったら何の問題もない、でも打撃系の格闘技よりは安全だと思うけど、網膜が薄くなってるところが絶対に大丈夫だ、心配はない!とは言い切れないよ、でもやってみたら」と言われました。
私は合気道、柔道、剣道などの武道をやっても大丈夫でしょうか?そして再発してしまう危険性はどのくらいあると思いますか?
私の他にも目の病気の経験があるけど、武道、格闘技をやってみたい!!でも不安だな〜と思ってる人はいると思います。
最後に、視力回復センターは本当に効力があるのでしょうか?効くなら行きたいと思っています。
先生、どうか良きアドバイスをよろしくお願いいたします。
すみません!もう少し今の目の状態を書いときます。
視力は、病気前、右左0.1 手術後、右0.08 左0.06 今右0.07 左0.1です。飛ぶん症は病気前、手術後より良くなってると思います、でもまだ見えます。手術は右眼レーザー治療、左眼手術です。執刀医は網膜剥離治療の第一認者らしいです。入院期間は約1ヶ月で退院後1ヶ月は激しいスポーツをきんしされていました。網膜剥離になったのは4年前の1999年9月です。スポーツ歴は小学校でソフトボール、小中でバスケットボールをやっていて、武道歴は体育でやった柔道だけです。最後に今、網膜が薄くなっているのは、右左1ヶ所ずつだけど、「今のままだったら何の問題もなし」だそうです。よろしくお願いいたします。

こんにちは、ふみひこさん。

詳しい情報をありがとうございます。
結論からいいますとあなたは武道をはじめるべきです!
しかも自分の一番好きなものを。

確かに格闘技、武道のルールによってもリスクは大きく変わってきます。網膜はく離があれば極力、顔面への打撃は避けたほうが無難だとは思いますが、それについてはご自分の情況をよく理解していらっしゃるようですから問題ないでしょう。

格闘技の安全性を保つにはルールが必要です。しかし、ルールさえ整備されていれば安全性が保てるというわけではありません。
各道場、ジムの安全への配慮や対策、指導員の質といったものが大きく影響してくるのです。ルールは安全性が高いのに、身体のケアについてまったく無知な人が指導している場合もありますし、危険性が高いと思われている格闘技でも安全に最大限気を使っているジムもあります。
対人の武道を行う以上、ノーリスクというわけには行かないとは思いますが、そこは十分なケアとドクターとの連携によって埋めていける、(またあなたに埋めていって欲しい)部分ではないでしょうか?

ですから、道場選びには慎重を期すべきだとは思います。
指導員や責任者にあなたの情況が理解してもらえるか、という一点を明確にし、執刀医の先生に定期的に散瞳検査をお願いしておけば安全に行えると思います。
気になる道場があったら何度も見学や体験入門をして決定してください。
大変な手術を経ても安全に武道を修行できている様子をご報告いただける日を楽しみにしています。

頑張ってください!!!

良きアドバイスをありがとうございます!!先生のアドバイスのおかげで不安がとれ勇気が出てきて武道に対する情熱がメラメラと燃え上がってきました!!
武道を始めたらご報告します!!ありがとうございました!!そしてこれからもよろしくお願いいたします!!
19、頚部脊柱管狭窄症(ブラジリアン柔術) 投稿者:てく 投稿日:2003/12/28(Sun) 21:24 No.506
はじめまして。
私は地方都市でブラジリアン柔術のサークルを主宰している者なのですが、先日ウチの練習生が首が痛いとのことで病院に受診したところ「頚部脊柱管狭窄症」との診断をうけました。日常生活は問題ないとのことなのですが、首に強い衝撃を与えるような事は避けた方がよいと言われ、柔道や柔術は危険ではないか?ともいわれたそうです。本人は19歳の学生で、キャリアは一年少々なのですが大変まじめでやる気のある生徒です。本人は現在の症状があまり深刻ではないので続ける気なのですが、今後どういった事に気をつけなければならないのでしょうか?教えて頂ければ幸いです。

こんにちは!

ご質問の頚部脊柱管狭窄症ですが、読んで字のごとく、背骨の首の部分(脊柱)の神経の入っています管が狭くなってしまう病気です。
首や上肢の痛み、また進行してきますとしびれや感覚障害、麻痺(運動障害)が主な症状として見られます。基本的に薬を飲んだから治る、といった種類のものではない障害です。

ドクターのお話どおり、首はできるだけ安静に保つ方が安全であることは確かです。首に強い衝撃が加わると、症状が一気に悪化してしまう可能性は大きいでしょう。神経が通っているわけですからしゃれにならない部分であることはお分かりかと思います。

ブラジリアン柔術を修行されているということで、現実的には首への衝撃を避けることは難しいことが予想されます。ですから、ドクターのアドバイスはご本人の将来とリスクをを見越した、非常に的確なものであると思います。

ですから、もし本人が本気で続けたいというのであれば、責任ある指導者であるあなたは、主治医のお話を伺ってみてはいかがでしょうか?ドクターは長年いろんな症例を見てストップをかけているわけですから、それなりの理由があるはずです。一方生徒さんにとってもご両親にしても、サークルの指導者の方がご本人の病状を聞きに病院へ同行してくれた、となればきっとこころ強いでしょうし、ドクターの話をよく理解された指導者の方のアドバイスでしたら、きっと素直に聞くと思うのです。

「本人は19歳の学生で、キャリアは一年少々なのですが大変まじめでやる気のある生徒です。」「本人は現在の症状があまり深刻ではないので続ける気なのですが」ということですが、多分今の時点では本人にあまり病識がない上、悪化するとどうなってしまうか冷静に理解できていないのではないでしょうか?。まだ年齢も10代ですし、周りが安易に「大丈夫だよ!」などど同調すると本人も突っ走っていってしまう可能性もあります。
こういう生徒さんだからこそ、周囲が本人にとって本当に大切なことを冷静に見極めてやるべきだと思います。

ご質問の答えになっていないかもしれませんが、ご本人には健康的に強くなってもらいたいと願い、このような返信としています。

大変、参考になるご意見ありがとう御座います。
本人、担当医、家族などと話す場を持ちよりよい方向で考えたいと思います。私自身甘く見ていた所があり、反省しています。今後もこのようなケースが起こることもあるかと思いますので、また相談に応じて頂ければ心強いです。

20、頚椎ヘルニア(総合) 投稿者:ネコマン19歳 投稿日:2003/12/29(Mon) 23:21 No.507
私は、中学生の時に相撲、高校の時アマレスを始め卒業してから、総合をやり始めました。最近パンチを食らった後に、首のあたりがちりちりしたので指導員の方がMRI検査を進めてくれたので、検査しました。その結果、疲労性の頚椎ヘルニアと診断されました。
その病院の先生は、治らないと断言しました。しかし、自分としての自覚症状は左手の小指が少し、しびれている?という小さなものです。本当にもう治らないのでしょうか?

こんにちは!
ご利用ありがとうございます。

頚椎ヘルニアは、首の骨であります頚椎と頚椎の間の椎間板が飛び出してしまう疾患です。
この飛び出した部分が神経の根っこを圧迫してしまい、運動や感覚の障害、痺れなどが出てしまうことが問題となるのです。

「治らない 」というのは、「この飛び出してしまったヘルニアが自然に戻ることはないですよ」という意味の「治らない」と捉えていただいてもいいと思います。そういう意味では確かに治りません。

しかし、ヘルニアが元に戻ることと、症状があることは同じではありません。ヘルニアがあっても症状の軽い場合もありますし、ヘルニアは軽度でも症状の強い場合もあるのが現実です。今からのテーマはいかに症状を抑えるか、ということになると思います。
たとえば、今の季節に多い風邪。風邪はウイルスの感染によって起こるのですが、実は風邪ぐすりはウイルスを退治する効果はありません。ウイルスによって引き起こされたのどの痛みや鼻水、咳、熱といった「症状」を抑えるために薬を飲むことになります。解りやすいたとえではないかもしれませんが、原因の解決と症状の改善はイコールではないことをわかっていただければと思います。

ヘルニアの症状の違いにはいろんな説があるのですが、よく言われているのは神経へのダメージの程度や圧迫部の炎症の有無というものです。薬などで炎症を抑えたら症状が落ち着く場合もありますし、牽引療法(首を引っ張る)が有効な場合もあります。人によっては姿勢を正すだけで症状が軽くなった、なんて場合もありますしいろんな方法を試したがどれも合わず手術をした、という方もいます。

現在の症状は小指の痺れということですが、これは今後ひどくなってきたり、筋力低下を伴ってきたりというリスクがある状態ということは理解すべきだと思います。
今ある症状を保存療法(手術をしない治療法、という意味です)で抑えながら、新しい症状が出ないように、またいまの症状が悪化しないように努め、ヘルニアと上手に付き合っていくという方向性がベターだと思います。

「実はヘルニアはあるが、しびれや筋力低下は軽い状態」で戦っている格闘家も実際にいます。
症状を悪化させることなく、上手に頑張ってほしいと思います。

アドバイスありがとうございます。もうひとつお聞きしたいのですが、今以上に症状を悪化させない方法として首の筋力の強化が効果的と聞きました。しかし自分の場合は疲労性のヘルニアなので、どの程度の強度で筋トレをすればいいのか?また、動かしてもいいのか?判断できません。なにかアドバイスを頂ければ、助かります。

よく、筋肉を鍛える、といいますが首や腰は正しい姿勢をしていれば自然に重力がかかり、強くなるものです。頭は重たいので正しい姿勢を常に意識すること。これに勝る筋トレはありませんし、姿勢が正しければ首や腰の障害は予防できるといわれています。
間違った姿勢のまま筋力をつけてもそれは偏りを生むだけです。
正しい姿勢と適度なストレッチ、これだけでもかなりの症状の軽減が見込まれると思いますので是非トライしてみてください!

アドバイスありがとうございます。正しい姿勢とのことですが、正しい姿勢とは、個人差があると思いますが、どこに行ったら指導してもらえるのでしょうか?

格闘クリニックのメディカルチェックの際には、必ず全体の姿勢を診せていただき、アドバイスさせていただくようにしています。「正しい姿が勢いを生む」という考え方のもと、解剖学的に正しい姿勢を指導させていただいています。
解剖学的に正しい姿勢を覚えると、格闘技への応用も利きますし、首や腰への負担が少なくなります。

ヘルニアと診断されてからもう2ヶ月も立ち、自覚症状がでてからもう3ヶ月も立ちました。最近、頑張って姿勢を正しています。
そのせいか、最近全く症状が出なくなりました。痛みも小指の痺れも全然ありません。練習は打撃のスパーとブリッジ以外は普通にしてました。これは、一時的に症状が治まっているだけなんでしょうか?とても不安です。

症状が出なくなったのは良かったですね。練習後は消炎のための外用剤などを使用して痛みや痺れを抑えるといいと思います。悪くなる前に休みを入れて、無理を重ねないよう気をつけていってほしいと思います。

21、パンチドランカーを予防したい 投稿者:ひろひろ 投稿日:2004/01/02(Fri) 18:13 No.512
私は18歳男です。これからボクシングジムに通いたいと思っているのですが、パンチドランカーについて色々と調べたところ、恐くなってしまいなかなか決心がつかずに迷っていたところ、このページを見つけたので
拝見させていただきました。
それで、スパーリングを軽めにしたら大丈夫だと思ったのですが、先日、自分がパンチを打っただけ(バッグやミットなど)でも脳へダメージが蓄積されると言う話を聞きました。
これは本当なのでしょうか?ぜひ教えていただけないでしょうか。

こんにちは!

ボクシングを始められるということでパンチドランカーへのご心配、ごもっともだと思います。

パンチドランカーになる要因は様々あるのですが、要は脳へのダメージが問題になるということです。
バッグやミットを叩く人々は現実的にはスパーも試合もやる人たちですからバッグやミットだけでどのくらいのダメージが蓄積されるかはよくわかりませんが、一ついえるのは「バッグややミットだけをやってスパーや試合を一切やらずにボクシングでパンチドランカーになった」という話は聞いたことがないということです。

ボクシングを始めるにあたり、一番気にするべきはジムの安全への関心と対策です。これはジムによって大きく差があることは否定できません。プロボクシング協会としての規約はありますが、練習体系や安全対策は各ジムにより様々ですから、気になるようでしたら事前によく話を聞いてみるのも良いかもしれません。

よく選手の間で言われているのは、「打たれ強いやつはパンチドランカーになりやすい」ということです。
パンチをよけたりかわしたりせず、まともに受けてしまう選手はリスクが高いということなのでしょう。
ドランカー予防としては
@確実なディフェンステクニックの習得
Aレベルにあった適切な練習内容と頻度
B適切な防具の使用(ヘッドギアやグローブのチョイス)
C十分な休養(特に異変を感じたとき)
D定期的なメディカルチェック
Eジムの方針やトレーナーの意識

これらの点に気を配ってより安全にボクシングを楽しんでいただきたいと思います。

的確なアドバイスありがとうございました。
地元には二つしかジムがないですが、見学してしっかり話を
聞いてから、よく考えて入会したいと思います。
また機会がありましたらよろしくお願いします。
ありがとうございました。

22、頚椎(レスリング)投稿者:通りすがりの者ですが 投稿日:2004/01/29(Thu) 13:48 No.547
レスリング歴16年の28歳です。
タックルに入ると首に強い衝撃がはしり、左腕全体がしびれます。ブリッジなどで首の強化したほうがよいのでしょうか、もしくは他に適切なトレーニング方があったらご指導いただきたいと願います。

こんにちは!

格闘クリニックにお寄り頂きまして誠にありがとうございます(笑)
レスリングやアメフト、ラグビーなどは頚椎にかかる負担が大きく、慢性的な障害を抱えている選手が多いようです。
首の障害の重傷度の見分け方ですが、筋肉の痛みが一過性に見られる場合は安静と消炎で様子を見る場合が多いのですが、腕や手指のしびれや感覚の異常、筋力の低下などを伴う場合は専門医を受診の上、MRIなどの検査を行った方がベターだと思われます。
長年の練習で頚椎と頚椎の間の椎間板がつぶれ神経を圧迫されたり、神経が引き伸ばされたりしているケースでは、しびれや筋力低下といった神経を原因とした症状が出てしまいます。これらの症状はスポーツはおろか、日常生活まで傷害してしまう恐れがあるため要注意です。
まずはしっかりした診断をしてもらうべく、詳しく頚椎を調べてもらいましょう。
その状況により、牽引療法(頚を引っ張る)や消炎、薬の服用などの保存的治療で症状が回復する場合があります。
また頚と頭の位置でしびれの症状は大きく変わってくるケースがあります。普段から正しい姿勢をとり、首への負担をなるべく減らすようにしていきましょう。
首の状態が詳しくわからない状態での筋力強化は逆効果となる場合があります。ブリッジは頚椎間が狭くなってしまう運動ですからかえって症状が強くなってしまう恐れがあります。
現段階ではゆっくりとしたストレッチが無難だと考えます。
まずは診断をつける意味でも受診をお勧めいたします。
診断がつきましたら、実際のトレーニング法をアドバイスさせていただきます。

23、脳を休める期間(日本拳法) 投稿者:からて 投稿日:2004/02/05(Thu) 00:30 No.557
日本拳法の防具練習を、1週間に2回、水曜日と土曜日に、約30分ずつやっています。防具練習の後は、頭に違和感があったり、頭が痛くなるのですが、この3日と言う期間で、脳はどの程度、回復できるものなのでしょうか?

脳を休める期間は、脳の受けたダメージによります。
水曜日のダメージが土曜日にも残ってしまっているようであれば、あまりいい状態ではないでしょう。

練習のペースは人それぞれですから、自分の体のダメージを見極めて指導者の方に相談してみてはいかがでしょうか?

ありがとうございました。前は、休憩なしで、黒帯の人と、二人だけで、防具練習していたのですが、まめに2、3分程、休憩を入れると、頭の痛みが前よりましになりました。


24、あごの痛み(日本拳法) 投稿者:からて 投稿日:2004/02/03(Tue) 23:17 No.554
日本拳法を始めたのですが、防具練習の後、2、3日は、あごの関節が痛くて、硬いものが食べられません。また、あくびをすると痛いです。何か良い方法はないでしょうか?
歯医者さんのマウスピースをつけて防具練習しても、次の日は、あごの関節が痛みます。
男、21歳、フルコンタクト空手半年、日本拳法3ヶ月です。アマチュアです。試合経験なしです。もうすぐ日本拳法の試合に出ます。

格闘技ですから多少の痛みには耐えなくてはなりません。

格闘クリニックは、怪我に耐え、怪我と真正面から戦っている皆さんのためにあります。怪我を軽く考えることなく、強くなるために避けられない問題として捉え対策を立てていく、そういう意識で怪我を捉えて欲しいのです。当サイトは決して怪我から逃げる人のためにあるわけではありません。
いろいろな怪我の中で、慢性化したり弱点となって格闘技への夢をなくしてしまうことがないが無いように正しい知識を学び、皆さんの強さに役立てて欲しいと思っています。

格闘技をやる以上、怪我に対するある程度の覚悟は最低条件としてもっていていただきたいですし、日本拳法を志す以上防具練習に耐えられないと成り立たないと思います。
「何か良い方法」の答えはあなたの中にあります。
他の格闘技で頑張っている皆さんの戦いの奇跡を格闘クリニック内にたくさん見つけて、ご自分の強さのヒントにしていただきたいと思います。

25、ボクシング、日本拳法の脳へのダメージ 投稿者:ひろ 投稿日:2004/02/28(Sat) 22:21 No.586
以前、ボクシングでの脳へのダメージの質問ではお世話になりました。
今回も脳へのダメージについての質問なのですが、最近自宅近くに日本拳法の道場があることを知り、詳しく日本拳法について調べたところ非常に興味を持ち、とてもやってみたくなりました。
ですがやはり脳へのダメージは非常に心配です。日本拳法は総合格闘技ですので頭部への打撃の比率は
ボクシングに比べて少ないですし、面をつけての組手なので脳へのダメージは非常に軽いと思うのですが、本当のところはいかがなものでしょうか?
また、自宅の近くの道場での稽古は週に1回なので、あまり脳へのダメージは深く蓄積しないと思っているのですがどうなんでしょうか?ぜひ教えて下さい。

こんにちは!ご質問いただきましてありがとうございます。
実は今春より、都内で格闘技専門外来&リハビリテーションをスタートいたしました。その開設準備にばたばたしていたので、お返事が大変遅くなりました。誠に申し訳ありませんでした。

さて、ご質問の脳へのダメージですが、なかなか難しい問題があります。ご指摘の通り、ボクシングはグローブを着用して顔面を殴りあう競技ですから確かに顔面への打撃の比率は大きいです。ですが、ボクシングは協会を上げて安全体制や医療体制を高めているのも事実です。例えばKO負けした選手の一定期間の出場停止、プロライセンス取得のための徹底したメディカルチェックなど、規律もしっかりしている印象を受けます。
また、防具をつければ表面的な外傷は無くなりますからダメージが少なそうに見えるのですが、実は防具をした上で打撃を受けますと衝撃の逃げ場が無くなり、衝撃が中心に集まってしまうという報告もあります。実際に選手サイドから、面を使用することによる頚椎の痛みや頭痛などの訴えを耳にすることもあります。
「安全なルール=安全な格闘技」というわけではなく安全に対する体制や選手自身の意識も重要なファクターになることを知っていていただきたいと思います。

強くなりたい、と願う選手、特に若い選手は安全面にまでなかなか気を配れない面もあると思います。そのようなときに安全面や健康面を指導的立場の人間がしっかりと観察し正しいアドバイスを行うべきでしょう。

脳のダメージは自覚しにくいですし、自覚症状が出たときにはあまりいい状態ではないことはお分かりかと思います。
今から始められるのであれば、しっかりとした技術、特にディフェンス能力を身に付けることが最も本質的な安全対策と考えます。また、コンディションの悪いときは練習内容をアレンジすることも大切です。脳のダメージが残っているのに無理して練習し、結局身体を壊して引退していく選手は後をたちません!練習ペースも最初のうちは無理のないペースで行い、技術と基礎体力の向上と共に練習量のUPを考えてみてはいかがでしょうか?

格闘技を志す皆様には、安全、健康のもとに強くなって欲しい、と心より願っています。またのご報告を楽しみにしています!

ご丁寧な解答ありがとうございます。
またも非常にためになるアドバイスありがとうございます。
やはりここのアドバイスはとても参考になりますので
今後も活用させていただきたいと思います^^
ありがとうございました。

26、脳のダメージと勉強
ボクシング、日本拳法の、脳に対するダメージが心配です。私は学生で、勉強と格闘技の両立をしたいと考えています。ボクシングをしていて、実戦練習はマススパーを連続でやったり間隔が大分空いたりしながらで300R前後、スパーは相手が強く打ってきたのを含めると、6〜30R位だと思います。勉強が好きで、理解力、記憶力が減ることに対する恐怖をもっています。ボクシングはプロのライセンスをとるまで、ということで、自分を納得させることができたのですが、最近、日本拳法に興味を持ちました。週1でボクシングと掛け持ちしてみようとすら、今、思っています。ボクシングをやめた後の格闘技として、日本拳法は最適だと思いました。しかし、防具をつけても、脳の保護には必ずしもなっていないとのことで、実際、ボクシングとどちらがより脳に悪いのだろうと思いました。勉学(研究)にどの程度影響があるのでしょうか。短期間のアマチュアボクシングというのも、やはり危険なのでしょうか。空手や柔道は、随分と脳へのダメージが少ないように思います。私は生物系の学生で、数学は大事だ、と考えているものです。
23歳で、浪人中にボクシングを始めました。毎日練習に行っている時期もあれば、週1日程度の時期もありました。大学に入ってから、柔道部に入り、昼休みを中心に練習をしていました。ボクシングをすると、理解力、記憶力が落ちて、授業についていけなくなると思い、柔道を始めてみたのですが、柔道どころか、ボクシングまで素人といわれ、もっとボクシングを続けようと思い、3か月で部をやめ、去年7月からは、だいたい毎日ジムに行っています。プロテストを受けたい、という意思表示はしていますが、マスボクシングがとびとびでしかできず、いつ受けられるかは、全く分からない状態です。逃げになるのが嫌で、また、状況が変われば、プロテスト受験の方向に進むかもしれないと思い、続けている状態でしたが、ライセンスをとらなくても、ボクシングをやった、と思えるようになり、劣等感を拭えることができました。これが僕のキャリアです。ボクシングが好きで、格闘技を長く続けたい、と思っていますが、勉強こそ大事だと思っています。学業にどの程度影響があるのか、わからず、投稿させていただきました。

くわしい情報、ありがとうございます。

脳振盪の症状のひとつとして、記憶力の低下があります。
実際に勉学にどれほどの影響があるかということを調べたデータはみたことがないのでわかりませんが、記憶がなくなるような症状がでてくるような場合は、病的状態と考えられます。
脳震盪はボクシングに限らず、一般スポーツでもみられますから、「脳に対する安全対策を講じずに、症状がいろいろでているのに無理して続けている」という状況は問題ですが、「ボクシングをすると理解力、記憶力が落ちる」というものではないと思います。

表題をあります、勉学との両立ですが、勉学、格闘技それぞれどのレベルでどのくらいの結果を成功とするかの価値は人それぞれです。
レスリングオリンピック銀メダリストの太田章先生は、早稲田大学の講師をしながらオリンピックに出場されたそうです。
現在は助教授として研究しながら、指導者としてもジャッジとしても活躍されています。

ご自分の将来のイメージができていれば、両立も不可能ではない、と私は信じています。

回答ありがとうございました。

27、総合格闘技と頚椎ヘルニア
投稿者:ジョージ 投稿日:2004/03/18(Thu) 13:01 No.601

総合格闘技をしているものですが、今年1月末頃、首を痛め整形外科や整体などに通っていたのですが治るどころか痛みがひどくなる一方だったのでMRIを撮ったところ「頚椎ヘルニア」と診断されました。以前は何もしなくても疼いていたのですが注射や鎮痛剤などの薬で疼きはほとんどなくなり、かわりに左腕に痺れがでてきました。でも、痛みがだいぶ軽くなったので最近足腰のみの軽めの筋トレを開始しました。そこで質問なんですが、痛みが軽くなったからといって軽めでも体を動かさないほうがいいのでしょうか。もし動かしてもいいのでしたらどのようなトレーニング方法がいいのでしょうか。また、頚椎ヘルニアになった人でも回復すれば格闘技をできるようになるのでしょうか。長々とすいません
 29歳、男性です。約10年前から格闘技を習うようになり、空手やキックボクシング、総合格闘技など様々な格闘技を習ってきました。ここ4年ぐらいは柔術、脩斗、ボクシングを習っており、アマ脩斗の試合を8戦、柔術を9戦しています。
 今年の1月末に胴衣を使った締め技の練習をした夜、首を動かした時に痛みを感じ、翌朝、痛みがひどくなるとともに首から左肩にかけて筋肉が張るような感じがありました。整体に行ったのですが痛みが治まらないので整形外科に行ったところ「頚椎捻挫」と診断されました。薬で治療を続けていたのですが、治るどころか動かさなくても疼くようになり、夜も疼きであまり寝れなくなりました。その間も整体や針治療、別の整形外科に行ったりしていたのですが、一向に回復しないのでMRIを撮ったところ「頚椎ヘルニア」と診断されました。今は薬治療や安静にしていた甲斐もあって痛みはかなり治まって多少動かしたぐらいでは気にならなくなりましたが、左腕に痺れが出てきました。最近、足腰だけの軽めの筋トレを始めましたが、やはり運動したときは軽い痛みと疼きがあります。
 痛みが治まったからといって、今の状態では軽めでも運動しないほうがいいのでしょうか。もし運動してもいいならばどのようなトレーニング方法がいいのでしょうか。また、頚椎ヘルニアになった人でも回復すればまた格闘技ができるのでしょうか。よろしくお願いします。

こんにちは!

頚椎ヘルニアとは、変性した椎間板によって神経根が圧迫され、筋力と低下と感覚障害、上肢の痺れなどが出現する病態です。
保存療法(手術をしない)で症状を抑えつつ、進行を防いでいくというのが正しい方向性だと思います。
運動の時期ですが、症状が無くなって、主治医から運動の許可がでてから方がいいでしょう。
やっていい運動とやってはいけない運動がありますが、基本的には頚部に大きな負荷のかかる運動は危険を伴いますので気をつけたほうが良いです。リハビリメニューは医療施設によりまちまちですが、私どもはストレッチと牽引、徒手による筋力強化と上肢のトレーニングを主なメニューとしています。

格闘技復帰ができるかどうかですが、競技でガンガン結果を出す、というステージはリスクが大きすぎると思います。いまより悪化しますと、日常生活が脅かされてしまいますし、無理して格闘技をやってしまい、取り返しのつかない事態になった挙句、格闘技をやったことを後悔することがあってはなりません。
格闘技を健康のために、安全に行うことは、病態にもよりますが不可能ではないかもしれません。(そのためのお手伝いは喜んでさせていただきます。)
ひたすらリングの上での強さを求める格闘技だけでなく、怪我や病気を抱えても楽しく練習できる格闘技があってもいいのではないか、と思います。
プロ選手の中には、頚椎ヘルニアでも戦っている方はいます。職業病といってしまえばそれまでなのですが、よく選手にリスクを説明し、選手寿命も考えて練習や試合のプランを組んでいます。
後遺症の残る可能性のある障害こそ、選手とジム、チームドクターとの連帯が問われてくると考えています。

28、拳と頭部
アマチュアの男、21歳です。以前は、フルコンタクト空手半年、現在、日本拳法を4ヶ月しています。試合成績は、現在、日本拳法1敗です。日本選手権に出ているすごい人は、拳の保護のため、グラブの内側に拳サポーターやテーピングをすることを勧めてくれるのですが、拳の体積を増やすのは、相手にとって危険じゃないのでしょうか?危ない気がするので、面に当てるときは、あまり拳の体積を増やさない方がいいのでしょうか?

こんにちは。

キックやボクシングでも、テーピングやバンデ−ジで拳の保護を行います。これはあるキックボクサーから伺った話ですが、昔はバンデージをきつく巻き、固くしている選手が多かったそうです。このようにすると、打たれたほうは石で殴られたようなダメージを負うのですが、これはある時期から禁止となり、バンデージチェックも厳しくなったようです。

日本拳法は基本的にはポイント制の格闘技ですし、面を装着しているため、キックやボクシングとはまた条件が大きく異なると思います。練習の過程でいろいろなパターンを試してみてはいかがでしょう?

ありがとうございます。やはり、拳の周りを硬くしてしまうことは、相手のダメージになるのですね。

29、テコンドー、顔面パンチのダメージ
初めてメールさせていただきます
1、女性
2、34歳にて現役
3、テコンドー 3年目にて2部出場中
4、フルスイングで顔面パンチをもらい、面をかぶっているので、顎に力が集中し、ものすごいアザができました。その日は、顎の付け根がひっかり、口があけられない状態に…歯も食いしばる事ができずです。何もしなくても、鈍い痛みが続き、頭痛も伴います。一ヶ月以上たっていますが、どうなんでしょう…思うように組手は、できないは、医者もどこに行けば良いのか、解らなくて、大変悩んでいます。以上宜しくお願い致します

ご利用ありがとうございます。

練習や試合で怪我をして、どの病院のどの科にかかっていいかわからない、ということはよくあることだと思います。ましてや格闘技で怪我をしたとなると練習復帰までどのようにすごしたらいいのかまでアドバイスをもらうことはむつかしいと思います。

お話ではフルスイングで顎にパンチを受けたとのことで、顎関節のチェックは必要となるでしょう。口腔外科が専門科になりますので口腔外科のある総合病院で診察、検査、治療を受けられるといいかと思います。
また頭痛を伴うということで、脳へのダメージも気になるところです。脳へのダメージは自覚しにくい上に、外から見てもわかりにくいため見過ごされがちですが、首から上に大きな衝撃を受けたらすぐには練習に復帰しないというのが原則です。24時間一人にすることなく誰かが様子を見て、変化があった場合は必ず脳外科を受診すべきです。(詳しくは格闘技外傷マニュアルをご覧ください)

怪我を負ってしまった場合は、かかりつけ医に相談して適切な医療機関を紹介してもらうか、総合病院の初診受付でよく状態を話して然るべき専門科にまわしてもらうとよいと思います。

格闘技専門外来にもおかげさまでいろいろなジャンルの格闘家が健康相談にいらっしゃいます。
ひざや腰の痛みから、内科系の疾患まで様々ですが、ここのケースに適切な治療が受けれるように当院から専門医を紹介させていただくこともしばしばです。

一日も早く適切な治療を受けられて、安全に再開されることをお祈りしています。

早速の返信ありがとうございました
大変、参考になりました。

顎関節のチェックをしていただきました。
歯の磨耗も激しいとのことで、マウスピースを作成していただくことになりました。頭痛の方は、首の方からきているとのことで、異常なしでした。


30、喉の症状(相撲)
相撲取りの友人の相談です。のどわ?(手で首を押す技)で喉をつぶしてしまい声が出づらくなったそうです。一年ほど前から症状が改善しません。当初、風邪をひいていた為そのせいだと思い内科に通っていましたがいっこうに改善せず、常に喉にひっかかり感があるそうです。声もかれてしゃがれごえの様な状態です。いわゆるおすもうさんの真似をするときのような声です。何科を受診すればよいのか、どこか良い病院があれば教えて頂きたいです。

のどの異常でしたら、耳鼻咽喉科が専門家になると思います。
「のどのひっかかりが気になるので原因が知りたいのですが」と相談すれば検査をやってくれるのではないでしょうか?

1年も症状が変わらないのでしたら、風邪は少し考えにくいかもしれないですね。

ご友人の状態が病的なものかどうかはわかりませんが、受診してみると安心されると思います。

もし原因がわかりましたら、またご報告いただきたいと思います。

31、顔面打撃と網膜剥離の予防
はじめまして、フルコンタクト系の空手を4年間やっている19歳の男です。最近キックボクシングに挑戦したいと考えているのですが、やはり顔面への打撃もあるので網膜剥離のことを考えると恐いです。そこでいくつか質問させていただきたいのですが?
 ヘッドギアなどを着用することによって多少の予防効果はあるのでしょうか?また、実際にボクシングなどをしている人の何割くらいが網膜剥離になっているのか、おおよそで良いので教えていただきたいです。
 それと、網膜剥離を予防するために役立つ知識などがあればそれについても教えてくださ
い。

ご利用ありがとうございます。

網膜はく離は、ご存知の通り眼球への刺激により発生する頻度が上がります。
ボクシングにおける目の外傷については実は1980年代最初までは「ボクシングでの網膜はく離はあまり多くない」とする研究結果の報告があったくらい、徹底的に追及されることがなかったのが実情なのですが、最近になっていろいろな研究がなされるようになってきました。

日本でも辰吉選手の一件(網膜はく離によりいったんは協会より引退を勧告されたものの特例として条件付の復帰を果たした)からボクシングと網膜はく離が一般的にも浸透してきたといえるでしょう。

気になる網膜はく離の発生頻度ですが、アメリカで55名の元ボクサーを調査したところ8.2パーセントの選手に網膜はく離を含めた目の異常を認めた、との報告があり、一般に比べて少ないとはいえない数値だと思われます。
また、負け試合数と網膜裂孔(網膜はく離の前の状態)は比例するという報告もあります。5試合に負けると網膜裂孔の発生率は20パーセントを超える、また出場試合数が75試合を超えると網膜裂孔の発生率は70パーセントを越えるというデータもあります。

予防としては、まずは定期的な眼科検査でしょう。散瞳検査といって薬剤で瞳孔を開き、眼底を観察する検査がもっとも必要な検査といえます。ボクサーの多いニューヨーク州のボクサーはライセンス更新時、試合後眼の異常が疑われた場合は必ず散瞳検査を受けるよう義務づけられています。
ただし、現実的に組織として検査を受けるシステムはなかなか難しいですから、私どもの抱えている選手の場合、目の異常が疑われた場合は必ず眼科を紹介し専門医の受診させています。

個人レベルで予防するとすれば、やはりヘッドギアとグローブの工夫ということになります。目を覆うタイプのヘッドギアを着用すれば格段に目へのダメージは少なくなります。練習時視界が狭くなってしまうという欠点はありますが、視界が狭くても反応できるというのは実はすごい能力ですからうまく活用していくと良いでしょう。
グローブは親指部分が縫い合わさったものが安全性が高いです。親指が離れたタイプのものは目に親指部分がぶつかりリスクが高いと思われます。

網膜はく離は、剥離の前段階であります網膜裂孔の時点で早期に発見、治療すれば予後はかなり良いといわれています。
視力低下を感じたり、試合が立て続けにあったり、負けがこんできたときには検査をするというのが一番だと思います。

いま、格闘技は何度目かのブームを迎えていますが目の検査までちゃんとやっている団体はほとんどありません。
私たちはせめて担当の選手には、安全で充実した格闘生活を、また引退後も楽しい人生を送ってほしいとの思いから、定期的なメディカルチェックを行っています。

キックへの挑戦が充実したものになることをスタッフ一同心より願っております。

丁重な説明ありがとうございました!
ここまで親切に答えてもらえるなんて嬉しかったです。
おかげでキックに挑戦してみよう、という気持ちになれました。定期的な検診なども受けて注意しながら取り組むつもりです。。今回は本当にありがとうございました。


32、歯並びと格闘技
自分は歯列が良くないのですが、歯列とパワーは関係しているのですか?それと、やっぱり格闘かにとってそれは、改善すべき点でもありますか?教えてください。17歳、スポーツ空手、男です!

こんにちは!

歯並びとパワーは非常に大きな関係があります。
かみ合わせがよくないと、顎関節のアンバランスが生じるのですが、顎関節がバランスを失うと全身のバランスを失う可能性があります。
バランスを失った状態では十分なパワーを発揮できないことは空手をされていれば実感されることと思います。

また奥歯がしっかりかめないと筋力は発揮しづらいです。
ほとんどの一流格闘家が奥歯がぼろぼろになっており、歯科的な処置を施している点も逆説的に歯並びの重要さを教えてくれます。

先日ある柔術の選手で歯並びおよび噛みあわせが悪いことの相談を受けました。この選手はアマとしての実績もあり、技術的にもすばらしいのですが「あと一歩の粘りが欲しい」との希望でした。早速専門の歯科医に相談したところ、歯並び、かみ合わせの治療をかねたオーダーメードのマウスピースを作成。これが本人にもぴったりだったようでその後の練習ではすごく調子が良いと言っていました。

私はすべての格闘家が歯並びや噛みあわせを良くしたほうがいいとは思いませんが、必要を感じる選手には改善を試みても良いのではないかと考えています。

33、頚椎ヘルニアと柔術
はじめまして。24歳の男性です。私は21歳の時に柔術を習い始め、ルールとしては反則なのですが、練習中にマットに首から叩きつけられてしまい、首を痛めてしまいました。その時はしばらく安静にして、しばらくしてからまた練習に復帰しました。最初のうちは時々痛くなったりもしたのですが、そのうち特に痛みは感じなくなりました。しかし、その1年半後くらいに、スノーボードでジャンプをした時に、転んでしまい、また首を痛めてしまいました。しばらく安静にし、ちょっとずつはよくなって入ったのですが、なかなか治らないので、我慢できずに柔術の練習に行ってしまいました。スパーリングがはじまるとまた徐々に痛みが出てきて、その日は我慢して練習をしたのですが、次の日の朝、激痛で目が覚めて、病院へ行き、そのまま入院してしまいました。診断は首の椎間板ヘルニアでした。その時は、激痛で体を垂直にすることもできず、寝ていても時々痛くなったりしました。右手は筋力が低下してしまい、先生にはあともう少しひどい状態だった場合は手術だったと言われました。その後はしばらく安静にしていて、徐々に回復し、入院から1ヵ月後には普通に歩けるようになり、3ヵ月後には走れるようになりました。それでも、走った後は少し痛くなる時もありました。今は入院から1年半、柔術は一切やめ、首は普通の生活をしているぶんには何の支障も無くなりました。しかし、先生にはもう柔術はやめたほうがいいと言われましたが、私はどうしてももう一度柔術がやりたいと考えています。先生はもしやりたのであれば首を鍛えて太くしてからやりなさいとのことでしたが、親はもうやらせたくはないみたいで反対しています。一度傷ついた神経はもう治らなず、次に痛めた時は寝たきりになる可能性もあるとも言われ、かなりリスクが高いということで不安もあります。今は首の筋トレを少しずつしています。ストレッチもしようとは思うのですが、首を曲げたりすることで痛くなるのが怖くてやってません。また、最近は走っても痛みは感じません。そういった状態なのですが、もう柔術をすることは不可能なのでしょうか?
また、もう一度道場に通ってみて様子を見てみようかとも思っているのですが、それは可能でしょうか。通ってみてやはり痛くなってしまって無理だと感じた時はあきらめようかと思っています。それとも例え様子見でも柔術をやるのはやめたほうがよいのでしょうか?また、もしやれる可能性があるのであれば、どのような準備をしたらよろしいのでしょうか(例えば首の鍛え方やストレッチなどの仕方等)?以上のことについてアドバイスしていただけるとうれしいです。よろしくお願いします。

格闘技はある意味麻薬です。

やめなければと頭ではわかっていても、格闘技を体験し、その魅力に取り付かれてしまった者にとって容易にやめられるのもではありません。

とはいえ、日常生活あっての格闘技であることも事実です。
日常生活に要求される身体能力のはるか上にあるレベルを求められるのが格闘技です。

頚椎椎間板ヘルニアということで、
@日常生活
A軽いスポーツ
B頚部のストレッチと筋力トレーニング
C筋力低下部分の筋力アップ

まずはこれらを問題なく行えるように頑張ってみるとよいでしょう。
柔術は首をとられたとき、自分が下になった時に頚椎に少なからず負荷がかかってしまいます。

もし復帰なさるとしても、十分なリスク管理と注意が必要だと考えます。

34、首の怪我と予防的トレーニング
初めて投稿いたします。空手暦3年半の27歳男です。最近は柔術も始めました。
以前、寝ていて首を寝違えたのですが(かなり痛みが激しく、歩くのもやっとのほどでした。)、それ以来何度か首を痛めるようになってしまい、最近始めた柔術の練習で、再発してしまいました。
相手が力の強い人で、下からずっとヘッドロックのような不自然な形で締められていたために、痛めたようです。
今は毎日首から僧帽筋、背筋をアイシングしていますが、なかなか鈍痛がとれません。
一応接骨院の先生のアドバイスに沿ってリハビリをやってますが、空手の試合も近いので、練習もしないと不安です。また、ケガのしにくい体になるためのトレーニング方法はどのようなものがありますでしょうか?

ご利用ありがとうございます!

怪我した際の応急処置として「冷やす」という処置があり、格闘技の会場でも最近はいたるところでアイシングしている光景がみられます。
アイシングは炎症を最小限に抑える効果と痛みを感じないようにする麻酔的効果が期待できますが、原因となっている痛みを取り除く効果は期待できません。

首の場合、痛みが長く続く、手や腕が痺れる、筋力の低下が見られる、といった場合は神経のダメージも考えられますから専門医受診をすべきでしょう。

さて、怪我をしにくい体になるトレーニング法ですが、メディカルトレーニングでは
@頚部のストレッチ
A頚部の筋力トレーニング
B上肢のトレーニング
C怪我をしないための動きの研究
といったものを中心に行っています。
ストレッチは、首の可動域に偏りがないように屈曲・伸展(うなずく方向)、側屈(首をかしげる方向)、回旋(左右に振り向く方向)へストレッチを行っています。
筋力は、ごく軽い負荷をマニュアルで掛けながら行います。
強い負荷は首に関しては危険度が高いですから注意が必要です。
上肢の筋力が低下してしまっている場合は、上肢のトレーニングを主に筋の連動を意識してやっています。実際に頚椎ヘルニアを持っているキックの選手で、上肢のトレーニングを一月継続したら握力の完全が見られました。
動きとしては、首一点に大きな負荷がかかる動きを避けるようにしていくということです。柔術の選手で首に不安のある選手にうかがうと、首をとられたときに首と体幹を離さないように、体幹と首を一体化させて動くように気をつけることで多少リスクが減るとのです。

怪我をしにくいトレーニングというのは、非常に大切なテーマです。一度でも試合に影響が出そうな怪我をしたことのある選手でしたら、「予防のためのトレーニング」の重要性を理解されるはずです。

メディカルトレーニングでもいろいろな予防トレーニングをやっておりますので今後何かの形で紹介できたらと考えています。

症状を悪化させることなく、試合に向けて頑張ってください!!

35、カラテと網膜はく離
はじめまして。35歳(男)です。網膜剥離の事で質問があります。ご回答頂ければ有難いです。
12年前に強度の近視から?(正確には原因不明です)網膜剥離になり左目の手術を受けました。すでに完治していて、3ヶ月に一度眼底検査を受けるようにしていて、再発もありません。頭部に衝撃がある運動は駄目だとわかっていたので、普段はフリークライミングとジョギングをしています。(5年間位)最近では、もう12年過ぎれば目の調子もよく、昔から始めたかった空手を習いたいと思っているのですが、無理でしょうか。顔面だけは寸止、後は何でもありです。指導者の方にも聞いたのですが、顔面寸止めとはいえ、当たってしまうこともあるので、必ずしも安全とは言えないとのことでしたが。昔からの思いなので始めたい気持ちと、再発防止を考えてやらない方が良いという気持ちがああります。実際問題どうなんでしょうか。同じような状況で始められる方とか過去いたでしょうか。変な質問になってしまってすみません。

ご質問ありがとうございます。

最近では、昔からあこがれていた格闘技をやりたい、過去やっていた格闘技をもう一度やってみたい、という方からの質問もいただくようになりました。
現役選手のみならず、幅広い層に当サイトをご利用いただいていることをスタッフ一同大変うれしく思います。

さて、網膜はく離はすでに完治されているとのことで、あと格闘技(空手)をやる際に気になるのは再発をいかに防ぐかという点であることは明らかです。
空手にはたくさんの流派があり、それぞれ特徴を持ったルールがあります。私自身、伝統派、フルコン、アメリカンカラテ、極真と様々なルールを体験しているのですが、ルールにより安全性はもとより怪我をする部分がまったく異なるのです。例えばアメリカルールだとローキックがないので脚は痛めないのですが、顔面へのパンチががんがん飛んできます。
極真ルールでは、なれないうちは組手のたびに全身が打ち身や打撲だらけになることもあります。(それが充実感につながったりするから困ったものですが)
いわゆる寸止めは、実際寸止めがきかなかったりすることがありリスクはあります。
また顔面への手による打撃を禁止しているルールの場合、反則で顔に当たってしまうことは試合ルール上よくあります。とはいえ眼に限定して考えれば、グローブをつけて殴りあうボクシングやキックに比べるとまだリスクは少ないのかな、と思います。

空手の世界では、網膜はく離の検査などはほとんどの団体で行われていませんので、個人で検査を続けることになります。
私の知人で、網膜はく離の既往があり、指導員や練習仲間の理解を得ながら練習している方はいます。その方はいわゆる顔面パンチなしの極真ルールを練習されています。

空手にはいろいろなルールがあり、統一感がない印象がありますが、逆に言えばやる側の選択肢は増えるということですからいろいろ見学してみて決めてみてはいかがでしょうか?

せっかく始めるのですから安心して強くなっていただきたいと思います!

36、ボクシングと眼筋麻痺
私はアマチュアでボクシングをしている大学生です。戦績は9勝3敗でキャリアは三年程です。知り合いに聞いてこのサイトを知りました。自分としてはなんとしても復活したいと思い、いろんな人の意見を聞いて参考にしようと考えております。
 今年の5月にスパーリング中に左フックをもらってしまい、それ以来、右目眼筋麻痺の状態です。MRIで見ても視神経に異常は見られないが、症状から推測すると、視神経のどこかが痛んでいるのだろうということです。医者が言うには手術するレベルではなく割と軽症の方であるという事です。薬による治療を現在も続けています。当初は近い距離の文字を見るのも二重に見えたりして大変でしたが、今はだいぶ改善が見られ日常生活には普通にしています。ただし、遠い距離のものを見るときはいまだ、二重に見えてしまいます。

単刀直入に質問を載せたいと思います。
【眼筋麻痺でボクシングをしても大丈夫なのでしょうか?】
自分としては今の症状なら、試合はできるとおもいますが、医者には、もうボクシングはするな。もし、視神経が切れても知らないぞ。と言われました。しかし、医者は元からボクシングを薦めるわけないですし、もしもの時に責任を問われるのが嫌だから反対するだけに見えます。中には真剣にこちらの意見を聞いてくれるひともいますが・・・カムバックしたと言う戸高選手も、もっと目が悪化するかもしれないと覚悟した上で試合に臨んでいたのでしょうか?僕は、一生、目に障害を追ったまま暮らしていく自信はありません。(今以上にはるかに悪化した場合)ましてやアマチュアボクサーですから、自分が満足する意外何も得るものはないかもしれません。しかし、自分の目標としていた夢の途中で挫折してしまった形で、完全にボクシングへの思いを捨てきることができません。そこで今回このようなメールを送らせていただきました。どうか、勝手なお願いですが、よろしくお願いします。
年齢は23歳で、男です。

こんにちは!

この度はかくくりをご利用いただき、誠にありがとうございます。
眼筋麻痺でボクシングをやっても大丈夫なのでしょうか?というご質問ですが、
答えは「大丈夫ではありません。」

もしものときにあなた自身に責任を追う覚悟があるとしても、やめたほうが良いと思います。

私がやめたほうが良いという理由、それは責任問題でも、怪我の大きさでもありません。

あなたがアマチュアボクシングに出会い、目標を持ち、今日まで頑張ってきたことは、素直に認めます。
ボクシングに出会ったからこそ、いろんな経験をし、強くなる喜びを知ったことでしょう。

今後、試合に出て、眼に障害が残ったとき、あなたはそれでもボクシングが大好きでいられる自信がありますか?
完全に右目が見えない状態でも、試合を続けた自分を100パーセント評価できますか?
将来結婚し、子供ができ、一家の主になったときも、ボクシングを恨むことなく、後悔することなく生きていけますか?

ボクシングをやって、本当によかったかどうか?
それはボクシングを終えたときに、どれだけ人生が充実しているかどうかにかかっています。
終わってからも楽しければ、過去を前向きに捉えられますし、終わってから辛ければ、過去を否定的に思い出してしまうものです。

もしあなたの人生のすべてがアマチュアボクシングであるならば、誰もあなたを止めることはできないかもしれません。でも、もしあなたの本当の目標が、「強くなること」であるのなら、いまアマボクシングをやることは、身体にとっても人生にとっても、「弱くなる」選択をしているような気がするのです。

年齢的にもまだ若いですし、強くなる手段は決してボクシングだけではありません。ましてや3年で9勝をあげるあなたの格闘センスはなかなかのものだと思います。ボクシングへの思いを胸に、もった安全に強くなる道を見つけられることを願うばかりです。

勝手なことばかり書いてしまいましたが、
私は、多くの後遺症に頭を悩ませる元格闘家をみてきました。自分があなたと同じ経験をしていないため、説得力に欠けるのは承知の上ですが、もう一度冷静に考えるきっかけになればと思っています。

一生の問題です。思いっきり悩んでください。

ありがとうございます。一人では考えの幅が狭くなるので、非常に貴重なご意見です。今後どうするかはいきなり結論を出すのではなく、じっくり考えていこうと思っています。現在も、治った時と治らないときの二つのパターンを考え、実行しています。どちらにせよ、いつかはボクシングの選手としての生活をやめなければいけないでしょうが。ただ、今は完全には捨てきれていないので、シャドーとかはしています。
 
 確かに人生ボクシングばかりではないですよね。ボクシングより辛いこと楽しいこと、きっとたくさんあると、僕も思います。でも、ここ数年はボクシングの事ばかり考え、ボクシングのビデオなどもたくさん見ていたから、視野が狭くなっていたのは事実です。

よく考えてみます。
>ボクシングをやって、本当によかったかどうか?
それはボクシングを終えたときに、どれだけ人生が充実しているかどうかにかかっています。
終わってからも楽しければ、過去を前向きに捉えられますし、終わってから辛ければ、過去を否定的に思い出してしまうものです。

もう一つだけ質問させてください。
プロとアマでそもそも立場が違うのは承知ですが、プロの選手で何人か眼筋麻痺でもボクシングをしているのは知っていますよね?これもやはり反対ですか?

私がかかわっている格闘技選手で、眼筋麻痺や複視の選手もいますが、それぞれ個別に対応しています。

37、脳のダメージ後の対応(ボクシング、キック)
yrと申します。25歳男性、ボクシングとキックのライセンスを持っています。脳に衝撃を受けた後の処置方法を知りたく書き込みさせていただきました。宜しくお願いします。
私はボクシングもキックもアウトボクシングで行っている為、普段の練習では脳にほとんど衝撃を貰わないのですが、自分の不慣れなスタイルでスパーリングパートナーをやる時や、疲労していた時などにハイキックや大振りの攻撃を貰ってしまう事があります。

@その様な事があった場合、取り敢えずは出血、腫れを抑える為に冷やしているのですが専門家の方々から見ればどうするのが適切なんでしょうか?
A選手に訊くとダメージを負った後の夜は氷枕で寝るという話を訊きましたが、それは時間的に「冷やしすぎ」にならないでしょうか?
Bキックのジムでは毎日の様にスパーをやっている所が多い気がします。シャドー、ミット、スパーを日課にしている様な。素人目に見てダメージ蓄積の危険性が高い気がするんですが、どうなんでしょうか?ファイトスタイルによって個人差があるとは思うのですが、安全に技術向上する為のスパーリング頻度に関する目安の様な物もあったら教えて下さい。
試合後1週間は練習しないという選手は多いですが、クリーンヒットの様なダメージを負った際も1週間程度スパーは控えた方が良いのでしょうか?

この度はご利用まことにありがとうございます。

ご存知のとおり、脳へのダメージは外からわかりづらく、また自分でも自覚しにくい部分ですから注意が必要です!脳にダメージを負ってしまった場合の対処法を含めて、返信させていただきたいと思います。
@出血、腫れを最小限に食い止める意味で、冷やすという手段は最もポピュラーな手段です。頭部の外傷の中でも、頭蓋骨の外に出来た皮下血腫(いわゆるたんこぶのことです。)に関しては、冷やすという手段は血腫の増大を抑えるという点において有効な手段だと考えます。ただし、硬膜外出血や硬膜内出血、外傷性のくも膜下出血や微慢性の出血といった頭蓋骨の下の出血に関しては、冷やす効果がどこまであるかははっきりしたデータもないためわかりません。ただ、脳のダメージに関してまったく何もしないより、何かしら安全を考えて対処するという姿勢はすばらしいと思います。脳にダメージを負った可能性があるときの大原則は「決して一人にならない」ということです。脳のダメージは自分ではわかりにくいですから、必ず家族なり、友人なりにダメージを受けたかもしれないことを伝え、いつもと様子が違ったり、ボーっとしているようだったらとりあえず救急病院(脳外科)を受診するようにお願いしておくことです。また、お酒や入浴は血管拡張作用があり、出血につながる場合がありますから、ダメージを受けたときには血圧を上げるような行為は控えたほうが良いでしょう。
Aに関してですが、睡眠時に冷やしたり冷やすのをやめたりというのは実際難しいと思われます。ですから時間が長くなっても現実的には仕方がないのではないかと思います。何にもしないよりは、脳の安全を考えているという意味で評価できると考えます。
Bキックの場合、おっしゃるとおりスパーリングがほぼ日課になっているようなジムも少なくないようです。スパーリングは確かに実戦感覚に近く、攻防に必要な部分を磨くには適した練習なのですが、同時にダメージの蓄積という面もある練習です。
キャリアのある現役選手に伺いますと、やはり強くやるスパーの日と、ライトの日をちゃんと分けて行うこと、またスパーばかりでなくディフェンスの練習にもきっちり時間を割くことがダメージを減らすポイントだとおっしゃってました。
目安は様々なのですが、ハードスパーは週1から2回、あとはマススパーや技術練習、スタミナ練習で追い込むというのが安全性という面から見るといいのかなという気はします。
練習でもダメージを負った場合は、打ち合いは避けたほうが賢明だと思います。スパーに復帰する際もいきなりハードに戻るのではなく、ライトスパー、マススパーから入っていくとか、蹴りだけのスパーリングで蹴りの技術をUPするとかの工夫が出来ると思います。

長くなりましたが、安全にキックを続けていただきたいです!

38、鼻骨骨折の疑い(日本拳法)

はじめまして。
日本拳法歴2ヶ月のヨウスケ、20歳です。
3人ほどで週2回、日本拳法の練習をしています。
まだ、はじめたばかりなので防具を付けずに寸止めで乱稽古をしているのですが、この前カウンターぎみに私の鼻に逆突きが入ってしまい、それから鼻から息がしにくくなってしまいました。
ちょうどつまったような感じです。そうなったときは鼻を強く左右に曲げると10秒ほど通常の鼻での呼吸ができますがすぐに詰まったような感じになってしまいます。
鼻を見ても腫れてる状態ではないので折れてはいないと思います。
これは放って置いても大丈夫でしょうか?それともしっかり医者に見てもらったほうがいいでしょうか?
また病名が分かるようでしたら教えてください。

骨折があるかどうかはレントゲンをとって確認してみないとわかりません。

外から見て問題なさそうでも、後からずれてくることもありますから、不安がある場合は(仮に大丈夫そうであっても)確認してみるのもひとつだと思います。

正しい診断と治療を受けるためも、また不安を解消する意味でも、医療機関を受診すると良いでしょう。

強くなりたくて格闘技をはじめたのだと思います。鼻が曲がらなきゃ強くなれないのなら仕方がないですが、寸止めの練習で当たっているわけですから、必然の怪我ではないはずです。

一日も早いご回復をお祈りしています。


39、網膜の異常(ボクシング)

私はボクシング歴7年の33歳会社員です。プロライセンスを取得し、約3年半前に1度だけプロのリングにあがりました。年齢的なことも考え、最後にもう一度だけ試合をやろうと思い、ここ数ヶ月毎日のように練習を重ねています。試合が3月末なので最近スパ−リングを始めたのですが、先日スパ−リングをやった後からなのですが、暗いところで眼を動かしたときに視界の端に光りが走るようになりました。左フックを結構もらったせいか、右のこめかみと右眼に違和感を感じ脳神経外科と眼科で検査を受けました。脳神経外科ではMRI検査を行い異常無し。眼科では視神経と視野を調べる簡単な検査と眼底検査を行いました。特に異常は見あたりませんでしたが、極度の近視(0.01とかそういったレベルだと思うのですが・・・)の為、網膜が薄く飛蚊症の症状が見られ、眼を動かした時に硝子体の一部が網膜を引っ張り光がみえるのではないか(すいません、正確な説明じゃないかもしれません)、それがスパ−リングの影響で出たのではないかということでした。ちなみに飛蚊症の症状はボクシングを始める前から出ていました。症状が現れてからちょうど1週間位なのですがやはりまだ光は見えます。この週末にもう一度通院してお医者さんの見解を聞こうとは思っているのですが、3月の試合をやるべきかやらざるべきか正直凄く迷っています。アドバイスの程宜しくお願い致します。

ご利用ありがとうございます。

あくまでも、医学的な立場だけで話をすれば、
スパーリング後に光が見えたということでやはりボクシングによる影響の可能性が強いでしょう。
ですから症状が出ている状態でのプロのリング参加はリスキーではあると思います。

今回の症状がなくなり、散瞳検査でも異常がなく、昔からの飛蚊症だけになれば、練習復帰から試合復帰は可能だと思いますが、試合が3月に迫っているということで時期的には微妙かもしれません。

お話によると、「最後の試合」をされるということ。
私個人の勝手な感想としては、もしそれが2から3ヶ月延期することができるのなら、最初の一月はノンコンタクトの練習を中心にして目を休ませることに集中し、症状がなくなってから不安のない状態でラストファイトを飾ってほしい、という気持ちもあります。

選手が怪我や健康上の理由で試合をキャンセルするか、意地でも出るか迷っているときには、私はいつも
「あなたにとってのその試合の意味はなんですか?」
ときいています。答えは立場によって様々ですが、
「試合に出ること」自体が目的にならないように話しています。

せっかく7年間がんばってきた、その総決算をするのであればできれば最高の状態で、全部出し切って欲しいとおもいます。目の問題も克服して頑張っていれば、またいいチャンスもめぐってくると信じて、眼の回復と事態の好転に向かって欲しいと願います!

返信ありがとうございます。実はその後の検査の結果、網膜裂孔であることが判明し、その日のうちにレーザー治療を行いました。やはり眼の事ですので大事を取って試合に出るのはやめました。試合に向けて毎朝走って、仕事が終ってから毎日ジムで11時過ぎまで練習して、減量も着実におこなって、万全の体制で試合を迎えようとしていただけに正に断腸のおもいでした

40、日本拳法の防具と脳 
性別 男
年齢 19
はじめまして。最近日本拳法を初めてみようと思うのですが、周りから脳や目の影響について耳にしました。気になって調べていたんですが、あまり詳しく説明が書いてあるようなサイトはありませんでした。このサイトで初めて自分が聞きたかった意見が見れて、とても感謝しています。しかし、どうしてもまだ聞きたいことがあるので、質問させていただきます。日本拳法では重い剣道のような面とグローブの組み合わせなのですがANSWERには危ない組み合わせだと書いてありました。なので日本拳法のような組み合わせでやる場合、脳への影響は他の格闘技に比べて大きくて危険なものなのでしょうか?出来ればやめるべきなのでしょうか?もう一つあるのですが、コンタクトをつけているので面をつけた日本拳法なら安全だと思い選ぼうと思いました。しかし面をつけていても目に対して何か起きたりする可能性があるのでしょうか?よろしくお願いします。

こんにちは!

ご利用いただきまことにありがとうございます。

実際のところ、人間の脳へのダメージを実際に人間をターゲットに実験するわけにはいきませんから、どの格闘技が危なくてどれが安全だ、ということは難しい、というのが真実です。日本拳法とほかの格闘技を比べたデータが無いので判断はより難しいですが、個人的な意見としては特別危険だとは思いませんが、手放しで安全です、とも言い切れない。これはほとんどどの格闘技にも当てはまります。

各団体や協会は、「自分のところのルールは危険です」ということはまず無いですし、危険な中にもそれぞれ安全策をとって格闘技を成り立たせているわけです。

面をつけるということは、まず表面上の外傷をなくすことに役立ちます。素面でおきる皮膚のカットや眼球への直接のダメージ、眼窩底骨折などのリスクはかなり軽減されるはずですから、これはかなりのメリットだと考えます。
逆に面をつけると、頭部に打撃が加わったときに力の逃げ場が無い、といわれています。
また面をつけている分ある程度我慢できちゃいますから余計、積年のダメージが蓄積する可能性は考えられます。

あとは、その競技自体がどれだけ安全性を重視しているか、というのも大切なポイントでしょう。
ボクシングやキックなどダメージが蓄積しやすい格闘技の場合、脳のチェックや眼底検査など選手のフォローを行う団体も増えてきていますし、個人で健康管理、安全管理を行っているファイターも増えてきました。

たぶん、今は格闘技をはじめられる段階なのでいろいろ気になることがあると思います。私も格闘技の世界にいて、指導者の考え方によってまったく安全に関する意識が異なることを実感しています。

入門前にしっかりと指導者の安全に対する意識を確認して、大丈夫そうだったらトライしてみるのも一つだと思います。
現役選手と、脳や目のダメージについて話をするとみな共通してディフェンスの大切さを強調します。


どんなルールであってもディフェンスを重視する姿勢、
これが格闘技を安全に行ううえでの基本ではないかと考えます。


41、脊髄損傷(柔道)投稿者:池田 投稿日:2005/06/27(Mon) 23:18 No.1032
初めてメールします。私の息子は今、中学3年生の14歳(62KG)で、小学校3年生から柔道をしています。これまでは、遊び感覚だったのですが、キャプテンということもあるのか、やっと最近、柔道で強くなる楽しさ、喜びを感じて、毎日必死に練習をし、めきめき力をつけ、部も個人も県大会出場が決まりました。本人も、生まれて初めて、気合が入り、今まであまり試合を見に行かなかった私も、あまりの変わりように、頼もしく感じていました。ところが先日、練習中の乱取りで自分より30KGも重い生徒に内股をかけたところ、後頭部から倒れたようで、そのまま動けなくなり、救急車で運ばれました。その夜、骨折から復帰する同級生含め、ベストメンバーで県大会に望めたはずなのにと、初めて悔し涙を見せました。私も妻も息子の強い思いに泣きました。当初手に若干のしびれを感じていたようですが、そのまま入院して今2日目で本人は全身に力も戻り、先生からは非常に回復も早いと言われ、県大会に間に合いそうで、笑顔が出てきています。その矢先、主治医の先生から、MRIの結果は、見える範囲で異常はまったく見られません。完治も近いでしょう。しかし、MRIで分かったのですが、息子は脊髄と背骨の隙間が生まれつき狭いので、何も異常ではないが、柔道には向いていないから、これを機会にやめることを進めるというものでした。首を特別鍛えれば別だが、自分の息子ならやめさせますと。私は、この県大会は息子にとって一生で一番大切な経験になると思っています。しかし、これからの未来を考えると深く深く悩みます。もしものときは一生私が面倒見ればいいというものではないし、でも、柔道が大好きな息子の今の思いを考えると、とても胸が痛みます。どちらにしろ生涯後悔するかもしれません。一番いいのは県大会に出場し、何事もなく、準決勝あたりで負けて、柔道はここまでにし、高校では別のスポーツをすることなのでしょうが。首ということで、軽んじてはいけないと思います。何かアドバイスをお願いします。あきらめるべきでしょうか?首を鍛えれば、気をつければ、何とかなるのでしょうか?よろしくお願いします。県大会は7月22日です。

首や脳は、
命やその後の生活に多大な影響を及ぼすため慎重にならざるを得ない部位です。

実際に格闘技の現場でも首に爆弾を抱えている選手はいます。首を鍛えてリスクをしょって闘っています。

でもそういう人の中で、みんなが成功しているわけではありません。リスクをおかしてもそれを超える何かがあるかというと、本人の戦う気持ちを満足させることは出来ても、それ以上のものがあるかどうかは微妙です。

幸い、息子さんは中学生。
まだまだ生きがいや人生の方向という意味で選択肢はたくさんあるでしょうし、柔道だけが生きていく唯一の道ではない、ことは成長とともに気がついていくことでしょう。
(もちろん、柔道で強くなることで人生を切り開く生き方ももちろんありますし、それはそれで素晴らしいことです。)

現実的に試合となれば、もし私が親ならばまず医師の診断書を持参して監督、大会主催及び審判に伝えるでしょう。

早めのストップや、危ない場面があったら即危険という条件で試合に参加する、ということが許されるかどうかはわかりませんが、情報としては伝えておくべき内容でしょう。

リスクを覚悟で前に出るのも、リスクを感じて一歩引くのも、どちらもとても勇気のいることです。

大会に出れなかったことと、大会で何か後遺症を負ってしまったこと、後悔する大きさはまったく違います。

本当に難しい問題ですが、親だからこそ出来るアドバイスを大切にして下さい!

42、脳の硬膜下スペースとボクシング 投稿者:尚吾 投稿日:2005/07/04(Mon) 00:35 No.1034
はじめまして。19歳、男子大学生の尚吾といいます。アマチュアのジムでボクシングを始めて3年になります。2年ぐらいは趣味のつもりで時々スパーリングをするという感じでしたが、アマチュアの試合に出てみようと思い、スパーリングをしていました。それほど強い痛みではないのですが、頭痛が起こりました。ここまでは誰にでもある話なのですが、その痛みがいつまでたっても取れないのでメディカルチェックを兼ねて少し大きめの脳外科に行きました。CTとMRIを撮ったところ、脳と頭蓋骨の間に隙間が見つかりました。(頭痛とは無関係)1ヶ月スパーリングを禁じられ、外科部長の判断を仰ごうということでした。そして1ヶ月後再びCTを撮ると、「プロでは引っかかるかもしれないけれど、アマチュアでやるには全く問題ない」といわれました。しかし、親が心配したこともあり、近くにあった個人脳外科でセカンドオピニオンをもらったところ、「やめた方が無難」といわれてしまいました。どうすればいいのか今すごい悩んでいます。アマチュアボクシングの専門医に見てもらったほうが良いのか、やめたほうがいいのか、、、わかりません。アドバイスをお願いします。

こんにちは!

脳の問題は非常に難しいです。
アマチュアボクシングはポイント制とはいえ、
脳への衝撃を継続的に受けることは避けられないと思いますし、試合に出るとなればボクシング自体、趣味の領域を超えてしまうでしょうからかなりリスクは上がってしまうことは覚悟しなければならないでしょう。

脳の損傷は、場合によっては命に関わりますし、軽い場合でも後遺症を負うことがありえます。そこが他の怪我と違い、脳の怖いところです。
医学的な立場から言えば、「やらないほうが無難」という結論になってしまうと思いますが、あとはそれを踏まえて、尚吾さんがボクシングをどのようにとらえるか、という根本的な話になってしまうでしょう。

もし、どんな形であれボクシングを続ける、という仮定の話をすると、まず脳外科の主治医をきちんと定め、必ず定期的に診察と精密検査を行い、そのつどアドバイスをもらうようにすべきでしょう。これがまず第一の条件となります。

そして主治医のボクシングOKの許可の下に、
ジムにしっかり話をし、リスクを十分にわかってもらった上で練習を行うこと。
現実的には、ディフェンス技術を最優先で磨き、打ち合いを避けるファイトスタイル必要があるでしょう。またむやみやたらな対人練習は控え、よりフォーカスを絞った練習にきりかえていくべきだと思います。

また、同じ格闘技でも脳へのダメージが比較的少ない競技もありますのでそのようなものへの転向も一つの選択肢と思います。

健康あっての格闘技、ですから十分リスクを考え抜いた上で自分の答えをだしてください!